Interview

Kim Songhe ~It is thankful to you from Kim Songhe~ 3/3

子供が生まれて母親になったということは大きいと思います。より責任感が増したというか、今は日々感謝の気持ちを持って作品を作らせてもらっています

―物を作る上で大切にされていることは何でしょうか?

結局オーダーしてくれた人が喜んでくれるかどうかに尽きると思います。オーダーメイドのシャンデリアの場合はお客さんと直に接しながらオーダーを受けたりしているので、リアクションが見えますしそこは大事にしています。

―最近はどんな材料を集めているのですか?

気持ち悪い人形を集めています。ヤンシュヴァンクマイエルが使っているような恐い人形を。恐くて家に置いておきたくないんですけどね(笑)

―お子さんは怖がらないんですか?

見せないようにしています(笑)
その他には、髪の毛や古い時計などですね。アンティークのものが多いです。というのも来年1月にオープンする美容院のオーダーが入っていて、それように準備しています。

―仕入れは作るものがまずあって、それに必要なものだけを仕入れているのですか?それとも作りながら集めていくのですか?

基本的には作る物があってそれに対して必要なものを集めていく感じです。無闇に集めたりはしません。

―そのまま使うのであればより全体像が見えていないと駄目ですね。

そうですね。まとまらなくなりますしね。
だから言ってしまえば私がやっていることなんて特別でもなく、誰にでも作れてしまう物だと思うんです。

―どんな材料でもつくることが可能なんですか?

これまでにも本を使ったモノや文房具を使ったもの、それにNIKEのエアフォース1なども使ってつくっていますので大体のものであれば大丈夫だと思います。ぬいぐるみは代表作としてあって、自分でも色々な素材を使ってやってみたいと思っています。

―使っている材料でライセンスの問題はないのですか?

今のところそういった問題はありません。トロールはライセンスラインでやらせてもらっていますし、ディズニーのアイテムを使ったものも最初は無許可で作っていたのですがそれを見てくださったディズニーさん側からお声掛けしていただいて公式に使わせていただいたり、そうやって作品として理解してくださることはありがたいですね。

―シャンデリア以外のオーダーもあるんですか?

非売品ですが最近ではフランフランさんとソファもつくらせていただきました。
それにディズニーさんとのコラボレーションも継続してやらせていただいています。ディズニーとのコラボレーションは子供も喜んでくれますし、すごく好評でした。もともとディズニーは好きですし自分的にも凄く思い入れのあるものを作ることが出来ました。

―オタク文化に興味ありますか?

私自身は凄く疎いですね。でもそういった人たちにも買ってもらえるようになれば面白いかなと思います。フィギュアとかで作品作ったりもしてみたいですね。
関係ないですけどAKBは大島優子ちゃんが好きです。

―AKBとキムさん。なんとなく合いそうですね

やることができるのであればAKBのものもやってみたいですね。アーティストさんのライブとかのお手伝いもしたいし、CDのジャケットとかもやってみたいです。

―初期の作品と比べてクオリティーに変化はありましたか?

クオリティの面に関しては全然違うと思います。最初のころは土台を自分で作っていたので強度が今の物と比べて凄く弱いです。昔オーダーしてくれた方のものは行って直してあげたいぐらいです。

―「毒がある」と言われていた初期の作風から、ここ最近の作品は少し変わった、毒が抜けた感じがしたのですが?

子供が生まれて母親になったということがやはり一番大きいと思います。それまでは作品の完成度というよりも面白ければ良い、使ってくれる方のことを考えずに作品を作っていた部分もあったのですが責任感が増したというか、ちゃんとオーダーしてくれた方に恩返ししていかなければいけないなと思うようになりました。今は日々感謝の気持ちを持って作品を作らせてもらっています。

―まさにパスザパトン表参道でやられていたエキシビジョン「It is thankful to you from Kim Songhe」のタイトルですね。

そうですね。あの英語があっているのかは自信がなかったんですけど。震災もあってそういうことをより考えるようになりました。

―震災があり、アーティストとして色々と変化もあったと思います。

震災をきっかけにいるものといらないものとが明確になったと思います。シャンデリアは不必要なものの部類に入ってしまうと思うのですが、それでもオーダーしてくださる方がいる。震災後、逆に個人オーダーが増えてきているんです。因果関係はよくわかりませんが、より感謝しなければという思いは強くなりました。

かるぴす:キムさんの作品には夢があってファンタジックだからこそこういう時でも求められているのかと思います。

―シャンデリアだけでなくインテリアや、キムさんプロデュースのお部屋等も見てみたいと思うのですが思うのですがそういったものはやられたりしないんですか?

ホテルの内装とかもやってみたいですね。色んなことに挑戦したいとは思っています。

Interview & Text:Masaki Takida, Fumiya Yoshinouchi

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