Interview

Fabiola Arias

パーソンズ在学中に弱冠21歳の若さでブランドを立ち上げ来年の3月、JFWのイベント「シンマイ・クリエーターズ・プロジェクト」にて日本でキャットウォークを行う注目のデザイナーFabiola Ariasにメールにてインタビューした。

-あなた、そしてブランドの簡単なプロフィールを教えてください

デザイナー、ペインターそして彫刻家としてキューバに生まれました。クリエイティブな部分の多くはとても小さい年齢からデザインや工作をすることによって 培い、家にいるだけたでファインアートに対しての正しい認識やインスピレーションが培われそどんどんのめりこんでいきました。16歳の時生意気でエレガン トなドレスの初のコレクションを私のホームタウンであるアメリカのマイアミのファッションウイークで披露しました。その後インターンとしてMarc Jacobs, Esteban Cortazar, Narciso Rodriguezの下で働けるという機会に恵まれました。私のラグジュアリーなイブニングウェアラインは2007年New Yorkでスタートし、私のファーストコレクションはまだパーソンズの最終学年で勉強しているときにIkramで売られました。

-(新米クリエイターズプロジェクトに参加することによって日本の生地を使用することが出来るが)日本の生地を使用することによる利点は何だと思い ますか

私が思うに日本の生地はとても素晴らしいと思います。日本の生地ほど美しいものはありません。様々な生地を様々な方法で使い、そして探究する機会を与えら れとても興奮しています。

-日本のマーケットとJFWについてどう感じますか

日本のファッション産業がリスクを負いデザイナー達にクリエイティブな探求をする機会を与えているのを賞賛します。私が思うに日本人の前向きな考え方と自 己主張の仕方がそれを表していると思います。私はそれを尊敬しています。

‐最近のコレクション(10S/S)の説明をしてください

私は今回のコレクションをOrishasと名づけました(Orishasはサンテリアのアフリカ系キューバ人の宗教で神を意味します。)コレクションは 13体のカクテル、またはイブニングドレスからなり全てハンドメイドで贅沢な生地を使用しています。レザーのコード刺繍やロープ、シフォン、ヤシのレー ス、オーガンジーなどの特殊な素材を用い表面加工やディテールを高い職人技術で仕上げなこのコレクションをまるでペインティングのようにクリエイトしまし た。数々の素材を用いて筆跡のように、自分自身をアートのピースと考える女性の為に。

‐日本の市場に合うように何か変えるつもりはありますか

私はパンツやジャケット、ニットなどを加えもっとデイウエーへと広げようとしているところです。ボディーコンシャスであることを避け、シルエットやデザイ ンも幅を広げエアリーで優美な物にします。

‐あなたは自身のデザインにカリビアンのルーツを感じますか

はい。私はキューバからやってきたときからラテンやカリビアンの女性にアピールする美学を持ち合わせていると感じます。カリブ系の女性は色を愛し洋服の動 きを愛します。そして一番重要な部分では彼女たちは美しくそしてセクシーに見えたがっています、でも品のない感じではなく。だから私は自分のデザインに鮮 やかな色を用いラテンの女性に合うようなシルエットを作り上げているのです。しかしそれは意識的に行われているのです。

‐パーソンズで学んだことはなんですか。またあなたのデザインにどのような影響を及ぼしたのですか

パーソンズはまるで訓練所のような場所でした。それは私がこれまでの人生の中で一番大変だった時期でもあります、それと共に最も輝いていた時でもありま す。私が思うにパーソンズで学んだ一番重要なことは効率的な時間の使い方と良いコネクションの作り方です。本当にたくさんの仕事があり、プロジェクトが終 わるとまたプロジェクトと常に同時にプロジェクトを抱えていました。そして本当に小さいことからどのように時間をオーガナイズすれば良いのかを学びまし た。パーソンズという名前は私のキャリアを作り上げる、もしくは壊す物ではないということも学びました。多くの人がどこの学校に行くのか、もしくは行った のかに焦点を当てますがどこで学んだのかは問題ではありません。もしそこになにかあなたが愛する物や成功したい物があるのであれば誰もあなたを止めること はできないしドアはあなたの為に開いています。あなたはそのために突き進まなければいけません、先を見越しどんな状況でもベストを尽くし成果を創造しなけ ればいけません。

‐あなたのキャリアにおいて影響を受けた人物やデザイナーはいますか

私の両親は私のキャリアにおいて間違いなく良い影響を与えています。彼らなしでは私の会社は存在していません。母は衣装デザイナーで私のチームにとって必 要不可欠な存在です。本当に小さい頃から私がデザイナーとして最も尊敬しているのはJohn Gallianoです。彼の美しくもまるで夢のようなデザインの洋服の写真を見てから私はファッションデザイナーになりたいと感じたのです。

‐どのようにブランドを設立したのですか

ブランドはまだまだ初期段階です。たった2年しか経っていません。しかし私はいつか自分自身の会社を持つことを知っていたのです。だからただそれについて 真剣に向き合い正しい工場、テキスタイル、サプライヤーを探しバイヤー達に自分自身、そしてブランドをプレゼンしました。

‐どのようにしてファッションに触れたのですか

私の母親は衣装デザイナーで、父親はTVのプロデューサーそして撮影監督として働いていました。だから私はほんとうに小さいころから常にクリエイティブな 環境にいたのです。常に母が絵を描くのを見つめ、同じようなことをしたがっていたのです。6歳の時に家族でJohn GallianoのファッションショーをTVで見ていて、そして私もいつかそういうことをしたいと夢見ていたのを覚えています。それから私の両親は私を アートスクールに入れました。そして私はフロリダのマイアミにあるとても素晴らしいアートスクールの入学試験を受けたのです。そこでソーイングの技術を学 びました。高校ではとても素晴らしいファッションデザインの先生Rosemary Pringleに出会い彼女は私の能力をとても信じ、羽ばたかせてくれました。それが私のパーソンズへの入学、そして私自身がファッションを見たニュー ヨークへとリードしてくれたのです。

-どこからインスピレーションを得ていますか

全てですね、しかしそれはとても自然なものです。インスピレーションは気分のようなものです。それは私が今何に興味を惹かれているのかということによりま す。それはとても素晴らしく、興味深いものです、なぜならデザイナーとして自分自身を驚かせる特定の素材やアイデアを気にいることによって今まで考えたこ ともないようなことに惹きつけられていくのです。

-ファッションデザインを自分自身を表現する手段として考えていますか

間違いないですね。それはどのように私の感情を表現するか、今現在の私のムードを表現しているのです。私が憂鬱な気分の時はデザインにもそのようなムード が現れるでしょう。もし私がとても気分が良い時は洋服もまたそれを反映します。ファッションはまた鎧のようにもなります。ファッションを変装に使ったり、 本心を覆い隠すために使うことも出来ます。感情が傷つきやすい時に人と会わなければいけない時私は私自身が安心していられる洋服を着ます。それはファッ ションに対して最もエキサイティングな部分です。それはとても心理的なものです。人々は彼らがどんな洋服をクリエイトしているのか、そしてどんな洋服を着 ているかを見ることによって彼らのムードがどんななのか伝えることが出来ます。

-ファッションデザインにおいて力を入れている部分はどこですか

テクスチャーです。それはなぜ私がデザインするかということです。なぜなら私は絵を描くことそして彫刻を作ることを愛しているからです。だから私は生地を まっさらなキャンバスを扱うように扱っています。

-あなた自身の独自のスタイルについて説明してください

エレガント、フェミニンそしてアーティスティックです。

-デザイナーとして今日感じる難しさはなんですか

マスマーケットですね。H&MやForever21, ZARAなどのお店はファッション産業のクオリティ、そして耐久性を悪化させ質の悪い模倣品で顧客を取り込んでいます。

‐今後数年どのようにブランドが成長していくと考えていますか

自分のブランドは熱心な顧客達に支えられて緩やかに成長していくと感じています。ゴールは女性に洋服を着せることなのでいまやっていることを続けていたい だけです。自分の作品を紹介できることは素晴らしいことです。

Interview, Text & Translation:Masaki Takida

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