Interview

This is Fashion writtenafterwards×MIKIO SAKABE 3/3

“これからの時代を考えた時にショーって誰に見せてるのっていうのが成立していないですよね”

‐This is Fashionはどうなって欲しいと思いますか

W-色んな人が循環して発表できるような場所になればいいなって思っています。それもファッションショーじゃないとというのではなくてインスタレーション だったり、展示会だったり写真展でもいいんだけど色んな形で発表の場所がある、そこに行けば何かフレッシュな物があるというような場所が東京のコレクショ ンウイークみたいな部分でどこか何かしらあればそういうイベントになればいいなって思います。

‐例えばここのがっこうと何か一緒にやるということは考えていますか

W-やりたいですね。でもそれはまだ早いなって。
M-This is Fashionというものが東京で根付くには相当パワーがいりますよ。東京でファッションというものがどこにあるのと言われたら凄い難しい問題だと思いま す。

‐根付くという状態はどのようなな状態を意味していますか

M-東京を中心に世界に発信していくだけのパワーがあることですね。

‐This is Fashionだけでですか

M-そうです。イベントだけでじゃなくてもそれをやることによって東京のコレクションが盛り上がってその中でも一番力があるという形でも良いですが。

‐東京ガールズコレクションくらいのパワーがあるということですか

M-規模はそこまで大きくないにしてもそれくらいのパワーがあると相当な影響力はあると思います。

‐一番向けているのはどこなんですか

M-ファッションが好きな人達です。

‐ファッションが好きな人以外の人はどうでしょう

M-ファッションが好きじゃない人も好きになれるようにはしたいですね。今まであるファッションが固すぎるからそれは崩さなきゃいけないと思っています。 崩すためのThis is Fashionと思ってもらってもいいと思います。ファッションってこれとか格好良くなくちゃいけないとかないしファッションは何かになりたいとかの憧れ だけの存在ではなくて、ファッションって人間すべてが入ってなきゃいけないと思うから、そこをもう一度考え直したい。ファッションって高貴なものであった り、格好良いものだけであったりだけだと思っている人から見たら変かもしれないけどファッションって色々な物を受け入れるものであるとも思うので。

‐今回一般のお客さんも凄く多かったですがどのように呼んだのですか

M-Dropの横田君に頼んでお洒落な人、ファッションが好きな人達を呼んでもらいました。
W-Chim↑Pomが元々高円寺のキタコレビルの人達とかと繋がっていたのでそこを経由して何枚かチケットを渡したりもしました。Chim↑Pomが出 るということでイベント自体にも興味を持って頂けたので。

‐限定せざるを得ないけど本来イベント自体のコンセプトはみんなに見てもらいたいというようなコンセプトですよね

W-そうですね。
M-そっちに移行していくというのもありなのかもしれません。見せる為だけのファッションのエンターテインメントにしちゃってっていうのもありなのかなっ て。

‐本当にたくさんの人に見せたいのであればお金を取ってでもたくさんの人に見てもらうということが重要な気もするんですよね

M-それでイベントが完成するのであればガールズコレクションじゃないけど新たな形でバイヤーやジャーナリストを通さないで楽しむという形もいいかもしれません。

‐自分達で作り上げて自分達で直接売っていくという考え方もありだと思うんですよね。ショーをやってお金を取るのが駄目だとは僕は思わないしそれで も見たい人って沢山いると思うんですよ。無料にすることによって呼ぶ客が限定されるのであればお金を取ってでも見たいという人に見てもらった方がイベント としての完成度は上がると思います

W-でもファッションショーでお金を取るというのは難しいなと思うのがショーってやっぱり7分とか10分とかでそれでお金を取って、お金取ったらお金払っ たんだからどれだけのものを見せてもらおうみたいなことになると思うんですよね。

‐勿論1ブランドだけじゃ難しいと思うんですけど、例えば2回制にするとか、もっとたくさんの人に見てもらうことでThis is Fashionとしてのコンセプト自体も伝わると思うんですよ。僕は今回のイベント全体で2000、3000円払っても見に行きたいと思いますし。でもあ まり高くなると気軽には行けなくなりますよね。

W-1ブランドとしては出来ないけどイベントとして考えたら可能かもしれませんね。

‐自分達のクリエイション、イベントに自信があって良いものを見せれるのであればみんなお金を出してでも見たいと思います。だからこそガールズコレ クションが盛り上がっているんだと思うし。勿論方法や目指している方向性は全然違いますけど

M-そういうのもありかもしれません。でもただ見れるじゃなくてもっと参加型にしするというのも面白いと思います。

‐ユーザー参加型にしてもっと色んな事を考えて、色んな事をやってみんなでイベントを作り上げてってやっていけばもっとイベント自体も盛り上がって いくと思います。今のしがらみの中でやっていたらきっとやれることって限られてくると思うんですよね

W-本当にこれからの時代を考えた時にショーって誰に見せてるのっていうのが成立していないですよね。でも実は凄い思うのはファッションショー自体を見た い人って本当はたくさんいて、ファッションショーを僕らがやっていくのであればそこと結び付かなければいけないわけで、ということはやっぱり普通だったら バイヤーさんとかに見せるからお金を取れないということになるんだけど、「ショーをやる為にお金が必要なんだよ」というので「ちょっとお金を下さい」とい うのは別に自然なのかなって思います。Save Fashionとして。だけど僕のスタンスとしては本当は凄く取りたくないです。

‐お金を取らないでたくさんの人を呼べるのが本当は一番良い、でもそこがネックとなって呼べないのであればお金を払うことによってたくさんの人に参 加してもらった方が良い物は出来ると思います。自分もそうだったけどファッションの専門学生とかだったら絶対ショーは見たいと思いますしそれを見せること によって感じるものは凄い大きいと思います

W-教育の為ということであれば学割とかをしてもいいですよね。

‐だからお金を払うのが悪いのではなく新しいシステムを自分達で作ればいいのかなって

W-ショーに拘るのであればそこは確かに良いのかもしれません。

‐そのイベントで自分達で例えばお店を出して自分達で売っていくという考えもありだと思うんですよね

M-一般の人達と直接繋がると意外なものが見れるからそこに繋がることで色々な発見もありますね。

‐今のシステムだとデザイナー→ジャーナリスト→バイヤー→販売員→お客さんだけど直接デザイナー→お客さんになればもっとメッセージが伝わると思 うんですよ

M-全部を通さないというシステムの方が面白いかもしれない。

‐本来は直接デザイナーがお客さんに売るというシステムが一番正しい気がします

M-直接お店を借りて1週間店頭に立つというのでも面白いしショーもお客さんに直接つながるという意味で凄く面白いかなと思います。
W-僕も本当はそういう気持ちが凄いあって、でもかといってバイヤーという職業自体を否定するべきではないなとも思っていて・・・

‐HIROさんは自分で立って自分で直接お客さんに接客していますがそれって凄く理想的だと思うんですよね。そういう機会も必要なのかなって。バイヤーも勿論理解してお店側として発信することも大事だけど自分たち自ら新しいお客さんを探すというかもっと自分達で直接考えを伝えていくというのは大事なのかなって思います

W-自分達でお客さんを探していくというのは凄い現実的に僕達も実感できるというか、見えない人に売っているという感覚が一番怖いなって思います。
M-コンサートみたいな感覚で売っていくのも面白いかもしれないですね。

Interview & Text:Masaki Takida

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