Interview

CONNY GROENEWEGEN

オランダ出身のファッションデザイナーCONNY GROENEWEGEN。
ロッテルダムのWillem de Kooning Academie卒業後、菱沼良樹氏主催のマスタークラスで3Dテキスタイルの様々なテクニックを学ぶ。

彼女の特徴はその3Dテキスタイル科で習得した技術を生かした複雑かつ高度なニットを中心としたテキスタイル加工。オランダの伝統的なアプローチと現代の技術を使った高度なテクノロジーの2つを掛け合わせたコレクションは、Mercedes-Benz Dutch Fashion Awardsに輝くなど国内外で高い評価を得ている。

今回はデザイナーのCONNY GROENEWEGEN氏に3Dテキスタイルや今季のテーマである”Alchemy”について話を伺った。

―なぜ3Dテキスタイル科で学ぼうと思ったのですか?

洋服、建築などの伝統的なものに惹かれていました。洋服は作る上で1つの要素、形を縫ったり切ったりしますが、ニットは伝統的な技術を用い、より高度で現代的な技術を併用して作られるところに興味があったからです。

―具体的にはどういったことを学ぶのですか?

マスタークラスでは様々なタイプの糸を使い、テキストの表面を構成する、3Dニットボリュームを学びました。プログラミングで図面を起こして機械で縫います。基本的にミシンも使わないですし、縫うことはせずデジタルで構成し、一つの行程でニットを編み立てています。

―今シーズンのコレクションについて詳しくお聞かせください。

テーマはアルケミー(錬金術)です。 過去からの変化への興味を含めた、心や体の変化に着目しました。錬金術は金属を変化させる昔の技術なので、金属を想起させるメタルやシルバーを使って表したのが特徴です。
またゴールド等に見られるロマンティックなアイディアによる空気感を持たせつつ、染めたり、お湯に付けたり、変化させることで表情を付けています。
素材はフェルト、シルク、アンゴラ、メタルを加工しています。これらの過程は、トランスフォーメーションの一つとしてとらえており、いろいろなアイテムに散りばめています。トランスフォーメーションをコレクションの基本概念として作りました。

―主なインスピレーション源は何ですか?

素材と素材の組み合わせからくる事が多いです。また素材同士の組み合わせによって偶然できたものもあります。偶発的に起った出来事を大きなイメージからとらえて、それを抽象化したもの。いつも洋服のデザインを念頭においていて、そこにテキスタイルを落とし込んでいます。あらゆる要素や技術から形作り、それらを統合させています。

―素材選びで重視されていることは何ですか?

化繊はあまり使わず、出来るだけ自然の素材を使ってデザインをしています。
今季に関しては、メタル素材やソフトな素材に対し、レザーや異なるテクニックを組み合わせたりしています。

Interview & Text:Yoshiaki Miyahara, Tomoka Shimogata

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