Interview

5 preview


大手ブランドを連想させるようなポップなデザインでブランド設立から僅か一年でファッショニスタ達から絶大な支持を集めるブランドへと成長したTシャツブランド5 Preview。そのデザイナーであるスEmeli Martenssonにインタビューした。

-あなたの簡単なバックグラウンドを教えてください

私は360度クリエイティブな人間です。私はグラフィックデザイン、ファッションデザイン、社会学、インダストリアルデザイン、そしてインテリアデザイン を学びました。30歳の時にイタリアに移住しそこではKillahのプリントデザイナーとして働きました。ティーンエイジャーの雑誌KISSME!では”The Diary of Emeli”と題したコーナーで毎月トレンドスポッターをしていました。フリーランスとして他の雑誌でも働きそのほとんどはDIYに関する記事で時にはイ ラストも書いたりしました。私が書いたDIYに関する本も近年2冊発売されました。10年たった後アメリカNYのBrooklynに移住し今現在もそこに滞在しています。

-ブランドの設立にいたるまでの経緯について教えてください

5Previewは2008年に偶然スタートしたのです。私は長い間イタリアブランドのKillah(Sixtyグループ)のプリントデザイナーとして働 いてそこではたくさんのことを学びましたが一方で常に誰かのアイデアを解釈しなければいけないということに疲れてしまったのです。雑誌のDIYの記事でプ リントTシャツの作り方の記事を連載していたのです。そのTシャツの写真がMyspaceに載せたあとまもなく「このTシャツはどこで買うことが出来るのか?」というたくさんのリクエストを頂きました。私はそのTシャツのブランド名とロゴを作る必要性がありそれはピュアなミニマリズムでした。最初の意図と しては僅か5ピースのコレクションを作るという物で、(ゆえにこのブランドは5 previewと名づけられました。)それが発売される前にそのブランドは既に知られることとなったのです。5 previewはメディアから多数の注目を集め、Dazed&ConfusedやPIGなどの雑誌がこのブランドについて記事を書いたのです。その他Vanity FairやGQなどの雑誌もTシャツの写真を掲載しました。イタリアや日本、UK(アーリーアダプター=いちはやくそれを取り入れた人達)だけでなくスカ ンジナビアや北ヨーロッパなどでも5 previewの名はゆっくりと知られていったのですがこれはスウェーデンのブランドWeekdayとのコラボレーションに感謝しています。5 previewでは私自身自由に表現できなおかつ私が欲しい物をデザイン出来るのです。

-ブランドのコンセプトを教えてください

白地のシンプルで良質なTシャツに強調された黒字のプリントTシャツ。そしてシンプルでありタイムレスな物です。

-あなたのブランドが僅かな期間で若いファッショニスタ達の間でホットなブランドになったのはなぜだと思いますか。またブランドを始めた当初からこのようなことを予想されていましたか

このブランドはそのような評価によって確立されたようなものです。今のような状況は誰も予想していませんでした。私たちはこれからも自分たちがやりたいも のをやり続けていきます。ファッショニスタが今でもプリントを好むのであればそれはいいことです。他の新しい何かを創り出す必要がないですから。
次回のコレクションでは、プリントはより政治的なものになり、商業的要素は影を潜めます。

-「模倣は最上の賛辞である」この引用句について説明してください。インスピレーションと模倣の違いは何だと思いますか

模倣は誰かのコピーをすること、インスピレーションとは何かから刺激を受け、それを発展させ、別の形に変化させることです。あのプリントは皮肉です。なぜ なら、5previewがChanelを模倣したことなど一度もないからです。(たとえChanelがそう考えていてもです。私たちはChanelからイ ンスピレーションを得たすべてのプリントをコレクションから排除しなければなりませんでした。)

-ネット上で5previewのTシャツの模倣品(悪質なコピー)が見受けられます。これについてはどう考えていますか

ある意味、私の古いローマのアドレスがプリントされたシャツをコピーする人がいることに驚きます。それはまったく無意味ですが重要なことです。彼らは私たちの仕事が好きだということですから。私がただ望むのは、私たちのお客さんには、そのようなコピーが私たちの製品ではないこと、私たちはそれらとは違って 質のよい製品を作っていることを理解してもらいたいだけです。

-あなたのブランドはどのように捉えられていると考えていますか

それは個人によります。私たちの顧客層は幅広いですので。ですが確実に言えるのは、私たちのシャツは人々の心の中に願望を生み出すということです。

-あなたのデザインにおいて、インスピレーションの源となっているのは何でしょう

様々ですね。前回のコレクションに関していえば(まだ出てはいませんが)、創作時に私が住んでいたニューヨークから多くのインスピレーションを得ました。 古いプリントをリサイクルショップで見つけ、また、公共トイレの壁の落書きや、斬新なアート、至るところで行われているコンサートといったアメリカ文化 (ヨーロッパのものとは完全に違います)を観察しているときにアイデアが浮かびました。非常にクリエイティブな場所でした。

-ファッションデザインは、自分自身を表現する手段だと考えていますか
プリントについては完全にそうです。普段は表現したいことがそう多くあるわけではないのですが、ヨーロッパを飛び出すと心が呼び覚まされるようです。感情的なティーンエイジャーに戻ったような気分になります。

-あなたの作品に強く影響を与えたデザイナーや人物はいますか

いいえ、特に誰もいません。私はシンプルなものが好きです。
Pettibon and Hopperの作品は素晴らしいと思います。パンクロックミュージックを聴き、よく外出をし、旅行もよくします(今はサンフランシスコにいます)。好奇心が強く観察家です。
ここカリフォルニアの自然、海や新鮮な空気が大好きです。(時に)哀れな、閉ざされたVIPなファッションの世界からはかけ離れていますね。

-あなたの顧客はどのような人たちでしょうか

本当に大勢いますね!そしていつも着こなしが上手です。5preview のTシャツを着た写真をいつも私に送ってくれます。 そうやってお客さんと直にコミュニケーションするのは大好きです。

-今後数年間、5previewはどのように展開していくと思いますか

プリントは続けていきたいです。ですがこれからもプリントTシャツの人気が続くかは誰にも分かりませんね。私はそうだと思いますが。体に自分の意見を載せて歩きまわるようなものですし、人は誇示することが好きですから。
どちらにしても、次回のコレクションからはさらに充実していきます。アジア、オーストラリア、そして中東進出に向けての準備もしています。ですが今は、9月まで休暇の予定です。

Blog – http://www.5preview.blogspot.com/

Interview, Text/Masaki Takida, Translation/Yuko

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