Interview

HARTMANN NORDENHOLZ

FilipとAgnesによって2000年に設立されたブランドHartmann Nordenholz。ブランド名は彼らの祖母の旧姓の名をとって名づけられた。AgnesはMarc Bohan、 Helmut Lang、Jean-Charles de Castelbajacにて、FilipはJean-Charles de Castelbajac、Raf Simonsなどで経験を積んだ。ブランド設立から僅か2年後の2002年にはオーストリアファッションアワードにてグランプリを受賞。オーストリアを代表するブランドとして国内外から注目を集めている。

―ブランド設立の経緯を教えて頂けますか。なぜ一緒にブランドを立ち上げようと思ったのですか

私たちはウイーン美術大学在学中に出会いました。それから数々の小さいプロジェクトを共にこなし、(その中の一つは古い青写真のテクニックでした)デザインのアプローチの方法はとても近いものがあり、高品質なものを互いに求めていることに気付いたのです。
私たちの友情関係、良いコミュニケーション、そしてお互いの考えを反映したものがブランドのベースとなっているのです。

―それぞれのデザイナーの役割を教えてください

私たちはイコールな関係でデザインを行っています。そ全てのコレクションのイメージやグラフィックはAgnesによって手掛けられています。

―幼少のころからファッションに興味を持っていたのですか

いいえ、バービー人形で遊んでいるような子でした。

―ブランドコンセプトやシーズンテーマはコレクションイメージを表現する上で重要だと感じますか

テーマやコンセプトは夕食をのせるお皿のようなものです。

―ファッションデザインは自分自身を表現するものですか

(ファッションデザインは)時に単なる個人的なモノにもなり得ます。

―自身のスタイルをどのように考えていますか

無です。

―2010-11 A/W コレクションについてお聞かせください

2010 -11 A/W コレクションは『Musterung』と名付けました。Hartmann Nordenholzは再び多数の意味を持つ言葉や両面性を持つ言葉から洋服を作り上げたのです。『Musterung』はドイツ語で『marking』を意味し、ファーや羽毛、肌などに印を付ける事を意味します。もう一つの意味として『Check up』があります。それは誰かの様子をちらりと見る事です。

ユニークなハンドメードのプリントテクニックが幾何学模様をクリエイトするのに用いられそれはアルプス山脈の意思の粗い表面にも似ています。
ドレスのドレーピングはコレクションの発展においてより重要になって来ています。ドレーピングを用いたピースは彫刻的要素を伝える事が出来ます。彫刻家にとっての石のように、彫刻的ピースはファブリックによってデザインされるのです。

興味深いな裂け目をクリエイトさせる為にプリントの光はシルクやシルクジャージーそしてコットンのようななめらかな表面、ソフトで流れるようなマテリアルを用いました。

ブラックとグレーのカラースケールから始まったコレクションは赤や緑の“陰”によって完成しました。それは伝統的なオーストリア人の衣装に用いられる伝統的な色です。

コレクションはレザーやローデン、ハンドニットや羊のファー等の素材の洋服やアクセサリーで構成されています。ローデンはコートに用いられ、ケープはオーストリアで生産されている高品質なウールの素材を使用しています。

―あなた方のファッションやグラフィックデザインにおけるインスピレーションはなんですか

光に潜む暗闇です。

―あなた方にとって拠点としている『ウイーン』とはどんな意味を持ちますか、またクリエイションにおいてどのような影響を与えているのですか

両面的価値です。そこで残るものはより力強くなります。

―お二人ともブランドを立ち上げる以前にたくさんのデザイナーと仕事をされていますがどのデザイナーがあなた方の作品に強い影響を与えたのですか

A:ジェフリービーンの講義は色々と考えさせられました。
F:特に直接的影響を受けたデザイナーはいません。

―あなたのデザイン哲学を教えてください

“自分の中にきらめく星が無ければ、混沌は生まれない”(フリードリヒ・ニーチェ)

―あなたの顧客について教えて頂けますか。彼らはあなたの作る洋服にどのようなモノを求めていると感じますか。

私には彼らが“何か”を求めているのかはわかりません、しかし彼らは(洋服から)何かを見つけるでしょう。

―今現在何があなたにインスピレーションを与えていますか

イースターホリデーの間に撮った春の草原に関してのショートムービーです。

Interview & Translation: Masaki Takida

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