Interview

motonari ono 3/5


“最近メンズに凄く興味を持ち始めて。ミニマルな中にあるちょっとしたディテールが気になって”

‐海外に行ってみて自分のスタイルは変わったと思いますか

やっぱり変わりましたね。学生の時って本当にやりたいことをやっていたんですけど削ぎ落とすこととか多少なりに覚えてくるので。

‐それはBora Aksuの影響が大きいのですか

ロンドンてなんでも出来るじゃないですか。やりたいことやってあまりクオリティも関係無くデパートとかも買ってくれるし。日本はそれとは全然違ってクオリ ティも高いし、売れる売れないを凄く気にするのでやっぱりそこら辺は適材適所というか発表の場に合ったものを作るということは多少意識していますね。

‐今はロンドン時代にいた時よりも日本のニーズにあった作り方をしているということですか

そうですね。

‐若い人の発表の場って海外、特にロンドンはいっぱいありますよね

あと若い人を応援する勢いが違いますよね。日本て年功序列とかある程度の経験とかが重要視されている気がして。若くして面白いことをしようとしてもなかな か難しいですよね。

‐ロンドンで続けたいとは思わなかったのですか

将来的には海外で発表したいとは思ったんですけど、海外で活躍しているビッグブランドも日本をベースにやっていますし、素材とか縫製のクオリティも日本は トップレベルということがわかっていたので。YKK買おうとしても海外で買うのって凄く高いんですよ。

‐クリエイションは日本の方がやりやすいですか

そうですね。素材集めとかも。イギリス自体があまり素材が無くてBoraの時もイタリアの生地をたくさん使っていたので。その点でも難しいかなと思ってい たんです。

‐ロンドンに行って自分の着る洋服も変わって行ったんですか

凄く変わりましたね。

‐専門学校時代はどちらかと言えば派手な格好をされていたようですが

そこから徐々にこんな感じ(カジュアルなスタイル)になっていきましたね。徐々に体重も増えてしまって。スーパーで買った冷凍のピザばかり食べていたんで すよね。

‐自分の着る洋服に対してはだんだん興味が無くなっていったということですか

ロンドンに行ってちゃんとレディースの服をやるようになってからはお店もレディースの店ばかり見るようになったんです。それに自分の洋服で何万円もお金を かけるならリサーチの為に材料買ったり素材を買ったりという方にお金を使うようになって、だんだん価値観が変わってきたんですよね。

‐なぜレディースを選ばれたのですか

メンズって表現が難しい気がするんです。凄い限られた世界の表現の仕方なのでなかなかその中から特別な事をやるのは難しいと当時思っていたのでレディース を選んだんです。日本では専門学校もメンズを教えている学校ってあまり無いですよね。

‐今は自分の洋服は買われないんですか

もらいますね。友達がくれるんですよ。いつも「頂戴」と言っているので。Volcomというブランドなんですけど。友達がそのブランドを好きでそのお下が りが来るんですよ。

‐ではメンズのショーを見たり、こういう洋服を着たいなとかは思わないのですか

(今まではあまり興味が無かったんですけど)最近メンズに凄く興味を持ち始めて、メンズのミニマルな中にあるちょっとしたディテールが気になっていて。4 シーズンショーをやってきて自分のやりたいことをやったのでもうちょっと違う視点でやりたいなって。好みが変わってきたのかわからないんですけど。

‐それはメンズを作りたくなったということでしょうか

メンズもやりたくなってきましたね。ただもう少しレディースを売ってからだと思っています。

‐でもじょじょにメンズをやりたい思いは強くなってきたと

そうですね。僕はレースをたくさん使うのでレースを使ったメンズがあってもいいなって思いますね。

‐レースやフリルがショーにたくさん登場しますがそれらはmotonari onoを構成するうえで重要なものだと考えていますか

そうですね。元々凄くオタクで秋葉原も好きだし、メイドファッションも凄く好きだったんですよ。そういうところの影響でレースやフリルを使ってメイド服を もうちょっとお洒落なハイファッションに表現できないのかなと思って最初のショーはやったんです。それが今は僕のスタイルとなっているんですけど。

-制服は作りたいと思いますか

やってみたいと思いますね。メイド服はちょっと安っぽくなってしまう気がするんですけどゲームのキャラクターデザインはしたいですね。

‐いつ頃からオタクになったんですか

小さい頃からですね。

‐自分はオタクだなと感じていましたか

オタクだとは思っていなかったんですけど他の人よりも漫画とかが滅茶苦茶好きだなと思っていましたね。青年誌、少年詩は一コマずつ暗記しているくらい好き でしたので。

‐今でもたくさんの漫画を読んでいるんですか

読んでますね。

‐漫画以外の部分で自分がオタクだなと思う分野はありますか

おもちゃとか、アメトイとかディズニーとか凄く好きなんですよ。スヌーピーも好きですし(事務所にも古いペッツが飾られている)。

‐秋葉原に通うようになったのはいつからですか

高校の頃からですね。3歳上の友達がいて凄いオタクなんですよ。その友達は自分の夢を叶えてゲームプログラマーになったんですけどその友達の影響も凄くあ りましたね。僕が中学の時にもその友達に秋葉原に連れて行ってもらったりしていたので。

‐そっちの道を突き進もうという思いはなかったのですか

ゲームプログラマーにはなりたくて、漫画家も目指していたんですよ。でもいつの間にかファッションになっていましたね。

‐でも自分の根底にはオタクというものが存在すると

そうですね。

‐オタクというのは悪いイメージではないですか

全然悪くないですね。ファッションやってる人って結構みんなオタクだと思うんです。漫画とかも読んでいるし。

続く

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