Interview

Canedicoda

イタリア人アーティストGIOVANNI DONADINIによるCanedicoda。ドローイングを主体とし全ての工程を手作業で行う。自身のブランドと並行しアパレルブランドとのコラボレーションや(REPLAY ジーンズや靴のMARSÈLL GOCCIA)ミュージシャンとして音楽活動も行っている。

―あなた自身についてお聞かせください

私の名前はCanedicodaです。イタリアで生まれヴェネツィアからそれ程遠くない山の中で生活しています。私は抽象的なドローイングをするのが大好きでスクリーンプリンティングをたくさんしています。音楽を聞いたり演奏したりするのも好きです。私の良い服のプロジェクトは抽象的なドローイングとサウンドという2つの情熱をウェアラブルに表現したものです。

―ファッションに興味をもったきっかけはなんですか

特にファッションに強い興味を抱いたことはありません。それよりは好奇心旺盛なアート職人と言えるでしょう。手作業をするのが好きなんです。私がまだ幼かった頃、忍者の衣装を創ったのを覚えています。恐らくそれが私にとって初めての“ドレス”だったと思います。

―どのようにデザインをはじめたのですか

デザインに関してよりは私が常にやってきたドローイングに関して話したいと思います。旅行中にドローイングするのが好きです。昨年は自身のクリエイションに関してびマテリアルやシェープ、ボリュームなどについて考え始めました。まだ未熟で経験も必要です。

―なぜデザイナーになりたいと思ったのですか

“時”がそうさせたのでしょう

―ファッションやグラフィックデザインにおいてのあなたのインスピレーションソースはなんですか

先程も述べたように抽象的なモノやサウンドからインスピレーションを得る事が多いです。しかし深く突き詰めれば突き詰めるほど自分のインスピレーションは自分自身そのものから来ていると思います。私は円のようにとても基本的で必要な不可欠なモノになりたい、そして社交的な側面を持ち合わせたいと思っています。私は“関係”というものにとても興味を持っています。

―ファッションデザインと音楽になんらかの関係性はあると思いますか

私はリズムを見る事が出来、イメージを聞くことが出来ます。

―これまでにどんなことをしてきましたか、あなたの最近のプロジェクトはどんなものですか

ミラノサローネで友人たちと一緒にパーティーのような時間を過ごしました。デザインに囲まれとても良い経験でした。自分達の会場で音楽イベントをオーガナイズし続けています。イベントはCodalungaと呼び頻繁にライブを行い世界中のミュージシャンをゲストに迎えています。それから現在17の限定品と、17のオリジナル作品を制作しています。それと共に6月に行われるミラノのPatricia Armocidaギャラリーでのアートインスタレーションの作業も進めています。勿論Marsèll Gocciaとの新しい靴も進めています。来週にはヴェネツィアで音楽を演奏し、2週間後にはローマで行われる大きなフェスにも参加します。常にやることに溢れています。予定を決めて取り組もうと思っているのですが行き当たりばったりで生きるのが好きなので日々が過ぎるのがとても早いのです。


―イタリアのアングラ/ストリートファッションシーンはどのようなものですか

イタリアという国では自身の夢に向かって進むのはとても難しいです。人々はより安定した職業を望むのです。事実イタリア人はとても保守的でアングラなファッションシーンですらそれほど面白くはありません。パーティーは楽しいです、でも洋服はつまらないものばかりで特に男性の洋服はつまらない。でも私は新しいタイプの人間ですしそんなことは気にしていません。

―今年来日されましたが日本のファッションシーンについてどう感じましたか

東京はとても特別な場所です。私は東京という街に恋に落ちました。毎日たくさんの人に出会い、とても人間味に溢れています。まるでそこから新しいなにかが生まれてくるようです。そこに住んでいる人々は好奇心に溢れ新しいもの事に飢えている気がします。そんな街東京が大好きです。私が作品作りに没頭し始めてから長い年月が経ちましたがこの場所が自分にとっては正しい場所だと感じています。また近々東京は訪れたいと思っています。

―作品を制作するにあたって最も重視することはなんですか

私は人を驚かせたいと思っています。だから時々プリントをする時でさえ即興でやることもあります。全ての作業は常に手によって行われ、だからその過程はある種ゆっくりなのです。一番重要な事は集中して「何か間違いがあるんじゃないのか?」などと考えず、感じるまま直感のままやることです。全ての作業が終わった後に自身の作品を“読み解く”のが好きです。

―他のデザイナーとは違うあなた自身のスタイルとはどのようなものだと思いますか

私の作品は全てが手作業によって創り上げられているということが重要な点だと思います。プリントは全てハンドメードで行われ、1枚1枚作られます。私は今でもたった一人でスタジオで作業を行っています。

―あなたの作品に強い影響を及ぼしたデザイナーや人物はいますか

Marsèllで出会った人達は私を大きく成長させてくれました。それはとても美しいコラボレーションでした。素晴らしいプロダクトに確立されたスタイルそしてとても正直な方々でした。デザイナーとしてはメゾンマルタンマルジェラの明晰さ、ベルンハルトウィルヘルムのファンタジー、そしてヘンリクヴィブスコフのインスタレーションに常に魅了され刺激を受けているといえるでしょう。

―クリエイターやアーティストであなたがコラボレーションしたい人はいますか

彼女?ですかね。

―今後数年間どのようにブランドを成長させていこうと考えていますか

私自身がブランドであり、それを自分のペースで続けていけたらと思います。海の前の良い場所を見つけそこにスタジオを付くたいと思っています。そうすれば物事がもっと簡単に進むでしょう。

Interview & Translation:Masaki Takida

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