Interview

CEMENT Store / Showroom 5/7

“僕ももともとデザイナーとしてコレクションやっていたから、東コレで。まぁあの時に近い感覚やっぱりするかなって”

―ディストリビューター/Showroomやってて、やっぱり流れとか変わったと思います?

変わってる。やっぱり。なんか僕たちの仕事って基本的になんか、なんだろ…これいうと凄くあれなんだけど、ショールームにも流行り廃りがある。今流行の一番最前線ってDUNEだと思うんだけど。でも僕にもまがりなりにもやり方があって、まぁそのなかでこう3年やってると、流れも少しついてきてて。「こういうのが求められてるんだろうな」、とか。で、実際今お店もこういう風にやらせてもらってるから、あとは流れの速さ。ブランドもどこまで育てられるのかな?っていうのもあったり。まぁちょっとまとまらないけど。難しい。

―でもやっぱりデザイナーとの契約も厳しくなってきてます?

うん、契約は厳しくなってる。

―ディストリビューターやってて、他のお店に売るって言うことも難しくなってますか

それは難しくなってる。

―数も少なくなってますか

そうそう、あとは何がほしいのか?っていうのが全く見えなかったり。で、結局蓋開けてみたらなんだそこかよ。みたいな感じだったりとか。まぁだから基本的に、地方のお店さんたちが受注会するのってそういうところだと思って。自分たちで何が売れるかわからないから、ディストリビューターからサンプル借りて、受注会やって、そこからオーダーつけるっていうのが一つの流れだと思うんだけど。で、そうなると逆に新しいもの持ってきても、果たしてそれがいいのかどうかわからない。感覚で買えなくなってるから。
僕たちがなにか提案してもそこに警戒しているというか、売り込めないっていう事情がすごく多い。だからすんごい好きで買うって言う人たちは本当に洋服が好きな人たちで少ない。
初めてのブランドで、見たことのないブランドでも、私やります!っていうお客さんがたまにいて、うちでいうとHartmann Nordenholzとか(ウィーンのブランド)。
もうこねーだろって思ってたお店が突然来て、わぁ来て良かった!っていう感じでオーダーしてくれたりとか。そういう時はホント嬉しい。
やっぱり洋服が好きっていうお店さんは、今も昔もスタンスがかわらない。
逆になんか手探りで探してるお店ってのもやっぱり多いから、そこの視点でいえばディストリビューターに求められるものっていうのは、即戦力になってくる。
ある程度かっこよくてとか。話題性。よくわからないけど、これアート”っぽい”ね、
とか。そうゆうよくわからない上っ張りだけで買い付けとか。
でも僕たちってそういうものを集めてるってわけじゃないから、そういうのにはかまわない。

―ディストリビューターの魅力っていうのはなんですか

実際数字を見るのも楽しいっちゃ楽しいところ。だけど責任もすごくあるから、
楽しいっていっちゃいけないんだけど。あとは深いお付き合いをするから一緒に作り上げるものがあるっていうか、

―どこまで?

入り込むか?結構入り込むところは入り込んでて。たとえばデザインの色出しとか、こういう形のものをバイヤーさんが求めてるからとか。要するに僕たちってバイヤーさんからデザイナーにいく、窓口みたいなものだから。代理の営業さんみたいなもので。デザイナーさんってやっぱりものづくりに集中してるから。もちろん自分の感性でつくるんだけど、何かエッセンスが欲しいとか、そういうときに僕たちに意見を求めてくるところで、そうすると僕からも「こういうのがいいんじゃないですか」とか、ちょっとしたデザイナーのアシスト的なことをしたりとか。で、それが意外と出来あがったら面白かったり。まぁだから戦略的な部分、そこまで戦略とか組んでるわけじゃないけど。それが楽しかったり。デザイナーじゃないけど、バイヤーさんに新しいもの見せたりとか、インスタレーションもそうだけど見せる瞬間ってやっぱり自分の作品のように楽しいときで、僕ももともとデザイナーとしてコレクションやっていたから、東コレで。まぁあの時に近い感覚やっぱりするかなって思う。自分の分身っていうか、そういう感覚になるかな、僕は。

―もうデザイナーとして服は作りたくないんですか

作りたいとは思うけど、まぁ趣味程度で。

―デザイナーの時はどういう人が着てる服を作っていたんですか

その当時着てたお客さんって…昔のCANNABISに出入りしていたいわゆるCANNABISチルドレン。CANNABISが、ANALOG LIGHTINGとか、NOZOMI ISHIGUROとか、soeとかああいうちょっとこう、東京の次世代っぽい服を好んで、なおかつ形が派手な服を好む時代があって。なんかそういうのに関心の高い子たちがすごい着てくれてて、今で言えばCANDYにくるような子達。
そういう新しい服が好きな子達と、お店に憧れている子達。で、その当時買ってくれてた子達っていうのがみんなアパレルに入って、例えばHIRO SHOPのカルピス君とかは当時のお客さんで。あとCANNABISのGALLIANOちゃんとか。
その子とかも僕のもともとのお客さんでって感じ。
彼らは年は全然若いんだけど毎日服買いにくるような位、服好きな子達。

―この今のショップってどういう人が来るんですか

今来てるお客さんは、女の子が多い。 でも最近は男の子の方が多いかも。

―このお店がここにあるってことを知ってる人ってそんなにいます?

いない。笑 
なんかたまにBLOG見ましたっていうので来たりはするけど。あとはHartmann Nordenholzのお客さんがフラッっと来てとか。もうとにかく気に入った物着る人たちが集まればいいかなぁって思って。
だから展示会とか結構わかりやすいんだけど、派手な服とかやってると、展示会のときに友達が個人オーダーみたいな感じでオーダーするんだけど、そんな普段ブランドの服買ったりしないような友達が、とんでもない形の服買ったりしてるのを見て、こうやって買えるんだなって思って。
なんかうちの店にもそういうスタイルを反映させたくて、このスタイルだから来るって子達じゃなくてとにかく「ふらっと来て良かったからまた来ます。」みたいのとか。もうとにかくジャンルレスがいいなって思ってるとこ。だから僕の集めてるものにも、ジャンルがない。

―今はまだリースに来ている人たちの方が多いいんですか

今はスタイリストさんが多い。あとはアーティスト。やデザイナーが多い。

―何が一番人気なんですか

アクセサリーとか。このNUKI SIGORAっていうのとか。打ち出しでTWO TOM、とりあえずネタだしで使おうかなって思って出してるぐらいで。今はまだまだ。でもいろいろ入ってきてますよ。

―日本ブランドで洋服はどんなのやるんですか

えーっと、CZEREMONYと、あとなんだっけ、CZEREMONYだけかな。

―合同展示会で(ディストリビューターとして)Generation Xという企画もやっていましたよね

あれをやったのはきちんと目的があって、僕たちがやっているディストリビューションのお客さんの幅を広げるっていうのが1つ目的で、でもそれとリンクさせて彼らにもお客さんを潤滑し、流させるのが1つ。セールスのコンサルティング的な。僕と矢作でやっているown salesっていう、輸出とかセールスのコンサルティングの仕事とかもやってて、そっちのほうの部署でやってる感じ。

―Nyteとか、DRESSEDUNDRESSEDとか…

そう、1回目は。
店には置いてませんけど。

―ここのテイストとは違いますよね

そう、春夏で黒い服は浮いちゃうし。嫌いじゃないよ、凄い好きなんだけど。
特にNyteは凄い好き。

―綺麗ですよね

Nyteは凄い好き。スタイリングも好きだし。あの子の感性が凄い好きで、Nyte見たときはもう絶対やりたい!って思って、僕が扱うっていうよりも、普通にご紹介したい感じ。こんなブランドあるんですよみたいな。

―コートとかジャケットとかも綺麗ですよね

あの子は年の割にセンスが良くて、最近の日本人のデザイナーの中では凄くセンスが良いと思う。僕が見た感じね。僕思うんだけど、黒い服ってデザインごまかしちゃうからあんまり好きじゃないんだけど、最近日本のファッションコンペティション見てても、大体黒い服であんまりイマイチ、ピンとこない。デザインしてるんだけど色でごまかしてる気がする。もっと提案の仕方あるでしょみたいな。

―日本のコンペティション面白くないですよね。海外とは全然違いますよね

黒い服が全く嫌いなわけじゃないんだけど、黒もやりながら、ファーストコレクションを黒じゃなくて違うものでもっていって、そういうのができた上で黒もやっちゃうんですよ、みたいな。そういう提案のほうがやっぱり面白いなって思う。黒は誰でも出来るっていう提案の1つだと思うし。

―なんかでもリアルな面でいうと黒は売りやすいのかなって

黒は売りやすいっていうのはあるんですよね。それはそう、もちろんある。逆にうちでやってるGEGENってブランドは今シーズン黒を打ち出させたのは、いつも売りづらいから今回提案して、黒を作ってもらったんだけど…今回はGEGENセールス良かったです。
それまでは紫のサテンのドレスとか。
個人的には凄く好きだし彼の世界観凄くしっかりしてるから僕はずっと続けてるんです。

続く

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