Interview

nuboaix

シンガポール人デザイナー、Youg Si Yuan氏が手掛けるシンガポールブランド「nuboaix(ヌボアイック)」。流行から脱却し、普遍的なクリエーションを目指し先端的、実験的な創造に情熱を注ぐ。

ブランドコンセプトに「個人主義的イデオロギー」を掲げ、”個人主義”と”感覚”の意識を注入する。近年注目度をあげているシンガポールのファッションシーン。現在、2010年に設立した新鋭ブランド「nuboaix」は雑誌「re-quest/QJ」や「NYLON Japan」等で掲載されるなど、日本での展開を深めつつある。今回ブランドについて、シンガポールファッション事情について話を聞いた。

―ブランドコンセプトについて教えてください

私たちのブランドはタイムレスということを念頭に置いており、1シーズンが終わればそれで終わりというものではありません。シンプルでありながら未来につながる、常にタイムレスなコレクションを目指しています。

―今シーズンのコレクションに関して教えてください

今シーズンは「Futurism」に焦点を置き、黒やネイビーなどとグレーやゴールドなどを合わせることにより、より現実的なフューチャリズムを表現しています。ミニマルかつフューチャリスティックでありながら、プラクティカル、それでいてエクスペリメンタルな服です。

―フューチャリズムに今回のコレクションで焦点を当てたのはなぜですか

ブランドを始めた当初からシンプルでありながらフューチャリスティック要素のある服を作っていましたのでそのテーマに辿りつくことは私たちにとってとても自然な進歩と言えると思います。私たちはアイテムにメタル素材を使用することも好きですし、たとえば機械などからもクリエイションのインスピレーションを受けています。
今回のコレクションで使用しているマイクロファイバーやブラックスウェードなどはフューチャリスティックを表現する素材だと思います。
カラーもそうです。ベースにニュートラルなトーンを使用しそこにアクセントとしてダークカラーや、ブラックなどを使っています。今回は加えて新しい試みとしてゴールドも使用しています。

―現在のシンガポールファッションとはどんなものなんでしょうか

シンガポールではファッションに興味をもつ人々が増え、徐々に若いデザイナー達が台頭してきていると思います。政府もそういったデザイナー達に積極的に支援をしておりマーケットは急速に成長していますがまだまだ成長段階であると言えるでしょう。
シンガポールは1年中夏なので春夏しかデザインすることは出来ませんので天候もファッション産業をするのに向いていません。街ではカーディガンを羽織るくらいでテイラードジャケットを着ることはありません。
それにまだまだ世界の有数なセレクトショップのバイヤーやプレスの方たちがファッションウイークに来るということはなかなかありませんのでそういった機会を求め他の国に行かなければいけません。
またファクトリーに関してもとても制限があります。レザー等の難しい素材を縫う技術を持つファクトリーが国内にはほとんど無いのです。

―日本ではどういった活動をしていきたいですか

勿論自分達のブランドを日本で広げていけたらと思っています。シンガポールでやっていた時は春夏しかありませんのでカプセルコレクションのようなスモールコレクションしか展開できませんでしたのでもっとヴァバリエーションを広げていけたらと思っています。

―ブランドとして今後注力していきたい部分はどこですか

ニットやメタルパーツ、レザー等素材にもう少し力を入れていけたらと思っています。今まで使うことのできなかった素材にも挑戦していきたいですしアクセサリーも作れたらと思います。
立体感のあるシェイプもそうですしディテールワークもより凝ったことをしていきたいと思っています。

Interview & Text:Tomoka Shimogata

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