Interview

Theo Adams


ロンドンのアンダーグラウンドシーンから火がつき、WやDazedをはじめ様々なメディアでフィーチャーされ今現在ロンドンで最もホットな存在であるTheo Adams。最近彼を中心としたThe Theo Adams Companyを立ち上げますます活動の幅を広げている彼にインタビューした。

—他者とは違うあなたのスタイルの特徴を教えて下さい。また、特に若者に支持される理由は何だと思いますか

私の美学は、陰と陽の美しい調和、消えゆく華やかさにあります。煌めき、移りゆくものが好きです。劇風のものには常に魅力を感じます。私にはゴシック的要素があるように思われるようですが、私自身では、マリリン・マンソンよりもライザ・ミネリのイメージだと思っています。

—日本人アーティストmasumi tipsy saitoと仕事をするのはなぜですか。彼女の魅力とは何でしょうか

彼女は素晴らしい才能を持っています。私が大まかな指示を与えるだけで、私の意図を完璧に理解します。彼女は完全に錯乱したダンスをしますが、それは生々しく荒々しい一方、痛々しいほどの美しさがあります。彼女は素晴らしい人で、私にとってとても大事なミューズです。

—’Theo Adams Company’を設立した理由、また、メンバーから得るものとは何ですか

私は長年、ソロとして活動してきましたが、ショーをもっと大きくしたいと考えていました。長い間同じことをやり続けるのは好きではありません。居心地良く、安定していたくはありません。それが、絶えず自分自身挑戦し続ける理由です。私の仕事に他の人を招き入れたのはごく自然なことでした。それは私が素晴らしいチームに恵まれたからだと思います。Jordan Huntの音楽に始まり、David Whiteの舞台装置、ますみや他のすべてのダンサー達、彼らは一緒に仕事をするうえで皆最高に面白く才能ある人達です。素晴らしいチームになっています。

—最近、多くのメディアや雑誌で取り上げられ(i-dやWなど)、今ロンドンで最も注目のアーティストの一人として評価されています。この状況についてはどう思いますか。パフォーマンスを始めた頃、このような状況を想像しましたか

本当に凄いことになっていますね。PR活動などもまったくしていないですから。ですが、BBCで1時間のドキュメンタリー番組で取り上げられたことを最初に、大きな新聞でも紹介され、それからWやDazedといった雑誌での企画がありました。アートや演劇の正式な技能もなく、一文無しの19歳であれば、自分の言動がすべての人に見られているという状況は多大なプレッシャーになるでしょう。ですが私の場合はそれが仕事へ影響を及ぼすことはありません。私のパフォーマンスをたくさんの観客に見てもらえることになるので、素晴らしいことです。

—あなたがイギリス人とギリシャ系キプロス人とのハーフだということは、パフォーマンスに影響を与えていますか

どちらの文化からも強く影響を受けていると思います。私が紛れもなくロンドンのアーティストであるということは確かです。このように文化の面で多様性のある、創造的な都市で暮らしていることは私の行動に大いに刺激を与えています。どこか海外へ旅行するといつでも、自分がロンドン人であることを強く感じます。ですが、ロンドンにいるときは逆に自分はギリシャ人だと感じます。私の演劇的センスはギリシャ人のもので、私の体に染みついています。あらゆる古いギリシャの音楽を聴きながら育ちました。ロンドンでは、私の作品はとても激しく、メロドラマティックだと捉えられますが、ギリシャやキプロスでは、至って普通です!

—どこからインスパイアを受けていますか。また、どのようにアイデアを思いつくのですか

インスピレーションはあらゆる場所で受けています。You Tubeは私の人生を変えました。Fatima MirandaからLa Lupe まで、ネットで見ることがなければ知りえることのできなかった多くの刺激的なアーティストを発見することができます。私の作品は多少時代を超越したものですが、私自身は確実にインターネット世代の一部です。

—今、何からインスピレーションを受けていますか

今は、“Den Thelo Na Xeris”という歌から大いにインスピレーションを受けています。ギリシャ語で、’あなたに知ってほしくない’という意味ですギリシャのスーパースターであるAnna Vissiの歌です。次のショーではこの歌を中心にしようと考えています。歌詞のどの部分も、音楽も、ビデオも完璧です。そして素晴らしく情熱的です!

—次は何に挑戦したいですか。将来はどのようになっていたいですか

すべてが大きくなっていけばいいと思っています。作品をしながら、世界中を回りたいですね。日本へは本当に行きたいです。それから、今2つの大きな映画とアルバム制作をしている最中です。どれもとても大変な作業になってきました。借入金はあるし、販売する製品もないので、お金がありません。しかしだからといって止めるわけにはいきません!

—一緒に仕事をしてみたい人はいますか

一緒に仕事をしたい人は大勢います。今思い付くのは、Anna Vissiや、Pina Bausch、Almodovarです。

—なぜアーティストになりたいと思ったのですか。キャリアのうえで強く影響を受けたアーティストなどはいますか

人生の中で、心からアーティストになりたいと思った瞬間というのはありません。ただ、パフォーミングをしていた、ショーや衣装を創っていた、ということを覚えています。生まれたときからアーティストだったのだと思います。私の血がそうさせるのです。他のことをしている事は考えられません。ビジュアルアーティストから強く影響を受けたことはありませんが、すべての影響はパフォーマーやミュージシャン、エンターテイナーから受けています。何百万の観客を前にして魂をむきだしにできる人達です。

Blog – http://theoisamazing.blogspot.com/

Interview, Text/Masaki Takida, Translation/Yuko

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