Interview

CEMENT Store / Showroom 1/7


自身のレーベル「TO THE END OF COEXISTENCE」を3年程続けた後、デザイナー活動を休止し2007年showroom「CEMENT」を新たにスタート。主に東欧~西欧のデザイナー、国内の若手を中心としたセールスを行う。2009年12月より神宮前2丁目にて「CEMENT store/showroom」としてセレクトショップをオープン。アムステルダム、ウィーン、パリ、ロンドン、ベルリン、ハンブルグ、イタリア、イスラエル、ベルギー、NY そして日本と国に捉われずジャンルレスで確かなセレクトは業界内で支持を集める。当サイトのブロガーとしてもお馴染み田島氏にCEMENTのこと、オランダをはじめとした海外のファッション事情、その他マニアックなデザイナー話まで様々な話を聞いた。

―ディストリビューションのブランドやお店におくブランドはどうやって探してくるんですか

とりあえず現地に行くのもあればコロンビアのブランドなんかは日本のプロダクトの展示会で見つけたりとかね。

―今は海外ブランドのディストリビューター(卸売業者、販売代理店)もやられているんですか

11ブランドやっています。3つが日本のブランド、海外は8つ。オーストリア、ベルギー、オランダ、イタリア・・・。広くやっていますね。

―お店をやろうと思ったのはなぜですか

きっかけは結構急で、ただ場所も場所だし始めようとは思っていた。発信しなければ始まらないのかな最近はと。現実的なお金とかビジネスの問題もありだけど、やっているものの割には認知されていないものがまだまだあるからそれをお店さんに任せて売るのってイメージがそこまで伝わらない。だったら自分で集めてやった方が発信できるのかな、発信型に変えていこうと思ったのがきっかけかな。自分のところでディストリビューションしているブランド+αでなるべく他のお店がやっていなくて、やっていてもいいんだけど新しい提案が出来るものというのがコンセプト。

―ディストリビューションしているブランドは玄人受けするようなブランド、マイナーなブランドが多いのですがそれはなぜですか

それって自分のあまのじゃくなところで結局みんなが知っているものって一般的なものにはまっちゃうだけでどこでも買えるわけで、だったら自分にしか探せないものを探しに行くというのがテーマ。

―選び方としては売れる可能性があるということでしょうか

というものは勿論あるけど半々くらいですね。この人なんか(オランダのブランド)本当に売るのが大変で売り上げのアップダウンも激しいんだけど、やっているのはクリエイションが面白いから。だからセールス半分、一緒に成長していきたいと思うブランド半分。あとはクリエイションに深みがある人。

―ディストリビューションをするには人間付き合いも大切ですよね

人間付き合いも大事ですね。それは勿論。変にジャンルが無いのもそこでぴぴっと来たものだけ引っ張って来て、アート寄りのものだったり服という感じのものもあったり。

―テーマ性とかは無いんですか

基本的にテーマ性は持たない。全体的に見て面白いなとかこの人のセンス早いとか直感で思うものだけ。あとは合わせた時に面白いものとか。

―昨年お店が出来ましたがお店が出来て変わったことはありますか

変わったのはもっと探してみたいという気持ちが出てきた。ディストリビューションって結局何百ブランドもやるわけじゃなくて好きなものだけ集めてそこを成長させるだけなんだけどお店って常に新鮮なものを見せるというのがテーマだし、この場所だからアンテナがちょっと鋭くなった感じ。なるべく人がやらないとか手をつけないところに持って行こうという感覚が働くから感覚が鋭くなってきと思う。

―お店のコンセプトはありますか

エロ可愛いがテーマ。お店のコンセプトは男の子みたいな女の子、女の子みたいな男の子。なんかそれって全部自分だった、みたいな。例えば性の匂いのするもの。
ちょっとおかまっぽいものも意識している。笑
僕のblogに書いてあるんだけど、女の子になりたい男の子とか、それがすべて欲しい女の子とか。女とか、男とかセクシャリティ関係なく欲しいと思ったものが自分のお店、ここだった。っていう。だからもうセクシャリティ関わらず。んで植物も売っていて。

―自分を意識されているということですね

そうですね。同じようなブランドをやっているところもあるけど置き方が違うから提案の仕方も全然違う。

―買い付けに行くときはお店はどうするんですか

お店はどうしようかなって・・・。しばらくおりませんとなるかそれかnoitisnartのりえちゃんがいるので。(1つの場所に)2つのお店が入っている利点ってそこで。2人でやっているのも面白くて彼女が集められるものと僕が集めるもので全然テンションが違う。カラーが違うというか彼女の方がもうちょっとドレッシーというか。僕もドレッシーなもの好きでやっているんだけど提案の仕方が全然違うからお客さんがnoitisnartに来たのにうちで買うとか,うち目当てで来たのにnoitisnartで買うとかそういうのもあったりで結構面白いですね。

―男性と女性というのもありますしね

それもある。でも割と女性と女性、、、女性的な男性と男性的な女性。自分で言ってて恥ずかしくなってきた・・・・
関係ないけどアダルトグッズも最終的にはやりたいと思っているんだけど・・・。

―男性の為のアダルトグッズですか

男性の為のアダルトグッズですね。女性の為のもいいのかなと思うけど。

―基本的にはこのお店にしかないブランドが多いんですか

基本的には。でもXANADUの本橋君とこでやっているものもあるしLAMPの米山さんのところでもやってるものもある。

―お店はディストリビューションしているブランドのPR的な意味合いもあるんですか

お店はどちらかというとそんな感じ。

ディストリビューションやってると凄くわかりやすいのが、ほかのお店もしかりなんだけど、地方のお店は東京でやってるか、勿論ブランドの良し悪しで買ってる人もいますけど、フランチャイズ的な感じがします。
店がどこも似たり寄ったりでアートワークだとか、インスタレーションもまぁ同じようなテンションで実際、本質があんまり見えてこない。
エキシビションやります、インスタレーションやります。ってことに対してもそうだし。
まぁつまりは個性がないっていうとこ。
自分なりに面白く、みんなが創造しない感じで提供できたら面白いかなって。
んでそれに刺激を受けてもらえたらなんて。

―お店があればいつでも見せれますしね、ショールーム的な感覚で

そうそう、それもあるし。あと僕のところって音楽やってる人がすごく集まっていて、勿論僕も音楽好きなのですが、このCANEDICODA。彼も今イタリアのWHITE(合同展示会)で今回ビックフューチャーされててREPLAYジーンズとコラボしたりとか。ドイツのCLUSTERってバンドとグラフィックでコラボしたりとか。
あとCZEREMONY。もともと時計台(※時計台「2つの意識の山-すべてきえてきらめく」
00年、古家一真一を核に時計台を結成、メンバーはコズミック ワンダーのデザイナーでもありアーティストの前田征紀と、中川都、古家一真一の3人によるトライアングルバンド。      
ノイズと環境音などによるインプロブィゼ-ションに過去の 記憶や心の宇宙を織り込んでゆく。 秘密結社のようにひっそりと音楽活動を行っている。)ってバンドやってた人で洋服ももちろんしっかりやっているし、音楽のレーベルも立ち上げていて、今ちょっと起動に乗りつつある感じ。raster-notnってミニマルの大御所レーベル傘下のレーベルからのオファー等、、、
僕あんまり洋服と音楽を単純に結びつけるの好きじゃない(単純なエレクトロカルチャー)、
そういうのとは全然違う、音楽は音楽でしっかりやってるデザイナーさんが集まってる。

―なんで最初はディストリビューターやろうと思ったんですか

それがなんかすっごく思いつきで、その前はデザイナーやっていて、デザイナーには3年の壁があって、僕的には3年やってみて駄目だったらやめようと思っていた。やめたときにどうしようかなぁ?って思った。次の指針を。そう思った時に将来的にはお店をやりたいなっていうのはあったので。

―それは自分のブランドではなくてですか

じゃなくて、自分のセレクトしたもので。ただそこをやるのにお金がないからどうしようって単純な考えで、好きなブランド探すんだったらディストリビューターって手もあるなって思って。言葉もし喋れなかったけどとりあえず行ってみようかなって思って、オランダに行ったのが、初めて。

続く

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