Interview

Nyte 3/3

“もう少し女性には頑張ってヒールを履いてもらいたいですね。もっとギャップを生活に付ければ楽しいんじゃないのかな”

―ブランドのスペルがnightからNyteに変わって変わったことはありますか

自分の中だけですけど明確になりましたね。Nyteのロゴって90年代っぽいって思うんですよね。自分は90年代ぽいのが好きなんだなというのが再確認できたのでN.Y.T.EにSMAPみたいに一つ一つの文字に意味を付けていこうかなと思っています。

―それ必要ですかね

必要ですね。なぜ夜のNightじゃないのということを聞かれるので。どういう意味だっていうことをわかってもらう為に。

―販路をもっと増やしたいという気持ちはありますか

今は4店舗あるんですけどそんなにお店を広げたいという感覚がこの間の展示会で無くなっちゃったんですよね。それまでは色んなところに置きたいと思っていたんですけど。勿論置いてもらいたいとは思うし納得いくものを作るにはそういうことも視野に入れるけど商業メインになるのはいけないと思いました。

―Nyteの服は理想の女性像を作って作る感じですか

女性像は作らないですね。さっき言ったのと矛盾しちゃうんですけどみんな着れた方がいいじゃないですか。こういう人じゃないと着ちゃダメというのはあまり考えてないのでどちらかといえばどんな人が着ても良く見える服、シルエットで細く見える服とかスタイルアップして見える服という方に行っているのであまりこういう人にというのはないですね。

―デザインしていて一番拘っている部分はどこですか

スタイルが良く見えるか、綺麗に見える、補える服ということと着心地ですね。

―歌舞伎の衣装を作りたいという気持ちはありますか

着物なので特にないですね。着物も一応作れるんですけど。

―歌舞伎の衣装って特注なんですか

特注ですね。無地もありますけど刺繍物が多いですね。刺繍も成人式で着るような刺繍がしてあるものとは違いスケールも色も糸も全然違いますよね。クチュールを作るようなものですね。

―そこから服作りは影響を受けたりしていますか

していないですね。歌舞伎では女方だったんですけど女性の体の動きとか、女性らしく見える見え方というのをメインで勉強したかったんですよね。ただ歌舞伎がやる女と女性はやっぱり違うんですよね。結局男が演じる女なので。

―2010年の目標はありますか

自分の服を着て感動してもらってそれを見たいですね。こういうの作って良かった、これからも作っていきたいと思えるような服を作りたい。ビジュアルに力を入れて世界観を知ってもらう、服を見て「あー可愛いね」じゃなくてどういう考えで作ったのか、どういう雰囲気の洋服なのか、ブランドなのかというのを知ってもらって感動してもらえればもっといいなと思います。

―その為に何かしようと思っていることはありますか

ルックブックを作ろうと思っています。ブログは書かないのであまり意味は無いのかなと思っているのでHPをちゃんと作りたいですね。

―ブログ一応やられていますがなぜ始めたのでしょうか

あまりにも情報が無さ過ぎるというのもありますし記録の為にという部分もありますね。自分で忘れてしまうこともあるのでこういう考えで作ったんだとかを後から見てもわかるようにしておけば次に繋がると思ったので。

―ブランドを始めてから3年くらい経ちますが色々変わった部分はありますか

ちゃんとお店に置き始めてからは2年くらい経つんですけど変わりましたね。見た目の良さよりもよく見ないとわからないものとか触らないとわからないこととかが大事なんだなと思いました。最初の入りは自分の洋服を作りたいだったのでそこは完全に変わりましたし。作って終わりでは駄目なんだなというのは凄く感じました。作品的な物も作ってはいくんですけどあまりにもこういうものが見せたい、こういうものが作りたい、こういう風にしたいというばっかりで今まではこういうものを誰が求めていて、こういうものを欲しがっていてというのを視野に入れていなかった。そういう反省点はあるのでそこは商業的な意味合いではなくどういうものを作らなければいけないのか考えなければいけないと思っています。

―何か言いたいことはありますか

もう少し女性には頑張ってヒールを履いてもらいたいですね。もしくはヒールかぺったんこかどちらかにして欲しいですね。足ってペッたんこの状態は自然ですよね。それか伸ばしきった状態が綺麗だと思うんですよね。その中間を日本人はやたら履くんです。足が一番見苦しく見えるものを。それは楽だとか、でもヒールだから綺麗に見えるとか思っているのかなと思いますけど一番中途半端なんですよね。もっとギャップを生活に付ければ楽しいんじゃないのかなと思います。カジュアルな洋服を着る時もあれば、日常の中でドレスアップをしたい時は本格的にすればいいんじゃないかなと思います。

―Nyteはカジュアルなシーン、ドレスアップするシーンどちらのシーンに合うと思いますか

自分の中ではどちらにも合うと思います。うちのターゲットがヒールを履いてスタイルアップをして綺麗という35歳から48歳くらいまでなんですよね。女性は40からだと思うので。落ちてしまうから上げるという意味で。うちの洋服はデザインをする時にどこか一点だけを締めるということをすることが多いんですね。例えば腰だけしまっていれば他のところが少し太ってきてても着れるんですよね。長く着て欲しいし、歳を取っても着て欲しい。だからフォーマルな素材を使ったり喪服に使うような素材を使ったりもするんですけどでもどこか一点を締めるという。でもそれくらいの感覚で生きている若い人も買ってくれたらなと思っています。

Interview & Text:Masaki Takida

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