Interview

macromauro 4/4

‐仏像以外に作りたい物はないんですか

家具もやりたいですね。それは年末年始にやりたいなって思っています。ソファーを作ろうかなって。

‐仏壇はどうですか

仏壇は駄目ですね。仏壇となると妙にリアリティが出て話が変わってしまうので。僕の中でその発想は無かったですね。でももしかしたらいいかもしれないです ね。仏像作ったら自然に作りたくなるかもしれません。仏像って形になっているんですけど心理が具現化しているものっていうことを聞いたんです。不動明王と かって形じゃないと、出来た当時は。絶対的なものがそうなっただけで形がどうこうなわけではないと言うんですけど僕はそれがよくわからなくて。神道に仏教 が入って混ざり込んで当時の人が「仏教ありがたそうやな」ってことでミックスした仏像とかあるんですよ。そんなんみたら「関係あれへんやん」と思って。そ れだったらオリジナル作れるじゃん。「じゃ、作ろう」ってなったんですよね。奈良の大仏もおでこに点があるじゃないですか。あれ定義として伸びるというこ とになっているんですよね。髪の毛で。でもそんなんって「絶対おもろい思ってやってるやん」って思うんですよね。

‐仏像を作ったあとの名前も決められているんですか

名前はまだ決まってないですね。まだ出来てないので。可愛かったら『みさこ』とかにするかもしれないですね。

‐それ実際作って寺に持っていったら凄いと思いますね

そこまで前が見えないことにはならないですね。ただ実家のお寺に開眼してもらえるかは聞いてみようかなと思っていますね。

‐最初からある形ではなくオリジナルを作ろうということですよね

勿論。ある物作っても感動もないので。仏像作っている人っていないですよね。それか今の仏像を上回る人がいないのかもしれないのか。

‐今ある仏像を上回るのは相当難しいですよね

ネオ不動明王とか。先人が凄いから超えるってなかなかですよね

‐木を選ぶのはなぜですか

好きなのと加工がしやすいというのはありますね。削って掘る作業がやってみたいんです。無心でやれそうなんで。

‐コンクリートはどうですか

コンクリートはありがたみがないんですよ。

‐作った後のことは考えていますか

全く。どうしましょうかね。森美術館とかに置いて貰ったら嬉しいですけどね。

‐家具は美大時代に作られていたんですか

作ってないですね。美大時代はむしろほとんど作業してないですね。課題に追われていてほとんどギリギリだったので。やりたくて作ってるというよりもやらさ れて作っていて。だから卒業してからですよ、自主的に作りだしたのは。

‐ソファーのイメージは出来ているんですか

もう出来ていますね。相当実用的でリクライニング式になっています。でも一見したら全然リクライニングじゃないんだけどちゃんとリクライニングするという ところが格好良いなって。

‐仏像用のソファーですか

仏像は関係ないですね。それはいらないですね。リクライニングしすぎないように気をつけないといけないなって思っています。

‐macromauroで今後やりたいことはありますか

カバンも今まで作ってないのも作りたいしそれ以外をやりたい気持ちも最近は強いですね。服なり家具なり。もっとわからなくしたいから色々やりたい。どこの ブランドもコンセプトがあってその制約の中で物作りをしていてそれも良いと思うんですけど明確な言葉のコンセプトが無い状態でどこまで行けるのかというの もありますね。

‐映像には興味ないんですか

興味ありますね。アニメとか。コントも考えたりするんですよ。「あ、これおもろいな」って。でもそこまでの(実現する)バイタリティは無いですね。

‐(スケッチブックを見て)これはなんですか

戦士だと思います。この時は戦士ブームが来てて。面白いかは別としてださいものを作りたいというのは凄くありますね。格好良いものを作ろうと思ってやるの は邪念だと思っているんですよね。

‐今までのバッグは格好良いと思って作られていますよね

そうなんです。だからこれはいかんと。意図的にダサいもん作ろうと思ってやったら難しいですよ。ダサいって難しいです。

‐ダサいものを考えながらダサいものを作るって難しいですね

難しいからやりたいなと思うけどまだ出来てないですね。ださ格好良いじゃなくて普通にださいってものを作りたいですね。

‐でも自分で使えないですよね

使えないですね。でもバッグだったらお洒落な人が持ったら結果格好良くなるんですけど。

‐今はレディースメンズの区別はないですよね

全くないですね。サイズが大きいから必然的にメンズ寄りにはなっていますけど。

‐「こういうものを作ってくれ」って言われたら作るんですか

天の邪鬼だからやりたくないですよね。自分の中で枠を決めてやるのはいいけど「こんなん作って欲しい」と言われたら「うーん」ってなっちゃうんですよ。お煎餅バッグというのがあってお煎餅の絵を描いて本当に醤油を塗るっていうのがあったんですけど凄く臭かったんです。臭いが消えなくてNGだったんですけ ど。今後もおもしろくあり続けたいと思います。
HP:http://www.macromauro.com/

Interview & Text:Masaki Takida

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