Interview

motonari ono 5/5


“DCブランドが流行っていた、あの時代が凄く羨ましいですね。裏原とか凄かったじゃないですか”

‐4シーズンやってみて変わった点はありますか

4シーズンで自分のやりたいことをやれたので次はもう少し驚かせたいというのはありますね。

‐こういうのだけじゃないんだというのを見せるという部分でですか

そうですね。

‐それは今までのmotonari onoのイメージを覆すような感覚でしょうか

ベースは同じなんですけどこういう見せ方も出来るんだということをしたいんです。

-motonari onoのスタイルというのはどういうものだと考えていますか

フェミニンでレースを使いエレガントさとエロさも持っていて。

‐よく口にする絶対領域という言葉について教えてください

ニーハイソックスを履いてスカートとニーハイの間の素肌が見える領域を言います。

‐それは一般的に使われている言葉なんですか

秋葉原に行くような人であれば知っていますね。前回と2シーズン前のコレクションはニーハイソックスやガーターベルトを合わせて絶対領域を見せていまし た。

‐過去2シーズン連続でJFWのオープニングを飾っています、なぜですか

前回はJFW側から頼まれてやりました。今回もやっぱりデザイナーの方って夕方にやりたがるのでJFW側から「オープニングだったら午前中でもいいです か」と言われたのでやりました。

‐自分がやりたくてというわけではないんですね

でもやっぱり一番最初って注目を浴びるので2回やれて良かったなって思っています。後に出るデザイナーより良い物を見せようという気持ちがあるのでプレッ シャーより楽しい気持ちの方が大きいですね。

‐実際小野さんの洋服を買われている層ってどの辺なんですか

40、50、60代ですね。顧客さんに支えられていますね。

‐若いお客さんが多いのかなと思っていました

やっぱり若い子は欲しくてもお金が無くて買えないんだと思います。専門学校生とかもたくさん「ここで働きたい」って言ってくれるので嬉しいんですがなかな か買うまではいかないですよね・・・。

‐他のデザイナーさんに比べTVや雑誌など多数のメディアに露出していますが反響はありますか

そういうのに出ることで取扱先が増えたりすることはありますね。知名度は凄く上がりましたし。

‐道で声をかけられたりすることはありますか

それはないですね。でも専門学校に講演しに行くと休憩中でも「小野さんですよね」って話しかけられますね。

‐自分の伝えたいスタイルが浸透してきたと感じますか

それは凄く感じますね。雑誌見ててここの服ってすぐにわかってくれるんですよ。「なになにに載ってたよ」ってみんな伝えてくれて。スタイルが出来あがって きた感がありますね。

‐作業効率もよくなりましたか

1シーズン目って準備期間が長いのでやりたいことを詰め込んで出来たんですけど2シーズン目から生産と被ってくるのでそのペース配分が全然わからなくて凄 く苦労しましたね。3シーズン目はそれが凄く嫌だったので頑張って前もって準備してやって、やっと周期に慣れましたね。

‐自分の目指しているポジションはどこですか

服が売れたいというのは勿論なのですがアーティストの衣装もやっているのでプレタを中心にそういう仕事も出来たらいいですね。

‐そういったアーティストの仕事の楽しみはなんですか

プレタって不特定多数の為に作るのでゆとりとか凄く大事になってくるんですけど、糸がほつれるとか、生地が弱いとか製品になった時のデメリット表示も凄く大事なんです。でもアーティストの人って自分を良く見せるためには色々我慢してくれるので楽しいですよね。見た目が一番重要なので。

‐女性のどんな部分に一番セクシーさを感じますか

細いのが好きなんです。あんまり偏った体型って逆に変じゃないですか。胸が変に大きくても服が似合わないですし。だから標準的な体形で少し細いくらいがい いですね。二の腕とかセクシーだと思います。あと(スカートの)丈は凄く気にしますね。ちょっと長くなってしまうとおばちゃんくさくなってしまったりする ので。

‐先生もされていますが海外との違いは感じますか

「なんで出来ないのかな」と思いますね。海外の学生の吸収力って面白いんですよね。

‐海外の学生達って変な吸収力ですよね。全然関係ない吸収の仕方なんだけど新しいみたいな。先生が感心するような作品も多いですし

子供っぽい作品作るんですけどたまに「おーー」っていう作品があるんですよね。10人いて9人は駄目だけど1人は凄い良かったりするんですよね。

‐日本は逆にバランスが取れていますよね

10人とも凄く普通だったりしますよね。海外はたまにMcQueenとかGallianoとかGarethみたいのが出てきたりするんですよね。

‐Gareth Pughの初期の頃のショーロンドンで見たんですけど凄かったですね

着れないけど凄かったですよね。でも買うお店がちゃんとあるんで凄いと思います。

‐一番影響を受けたデザイナーは誰ですか

やっぱり20471120です。DCブランドが流行っていた、あの時代が凄く羨ましいですね。裏原とか凄かったじゃないですか。

‐あの頃は原宿に凄くパワーがありましたよね

そうですよね。Tシャツの為に並んでそれにプレミアがつくっていう、考えられないですよね。

‐日本で気になるデザイナーはいますか

atoさんは好きですね。自分が高校生の時から、それこそYuji Yamadaさんとかと同じくらいの時期から今も現役でやっていて凄いなって思いますね。

Interview & Text:Masaki Takida

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