Interview

CREATIVE DIRECTOR Etsuko Yoneyama 4/5

ここに来ればかわいくて面白いものが常にあるという場所。新しい発見があるとか。東京の今のファッション業界がどうとか、それに対して何か見せていきたいとかはありませんがちょっと面白くてかわいくて変なものがある、そういう場所

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―今はLamp harajuki以外にも大阪やUsagi pour toiや扉のむこう側などにもかかわっていますが具体的に今の米山さんの仕事ってどんなことなんでしょうか?

Lamp harajukuとLamp harajuku MEXICO CHIDOに関してはお店の核となるところと、ブランドのセレクトやディレクションにかかわっています。ブランドを決めるのは私ですがどのアイテムかを選ぶのは主にアシスタントバイヤーです。展示会やコレクションに行き「こうゆう方向でいきたいのでこういうのが良いんじゃない」という話をします。それプラスギャラリーのキュレーションを年4回。
うさぎは完全にディレクションです。ブランドをどうしようとかDMをどうしようとか、ウインドウディスプレイとかイメージの部分です。
それと扉のむこう側のディレクションです。

Usagi pour toi

―Usagi pour toiは元々あった店舗に米山さんがディレクションにかかわるようになりましたが、米山さんがかかわることによってランプと似てくることはないのでしょうか?

そこはちゃんと棲み分けをしています。バイイングにはあまり入らないようにしたり、アーティストも被らないようにしたり完全に別ものとして捉えています。それにコンセプトも元々ありますのでそのコンセプトに沿っています。
Usagiは元々あった世界観にライフスタイルの部分の要素を足す。コンセプトが雑貨、雑服というお店なんですけど洋服屋さんになっていましたのでそれを元の雑貨、雑服でライフスタイルを表現出来るようなお店にしたいと思っています。
ライフスタイルが表現出来るような空間とイメージ作り。お店のブランディング、(アーティストの)ナタリーレテとの取り組みなどにも関わっています。

―今までは女子文化を中心に発信されてきましたが男子に向けて何かやりたいということはないんですか?

あまり男子の文化がわからないんです。わからないからやらないだけです。ただ女子に限定するのは面白くないと思っています。扉のむこう側はまさにそれ。だからスタッフに私と全然違うタイプである手嶌を入れて女子と言われているだけのものじゃないものを扉のむこう側ではやろうと思っています。

―ショップディレクションをするにあたって重視すべきことはなんですか?

コンセプトだと思います。芯というか。ぶれちゃいけないところは絶対にぶらさないことです。その中で店がやるべき方向性を見つけ出していくことだと思います。
グラフィックもそうですし、外に出る媒体もどうあるべきか、ウインドウはこの人達が今ここでやるべきかとか。

―Lamp harajukuではウインドウを若手アーティスト達が飾っています。米山さんにとってウインドウディスプレイとはどんなものなのでしょうか?

当初やり始めて重要視していたのはやっぱりプレゼンテーションの場としてしてのウインドウです。Sinaを初めて取り入れたときはお客さまも見たことがないし、スタッフも見たことがない。口で説明するよりも世界観で作った方が彼女の良さが伝わるだろうなと思ってウインドウディスプレイしてスタッフへ対してのプレゼンテーションの場であり、お客さまに対してのプレゼンテーションの場でもありました。magmaやaccoにしてもそうです。
ですがそろそろLamp harajukuのフィルターを通したLamp harajukuのウインドウに今後少しずつしていきたいと思っています。ウインドウはお店の顔でもあります。商品の陳列は多少変えても気づきませんがウインドウは目を引きます。なのでこれからはアーティストをフィーチャーする場所というよりかはLamp harajukuがどういう方向性を打ち出していきたいかというのをウインドウディスプレイを通して打ち出していく場所に変えていきたい。そういう風に考えています。
ウインドウはこちらで制作して2,3ヶ月に一度は提案する。一ブランドだけのフィーチャーではなく、ブランドの展示メインにするにしてもこちら側が中心となり制作していきたい。セレクトショップなのでブランドをフィーチャーしていくのではなく店がどういうことを発信したいのか。見せていきたいのかを見せることが重要だと思っています。

―Lamp harajukuは何を発信していきたいのでしょうか?

東京の今というほど旬なものでもないですし、ここに来ればかわいくて面白いものが常にあるという場所。新しい発見があるとか。そういうことだと思います。東京の今のファッション業界がどうとか、それに対して何か見せていきたいとかはありませんがちょっと面白くてかわいくて変なものがある、そういう場所にしたいです。

―数年前からは合同展示会roomsにて「扉のむこう側」のブースのディレクションもされています。その理由はなぜですか?

Lamp harajukuというお店の中だけでやれることに限界を感じたからです。ここはやはり良くも悪くも女子の世界観です。今でこそmagmaがはまりつつありますが当初私が良いと思ってもこのお店の中にはまる感じがしなくてスタッフの食いつきもあまり良くありませんでした。だから別の場所で男子女子関係なく自分が好きだから見てもらえるような場所を作ろうと。それで扉のむこう側でmagmaを提案した結果ランプでこうして取り扱いしたり、什器を作ってもらったりして戻ってくることになったんです。

扉のむこう側

―扉の向こう側ではなくてLamp harajukuの名前でやろうとは思わなかったのですか?

Lamp harajkuではやれないことなので別の名前でやろうと思っていました。

―でも半分以上はお店でも関わっているブランドですよね。

結果そうなっていますが、考え方が違います。やっぱりLamp harajukuのブランドを選んでいますのでそれと完全に分けることは出来ませんのでリンクしています。ただランプとなるとお店ですし、デザイナーもお客さまもこのお店を想像してしまいます。
Lamp harajukuのイメージも大事ですし守りたいものがありますのでそうではない名前にしようと思いました。

―Lamp harajukuと扉のむこう側の大きな違いは何ですか?

ランプはお店なのですが扉はお店ではありません。また扉のむこう側はファッション、アート、デザインがそれぞれの枠にとどまらず施工もインスタレーションもより自由で解放的であまり規制にとらわれないで表現したいと思ってます
半年に一回のroomsやラフォーレの期間限定店とかでその瞬間、その時にやりたい、必要だとおもうことを集めさせていただいてます。
店は継続していかなければ行けません。一度取引を始めたらブランドもやめたくないのですので取り扱う時には長く取引をするということを前提に取引を始めます。継続していってお互いにビジネス的にも良いという関係にしていきたい。
扉のむこう側でもアーティストとの向き合いかたでは一緒ですが店のサイクルとは違うのでやはり自由度が多い気がします。その瞬間をデザイナーやアーティストと一緒に作り上げています。
そして、扉のむこう側は世の中にありそうでないものや人そして男性的な部分を意識的にセレクトしています。

自分のキャパシティを広げてエネルギーを使うのであればもう少し扉のむこう側に力を使いたいです。扉は出て行く場所をもう少し増やしていきたい。北京とかニューヨークとか海外でもやってみたいです。

―扉のむこう側という名前にはどんな意味があるのですか?

“扉”は、私もそうですし、見る人もそうなのですが扉を開くまで何があるのかわからない。自分たちが見たことないもの、存在しないものがその扉の向こう側にあるという意味を込めて名前を付けました。

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