Interview

Taro Horiuchi 2/2

“販売経路や、方法論として今まで無い物を作っていかないといけない”

‐ファーストコレクションを終えて自分で良い物を作れたと思いますか

ファーストコレクションにしては良い物を作れたのかなとは思います。でも満足することなんて絶対に無いと思いますし、今までも無いので、次はもっと良い物をやりたいなと思います。でもやりたいことは沢山あって、それを全部出来たら一番良いと思いますが。

‐次に対する一番大きな課題はどこだと思いますか

やはり僕の弱点は、お店を知らないなどの根本的な部分だと思います。
クリエイションの部分で負けるとは思っていませんし。

‐今後の方向性を教えてください

今回、クオリティを落とさなかったのは間違っていなかったと思うのと、ビジネス的な視点からも色々と可能性はあるなと思ったので、今後は、新人としては新しい戦略の立て方、服の作り方が出来ればと思っています。

‐クオリティの部分とは

素材だったり、縫製だったり、パターンもそうですし、一つ一つの部分をどこまでこだわるかという部分ですね。

‐それは納得のいくものだったのでしょうか

納得できていないなりに他のものより上という自信はあるので、その部分は更に上げていきたいと思っています。

‐可能性という部分について教えてください

販売経路や、方法論として今まで無い物を作っていかないといけないというところで、勿論値段の問題もあるので僕なりの方法論自体を作らないといけないと思いますし、高いなりの戦い方を考えなければいけない。お店という部分では苦戦していますが、個人という部分ではある程度付いていただけたので、そこで得られたヒントの中で方向性を定めていかなければならないと感じています。

‐これからのファッションの在り方についてどう考えていますか

(ファッションが)どうあるべきかというのはあまり考えていなくて、多様性の時代だと思うので、結局自分が何をやりたいかで決まってくると思います。きっと、買う人も変わってくると思いますし。昔のように、雑誌の表紙に載っている物が売れるかと言ったらそうではない時代になってくると思いますし、むしろそこがダサいと思う人も増えてくると思います。そうなった時、自分の価値で選ぶ時代が来るのだと思います。だからクリエイター自身も本当に自分のやりたいことやって自分なりの見せ方、雑誌で見せるということを重要視するデザイナーもいれば、ネットで配信するデザイナーもいるし、ショーやる人もいるし、みんな方法論が違ってくるのではないでしょうか。

‐次回からメンズもスタートするそうですがメンズをやろうと思ったのはなぜですか

単純に要望があるのと、やってみたいと思うからなのですが、着たい服が無い、欲しい服がない、自分自身が着たいエリアの服が無いのも理由のひとつです。何か、自分が提供出来る物があるのではないかと思います。

‐レディースは自分にとってリアルではないものですがメンズはリアルなものになるのですか

ディテール的には自分が好きなものになっていくと思いますが、サイズ感は自分に合わせたら他の人に合わないので、そこは考えているところです。

‐どのような男性像になるのですか

レディースと同じですね。理知的な人。今回もこのアイテムでメンズないのかという方もいらしたので、そう言っていただけるならやりたいと思いますし、メンズ自体好きなので。今回、バイヤーの方がおっしゃっていたのは「メンズライクなディテールや、思想だからメンズの方が受け入れられるんじゃない?」と。男性はコートなどでも、もっと値段を出してもいいから、一過性の物ではなくて、長く着られる物を買いたがったりするじゃないですか。そういう意味で、価値として合致するのかなと思います。レディースも、サイズによってメンズが着られるようにするものもありますし、全体的に共通したアイテムが着られるようにはなるのかなと思っています。ユニセックスというわけではないですが、自分もレディースの服買ったりしますし、女性でも大きいサイズが好きな方もいると思うので。

‐アクセサリーはどちらかといえばユニセックスですよね

そうですね。ジュエリーは今後増やせればと思っています。
ジュエリーには可能性があるというか、ファッションデザイナーがジュエリーをやることがあまりないと思うので、面白いと思います。

‐メンズライクなジュエリーは作らないのですか

ジュエリーも自分自身付けたいと思う物が無いのでシンプルで欲しいと思える物を考えています。

Interview & text:Masaki Takida for Atmosphere

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