Interview

POTTO “ワイルドスタイルとか恐山” 全ルック解説

POTTO の“ワイルドスタイルとか恐山” はモデルが先にいて、一人一人のためにそれぞれに似合う服を一着づつ作っている。デザイナーの山本さんはそれぞれの洋服を作るにあたりモデルの全身写真を見ながら作ったという。今回はコレクションで披露された全てのルックをデザイナーの山本さんに一人ずつ解説してもらった。

オバマ:オバマ君はイギリス大好きなんです。だからイギリスっぽいものを作ったんですけど直前にちょっと違うなと思って。昔にオバマ君に頼まれて作ったスーツ、結局そっちに変更しました。帽子はワークショップに参加してくれた時に作った帽子を被っています。コーディネートはTシャツは”ワイルドヘアスタイル”という中原昌也のものです。

千浦:千浦さんはピンクで上が緑になっています。この人はテキスタイルを自分で作っている子。美大を卒業しているのですが彼女が作った生地を使って作っています。お店によく来てくれて服も買ってくれたりするのであまり普段着ない感じのようなものが良いなと思いピンク色のドレスにしました。それにホ・オポノポノというハワイの言葉(ありがとうございます、ごめんなさい、許してください)をプリントした帽子を被っています。

一十三十一(ヒトミトイ):彼女はミュージシャンなんですが衣装を以前から作ったりしていたんです。僕の中で彼女が似合うものは何となくわかっていたのでそれに合わせて作った感じです。衣装はその時、その時、曲があって衣装があるのでそれとはまたちょっと違うモノになっています。靴はPOTTO SHOPで置いてあるnirというブランドの靴。デニムをリメイクして全て独学で手作業で作られています。

YESTERDAY BOY:荒木君も他の物があったんですけど作ったものがしっくりこなかったのでパンツだけ変えてもらいました。ジャージのリメイクシャツ(ワイルドスタイル)も僕が作っています。パンツは10年前にオーダーで製作したベルベットのパンツなんですがそれは僕と彼が知り合ってすぐの時に製作したものです。

青柳・おもち(猫):青柳さんは基本猫が主役なんです。猫が肩にのることを前提に作って彼女に似合いそうなものにしています。猫は動物プリント(犬)のパーカを着ています。

ハル:ハルさんは子供さんです。リリースには書いていないのですが実はお母さんもいたんです。彼女は元々モデルをやる予定ではなかったのですがお母さんがいたらみんなモデルだと思うだろうということで急遽モデルをやってもらっています。子供は可愛らしく。お子さんが一番好きできている服を借りて、それを見て気に入ってもらえうような服を製作しています。

根本:根本さんは丁度ショーの準備をしている時に個人オーダーをお願いされていたんです。だからこの服に関しては僕がどうこうというより根本さんが「これが欲しい」というもの。彼女自身の誕生日へのプレゼントということで製作していたものです。生地はジーンズをばらして作っています。ショーのことをやらなきゃいけない時にオーダーしてくれて、この子は元々モデルで出ることが決まっていたので新たにショー用に作るのではなくこの作った服でOKなんじゃないかと。勿論面倒くさいからとかではないですよ。

マツリ:マツリちゃんって見た目が派手ですよね。目立つからちょっと見本ぽい物が良いなと思っていて。最初は着物っぽいドレスなんですが前がロングで後ろが短かったんです。でも全部ロングの方が似合うなということで直前で変えました。彼女だけ色使いが派手なのですが、彼女には他のモノも着てみてもらったんですけどやっぱりこれが似合った。帽子はもともと被る予定はなかったんですけどやっぱりあった方が良いなと被ってもらいました。

マワケ:マワケさん夫婦はマワケ君がコートを着ているんですけど袖から外せるようになっているボレロになっています。それはマワケさんも着れると言う意味です。共用できるようになっているんです。マワケさんの着ているプリントに意味はないんですけどキャラクターものを着ているイメージがあったからプリントもののリメイクしたドレスを作っています。

高橋真理:彼女は格好良いから何を着ても似合う。モデルさんなんですけどアディダスのプロモデルを履いています(笑)。一枚の布でドレスにして裏地も別で一枚で作っています。ドレスにショートパンツを合わせてプロモデル!

西脇:西脇さんはスーツだなと思って。西脇さん(大阪)はフィッティングなしなんですけどそこは凄くて、僕が。(フィッティングなしでも)ぴったりだったんですよね。サイズ感が完璧でした。実は彼以外にもフィッティングしてない人が何人かいて。

りえ:枝光です。彼女はパグ教(大好き)なのでその為にプリントしたものでベースはrereです。
野木:息子ですが彼もパグのプリントをしたものを着ています。まだわからないですけどきっと彼(1歳)もパグが好きなんで。パグを好きにさせようとしているのかもしれないですけど。オーガニックコットンで作っています。

吉野:吉野君は実は出来たものを全部作りなおして当日出来たんです。彼のリクエストはとにかく「汗かきだから汗対策をどうにかしてください」と言われて、暑いのが嫌だということだったんです。でもTシャツだけというのはあまり良くないなと思って、最初作ったものは暑すぎてちょっとなーということでずっと出来なかったんですけど当日出来たっていう。

菅野:菅野君は直前にモデルをやることが決まってたんですが何でも似合うんです。彼はシャツを欲しがっていたのでシャツがいいなって。男の子は結構なんでも似合うんですよね。

すしこ:すしこさんは普段絶対に着ないようなもので似合うモノがいいなってことでばっちりだったんです。北欧とかの可愛いおばあさんみたいな雰囲気のものにしています。普通にいつもみたいなスタイル(Tシャツにショートパンツ)だったら面白くないので新しい扉を開けてみました。これからAquvii Nightの時はああいう感じかもしれません。

AKINO:AKINOさんも何でも似合うんです。5年前くらいにPOTTOのショーのモデルとして出てもらっていたのですがたまたまショーの直前に店に着てくれて僕がモデルをお願いしたんです。5年前は全身パープルのラベンダーと言う名前の服を着てもらったんですけどそれが凄く似合っていたのを覚えていて今回もラベンダーの服を着てもらいました。

麻美:はせさんは日本ぽいのがいいなーって思って製作しました。普段とはちょっと違う感じで。

花衣:花衣さんは人がふわっとしていて植物好きだということで花柄のふわっとしたシルエットになっています。

影山:影山君は黒は着ない人でカーキやベージュが似合うんです。だからそのパッチワークで作っています。足元は僕のコムデギャルソンの靴なんですけど(厚底の)ラバーソールを自分で削って普通の高さにしています。厚底じゃ恥ずかしかったので。なぜそれを履いているのかというとそれは意味がないです。ただピンクが良かっただけです。

小宮:小宮君はいつも白い服が多くてジーンズを履いているのを見たことがなかったんです。だからデニムのリメイクで服を作ったらフィッティングの時に奇跡的にジーンズを履いてたという・・・。絵を描く子なんですけど動物プリントが似合うなって。

ヌケメ:ヌケメ君はもうまさに私服ですね。パーカーを作って。VACANTのワークショップでたまたま会って「出てください」とお願いしました。彼もフィッティングなしですがばっちりです。

間弓:間弓さんは自分でピエロのプリントを描いているのですがそれが凄く良いからそれをプリントしてシャツとパンツを作って、似合いそうなチェックのジャケットを着せています。

久恒:久恒さんはシャバクラ嬢です。アートキャバクラみたいなことをやっている人で「何やりますか」って言ったら「接客します。だから着てる服で会話が出来るものが良いです」と言われました。犬連れていたら会話になるじゃないですか。コンセプチュアルな久恒さんと言うことで。

有本:有本さんはギターを弾くのでそれを前提に作っています。有本さんは一般的に思われている有本さんと違うのが良いなってことでちょっと大人っぽいものをデザインしました。有本さんのドレスは実は麻美さんのケープを裁断した後の布をそのまま使ってドレスにしています。しかもそれがいい感じに出来上がって、これって凄いことですよね?考えて出来ることではないんですよ。たまたま出来上がったからいいんです。それは意図してないから。そういうところで麻美さんと有本さんは繋がっているんです。自分で作ってるからこそ出来るんですよね。「これいいな」っていうのが勘で出来るそういう瞬間があるんですよ。それを見逃さなかった僕が凄い。靴の刺繍の柄は指定はしてなくてただVANSを渡して自由に刺繍してもらったんです。VANSはワイルドスタイルじゃないんですけどギターはワイルドスタイルです。有本さん自体は恐山です。

徳野:徳野君は絶対に似合いそうだなと思って作っています。メンズはその人の印象というかその人の雰囲気で作っています。でもみんなそんなもんですよね。

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