Interview

Courtney McWilliams

デザイナーのCourtney Williamsはこの夏Royal College of Artを卒業した若き女性メンズウェアーデザイナー。自身のデザインを’East-West fusion luxury street wear’と表現する彼女のコレクションはヨーロッパ、そしてアジアと全く異なる環境で育ってきた自身のルーツがデザインに表れている。Brioni, UMBROをはじめとした大企業との経験を始め、卒業前に既に自身のブランドをスタートさせた彼女はVogue Italiaによる’140 Emerging Designers’(140人の新進デザイナー)にも選ばれている。また7月16、17日に行われる世界で最も有名なコンペティションの一つであるITS#9のファッション部門のファイナリストとしてショーを行う。

―あなたのことについて教えてください

ノッティンガム生まれの24歳のデザイナーです。様々なところへ引っ越しマレーシアとハロゲート(UK)で育ち全寮制の学校で学びました。私の望みは常に歯医者になり充分な金を稼ぎ自分のブランドを設立することでした。しかし私は薬学のAレベルの勉強を続けることを諦め歯医者への道を遠回りすることにしました。私がこれまでずっと数学や英語その他の勉強にしてきたように作品に対する倫理観をアートに応用し始めました。そうしてきたらどういうわけかRoyal College of Artを卒業出来ました。
私の家は今両親のいるシンガポール(そうです彼らはまた引っ越したんです)と彼氏と猫と一緒に住んでいる私のサリーにある家です。UKとアジアという異なる文化圏で育ってきた経験はシェープに色使い精神性など様々な点において視野を広げてくれました。カルマ(仏教の基本的概念)思想によって精神が落ち着き、日々の作業のバランスも取れこのことがこの6年間デザイナーとして私を成長させてくれました。
ファッションやアート以外にそれほどたくさんの趣味はありませんがジムへ行くことや旅行に行くのは大好きです。もし今の自分がクリエイティブでなかったら自分の人生を楽しんでいなかったでしょう。
私はまた動物の幸福と保護の大きな支持者です。だから決してファーを使うことはありません、もし私がレザーを使うことがあるのであればそれは副生成物でしょう。それが私です!!

―卒業コレクションについて教えてください

このコレクションは自身がずっと積み上げてきたブランドであるCourtney Mcと共に作り上げたものです。インスピレーションは最終的にはとてもシンプルなものでした。製作期間中何ヶ月も私がインスパイアされたものに関して毎日ブログを書き続けました。そこで私が発見したことは私の人生は家族や友達、彼氏、男性達に尊敬されたいとずっと願っていたということです。私は可愛い顔と綺麗な脚で注目を集めるような女性になりたいなんて思ったことはありません。私の才能、個性、強さなどを賞賛し、尊敬されたいと思っていてそのような男性になりたかったのです。だからそれら全てをコレクションに注ぎ込みました。こういった男性が何を着ているのか、どうミックスしてオリジナルにしているのかを注目してみました。テクスチャーやプリントシェープにそういった要素を加え目立つものでありながら高級感あるものに仕上げました。そしてそこには僅かに女性らしさも加えました。なぜなら私はコレクションに私という人間を反映したデリケートな要素も持たせたかったからです。私は自分のコレクションを見て自分の人生を逐語的に振り返る事が出来ます。他の人はそれは出来ませんが、彼らはそれぞれの作品から愛とフラストレーションの対立を感じる事が出来るでしょう。コレクションをチャブ(イギリス独特の若者達、トレーナーにジーンズ、バーバリーの偽物のキャップなど)コレクションと呼んでいます。なぜならそれはストリートにいる男性達の魅力に関してのコレクションでもあるからです。彼らはこの先年年も私をインスパイアし続けて欲しいと思っています。アーティストのJamie Tのイメージや音楽は私のミューズとなり私が溺れている時やうぬぼれている時にいつも私を救ってくれます。ありがとうJamie!!

―アンブロやアディダス、ブリオーニなどの大企業と一緒に働いた経験はどうでしたか。このような経験があなたの作品にどのような影響を与えましたか

アンブロと一緒に働くのは素晴らしい経験でした。なぜなら私がデザインしたい物をデザイン出来る自由を与えられたのです。彼らの多大なるサポートによって私はデザイナーとして成長しました。それと同時にインスピレーションそして写真において自分自身のスタイルというものを確立し始めたのです。ブリオーニは特別な経験でした。それまでテイラードはしたことが無かったのでどのようにやればよいのかわかりませんでした。しかし私がデザインしたものを彼らはしっかりと認識したのです。彼らはまたイタリアへ私を呼んでくれ残りの授業をイタリアのテイラー学校で学ばせてくれました。そのおかげで構造に対しての技術が備わりブリオーニで学んだ方法を自身のデザイン、カジュアルなピースにさえ応用しています。私の作品はハイクオリティであり写真では表れないような細かい部分まで注意して創っています。しかしそれは私の美学には不可欠なものです。(アディダスは私が彼らの為にデザインしたコレクションは見ていません。彼らがいつか私の作品を見てくれる期待は抱いていますが。私にとって彼らはコンセプト作りやマーケティング、そしてブランディングなど大きなインスピレーション源です。いつか私は彼らのライバルになれるようなブランドを持ちたいと思っています。)

―あなたの作品に強い影響を与えたデザイナーやクリエイターはいますか

デザインを始めた当初はYohji Yamamotoが最も影響を受けたデザイナーでした。またアディダスやストーンアイランド、マハリシ、ドクターロマネッリなどのブランドもそうです。しかし6年間勉強し自身から影響を受けるようになりました。トレンドや他のデザイナーが何を創っているのかは気にならなくなり自分自身の作業に集中するだけです。それが迷いを無くさせます。しかし私はひそかにウイメンズウェアーからメンズウェアーのインスピレーションを得ています。そこからファブリックやシルエットに関しての新しいアイデアが生まれるのです。

―あなたにとって“ファッション”そして“ファッションデザイン”とは何を意味するのですか

学位を貰った後、私の指導員はそこを去りファッションとは何かを考えるよう言いました。それは恐らく私が与えられた最高のアドバイスの一つだと思います。その言葉を正しく現わすのは出来ないかもしれません、しかし私が思うにファッションとは何かをクリエイトすることと関係性のある何かをクリエイトすることとの違いだと思います。ファッションは関係性が全てです。そしてファッションデザインは私たち自身の印象、社会のビジュアルイメージを変える事の出来る素晴らしいアートです。私のファッションに対する考えを馬鹿にした人もたくさんいました。私はそれに憤りを覚えましたが彼らはファッションの存在を無視しているか恐れているかその重要性をわかってないだけなのです。

―なぜメンズウェアーを選ばれたのですか

私がメンズウェアを選んだのは自然な過程でした。メンズウェアを好み、得意だったからです。ウイメンズウェアに挑戦したこともありましたがうまくいきませんでした。私の人生においての男性達との近い関係や膨大な数の男性の友人たちがこのような影響を及ぼしたのだと思います。私たちはスタジオで女性メンズウェアーデザイナーはみな男性のペニスに妬みがあると冗談を言い合っていますが恐らくそうだと思います。みなたくましい女性で男性に敬意を表して戦っています。ただウイメンズウェアーの要素ももっと取り入れようと思っています。卒業コレクションではいくつかのレースと骨抜きの技術を使っていますがそれは元々ウィメンズウェアーからきています。メンズウェアーとウイメンズウェアーの違いとは何でしょうか?ハイストリートにいるようなステレオタイプの人達を除き男女の違いというのはほとんどないと思います。将来的には多分私はユニセックスのブティックをオープンすると思います。

―RCAのことについて教えてください。そこで学ぶのはどのようなものでしたか

RCAはジェットコースターのように山があり谷がありました。しかしそれも人生です。そこでの一つ一つの経験から色んなことを学んだことは間違いありません。人との接し方そしてファッション業界の現実との向き合い方と共に特にデザインや生産についてたくさんのことを学びました。RCAには世界で唯一のメンズウェアーの修士課程があり、そこで著名な講師の方、競争の激しい生徒達と学ぶことはとても名誉あることです。プレッシャーを常に感じ自分自身を駆りたてました。そしてこれからもそれを続けていきます。

―ファッションデザインにおいて最も重視することはなんですか

私が思うに最も重視する点はクオリティです、そしてパーソナルなものとオリジナルなものが混ざったコンセプトです。シーズン毎に新しいシェープやスタイルをデザインすることは可能です。しかし重要な点はファブリックのクオリティ、カットの正確性、そして興奮できるようなコンセプトかどうかということです。

―あなた自身のスタイルはどのようなものですか

私自身のスタイルはキャロットレグのパンツとTシャツが大好きな男の子のようなスタイルです。ドレスアップしたい気分の時はPhillip LimやPradaを好んで着ます。常にデザイナーバッグを持ち、身に着けているアンティークジュエリーは取り外すことはありません。

―今日デザイナーとして直面する難しさとはなんですか

デザイナーとして直面する難しさは資金調達と仕事を獲得する為の競争です。もし自分自身でブランドを設立するのであればそれをサポートするだけの資本を得るのはとても困難です。私は素晴らしい才能を持っているデザイナーが破産に陥ったケースをたくさん知っています。ヴィヴィアンウエストウッドでさえビジネスをキープする為に身売りをしました。そしてこの業界はファッション学校の卒業生たちで飽和しており何も考えずに業界に入り仕事を求めるのは非現実的です。もし自分のやりたい仕事に付きたいのであればより一層の努力をし修士号を獲得すべきでしょう。大学はたくさんの生徒を入学させるのを辞めさせるべきです。なぜなら彼らのほとんどがキャリアの最初の数年をインターンとしてお金を得る事無く働くことになるからです。

―英国のファッション、またロンドンファッションウイークについてどう考えていますか

英国はたくさんのスタイルを生み出しそして若き才能が育つ場所です。ロンドンファッションウイークは常に刺激的で特にMANのようなショーは将来のビッグネームを紹介しています。

―将来のヴィジョンについて教えてください

差し迫った将来で言うとフレンチコネクションのデザイナーに集中すること、そしてイタリアで行われる名声のあるコンテストITS#9に行くことです。将来的に言うと自分のブランドをLondon Fashion Weekで披露し世界中のブティックで取り扱ってもらいたいと思っています。まず第一歩としてウェブサイト、オンラインショップも立ち上げました。しかしまだまだやるべきことはたくさんあります。私はまたイラストレーターとしても成長しライフスタイルプロダクトも創りたいと思っています。今のところ一番エキサイティングなことはコレクションが出来上がった後の写真撮影です。なのでこれからもエディトリアルを創りつづけフォトグラファーとしても成長したいと思っています。これからも一つのことだけではなく色んなことをやり続けられたらと思います。

Photography©Michael Mayren Interview & Translation:Masaki Takida

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