Interview

macromauro 2/4

“多重人格に挑戦ですね。統一感を全く出したくないですね”

‐今回東京で行った合同展示会がブランドの初の展示会だったとのことですがなぜやろうと思ったのですか

今まで合同展が嫌で(取引先を)歩いて探していたんですけどタイミングが良かったのとeatable of many ordersさんとか出ている人が面白いと思ったのでやってみようと思いました。

‐合同展をやってみてどうでしたか

良かったですね。思ったより反応あったし。他のブランドがあるので客観的に自分の立ち位置がよく分かったというか。

‐立ち位置とはどういうことでしょう

雰囲気というか、自分一人でやっていたらブランド自体を出来るだけ客観的に見ようとは思うんですけどなかなか見れなくなっているんですよね。実際に他のブランドと並んでいたらそれがよくわかったんです。他の人のやり方とかスタンスとか見て勉強になったし。

‐バイヤーさんもたくさん来てくれたんですか

思っていたより来てくれましたね。離れた場所(目白自由学園)なのに。

‐影響を受けたデザイナーはいますか

川久保玲さんは影響を受けているけど大学の時からですね。色んなことやるから(固定の)イメージが無いんですよね。あとは自分がやりたいことを先にやられ る感じがあるから「やっぱり凄いな」って。で、あの規模でああいうクリエイションして商売出来ているのが凄いなって思いますね。だから川久保さんは化け物 だと思っています。

‐次は洋服をやりたいということですよね

そうですね。洋服のイメージは漠然とはあるんですけど、そんなには具体的にこれというのはないですね。

‐デザインする時に着る人や使う人は考えていないんですか

特定の人は考えていないですね。自分で着て、使ってどうかですね。

‐最初は単純に自分が欲しいものかどうかということだったんですもんね

最近はでもちょっと変わってきたんですよね。スタートはそうだったんですけど。自分の持ちたい物とか作っていたけど最近は一個のカテゴリーに捉われるのが嫌だから多重人格みたいにしたいと思っていて。例えば自分だったら服の趣味とか一緒ですよね。自分だったら一週間あったら一週間毎日同じような服着るけど例えば月曜日はヒップホッパーで火曜日はゴスロリでっていう人いないじゃないですか。それに憧れているんですよね。だから多重人格に挑戦ですね。統一感を 全く出したくないですね。

‐macromauroならこれというイメージが欲しくないということですよね

ないですし欲しくないですね。

‐今までのバッグや小物などはシーズン性というものがあまり関係ないものですが洋服となるとシーズン性が重要になってきますよね

そこの最低限の枠は意識するけどその中で表現したいですね。

‐ということは洋服は年に2回の発表になるということですか

そこは考えていないですね。年に2回やりたくないですし。1年に一回とか、基本は洋服も不定期でやりたい。ただS/S,A/Wとか最低限の枠は意識しますけど。半年サイクルというのが凄く早くてそこに違和感を感じているので。大変だしせっかく作ったものがそんなんでいいのかなって。サイクルで回すというの はどうなんだろうと思います。

‐今は手作りでやられていますが洋服もそうなるのですか

洋服は誰かに頼もうかなって思っています。パターンは最初のアイデアは自分で出してパタンナーと相談しながら試行錯誤していく感じですね。

‐展示会もあまりやりたくないんでしょうか

どちらかといえばそうですね。ただこの前やったのは自分の中で凄く新鮮だったし、またやりたいと思ったのでやると思います。商売だから飯食わないといけないのでなんとか別のやり方があればいいですけどね。「売る」という意味で。

‐HPが適当というか、ふざけているというか、凄くわかりづらい作りになっているんですけど・・・

あれは真剣なんです。(見ている側からすると)ほんと馬鹿馬鹿しいと思いますよ。なんなんだろう。特に説明することもないんですけど遊んでいるんですよ ね。だけどその中でも無意識にブランドというのを考えていやっています。

‐あれも妄想の延長ですか

妄想です。

‐見づらいですよね

見やすくしたくなかったのはあるし自分でも把握してないですね。だからそれがコンセプトと言ったらコンセプトです。アメーバみたいな。ぐっちゃぐっちゃなんだけど「ようみたらなんかあるぞ」って。なんか決まりがあるように見えるっていうのがイメージです。でもHPはまたちょっとリニューアルします。次は無 地にしようかなと思っています。

‐どういうことですか

真っ白にしたいなって。音で表現したい。視覚抜きで。

‐今でもわかりづらいのに

そうですね。たまにお客さんからメール来たりしますからね。「この商品はどこにリンクされてるんですか?」って。でも「僕もわからないので一個ずつマルを 押していってもらえれば」って返すんですけど。

‐あまり情報が出てないですよね

文字って凄く強いから怖いですよ。好きなだけに。絵より文字の情報って強いのであまり使いたくなかったというのはありますね。

‐わかります。それでインタビューを断られることもありますので

たまにはそういうこともいいかなって思うんですけど。

‐デザインをするにあたって何も考える人はいないと思うんですよね

そうですよね。あんまり意識はしないけど。全く考えないで作っている人って絶対いないだろうし。

‐だからどのようにその人が考えてデザインをするかっていう普段知られないことを伝えたいんですよね

言葉でそれを表現しようと思ったらそれは凄い難しいことだから。

‐特に日本人は言葉で表現するのを苦手としていますよね

そこは欲しいと思いますけどね。そういう機会が全然無かったんですよね。最初は別に何も言わなくていい「見たらわかるやん」って思っていたんですけどそれ も長くやっていたら意識が変わってきますよね。

‐喋れないから喋りたくないという人もいるし、「物見ればわかるでしょ?」っていう人もいるんですけど実際わからないんですよ見てる側には。やっぱ り言葉って大事な気がするんですよね

それは最近よく思いますね。

続く

Comments are closed.