Fashion Show

Atsuro Tayama

ビッグシルエットやマスキュリンなアイテムたちは、ディテールにこだわり、小さな切り替えや異素材組み合わせが立体感を生み卓越したテーラリングと合わせ、男性的なスタイルに高貴な印象をあたえる。ボリュームを持たせた装飾的なディテールはフェミニンさを彷彿させるが、総体的にマスキュリン
である事を強調している。

膨らませる事でシルエットを崩し造形美を追求するだけでなく、機能を持たせることで理にかなった服であることにこだわった。背中の大きなふくらみはリュックの役割を果たし、ダウンの大きな襟は取り外す事もでき、ニットのベストはダウンではなく同じ編み地を幾重にも重ね、軽さを追求している。

コレクション全体にちりばめられたビジューワーク、スパンコール、メタリックやスタッズは、きらびやかではなく退廃的で、鈍く、鋭いアンダーグラウンドの世界を引き出す光となっている。光る素材同士を組み合わせることで複雑で多彩な輝きが増し、またハンドでプリントされた箔をのせ力強いフェミニティさをも感じさせる。

このダークストーリーは、寒さにも打ち勝つような強さを包むビッグシルエットと細かな断片から成り立っている。黒のパワーを味方にした力強さを秘めた女性をあらわしている。


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