Interview

Susan Cianciolo / スーザン・チャンチオロ 2/2

クラフティング、ニッティング、テーラリング、ソーイング・・・自分が4歳くらいのころからこれらを全部自分の手でやってきました。ですが今でも常にもっと成長したいと思っています。常に勉強だとも思っていますし

―オーガニック素材に拘っていたこともあると思いますが自然とどういう付き合い方をしたいと考えますか?

皆さんも知ってるように私はこれまでオーガニック素材だけを使用したコレクションなどを作ったりしていました。スウェーデンで発表したコレクションは純粋にオーガニック素材だけを使うということに制限をかけてコレクションを制作しました。
でも今の自分はそうではありません。今はもっといろんなものが混ざっていいと思っています。古着の素材も使いますし、勿論たくさんオーガニック素材は使いますがそれだけに拘ることはせずいろんなものをミックスして作っています。そこだけにとらわれているということはありません。私のことを知っている人はエコフレンドリーな人間だと考えているかもしれません。このスロームーブメントの中で手作業を重視し、大量生産もしないので無駄なごみも出しません。そういう点からもオーガニックと言えるでしょう。

今私が着ているひなやの生地を使って作ったジャケットは手織りで生地を作っています。
ダイイングル―ムはフルーツや花などで常におおわれていますし、ダイイングルームで1日中作業をしていると常にそういったフルーツや花の香りを嗅いで作業しているんです。それはただ日の下で作業しているよりもとても良い影響を与えてくれます。
ノースカロライナに旅行した時のことですがコーンデニム(アメリカで最も古いデニム会社)と共にオーガニックデニムを作りました。彼らがそこでどのようにデニムを染めるのか見たかったのです。ケミカルで染めるのか、ナチュラルな素材を使うのか、それは人によって全く違います。勿論そういうことを私は全て気にかけています。ですが私自身オーガニックでなければならないという制限をかけてクリエイションをしようとは思っていません。意識の問題です。制限をかけることによってクリエイティブな人間ではなくなるのです。

―あなたにとって快適な服とはどのようなものですか?

コズミックワンダーは好きですね。丁度今日も購入したばかりですよ!
また常に自分の作ったものも身に着けています。今日来ているのは友人のジェシカオグデンの服。彼女の服もたくさん持っています。それにコズミックワンダーは本当にたくさん持っています。ヨウジヤマモト, コムデギャルソン, マルタンマルジェラ,マークジェイコブス、ユナイテッドバンブー…..それにヴィンテージの洋服も大好きです。Valentinoのヴィンテージも持っていますしBurberryもそう、デザイナーズクローズじゃない服も持っていますし、本当にとにかく色んな種類の服を持っています。
それを常にミックスして着ています。友人のデザイナーの服はよく購入しますしそういった周りのデザイナーもサポートできたらと思っています。ただ必ずどこかに自分が作った服は着ていますし、それを友人の服やビンテージの服などと混ぜてコーディネートしています。
古着も大好きです。それに生徒の作った洋服も大量に購入しています。それらすべてが自分のワードローブにミックスされて積み重なっています。中には奇抜なものもあったりします。プラスチックでできていたりね(笑)。そんな時は他の人に白い目で見られたりもしますが(笑)。本当に色んなものが好きなんです。それに洋服が好き、ドレスアップするのが好き。それが私にとっての恐らく一番の趣味だと思います。

―好きになる服のポイントはありますか?

勿論ただ単にデザイナーをサポートしたいからと言って服を購入することはありません。自分が気に入らないものは絶対に買いません。自分が身に着けているものは自分が大好きと思えるものだけです。勿論かつてはシャネルが好きな時もあったりしました。奇抜なものでもどんなものでもわたしが洋服を選ぶポイントはただ一つ私が好きかどうかそれだけです。
世の中には無数のデザイナーがいますが一度も買ったことのないデザイナーはいっぱいいますし全く興味のないデザイナーもたくさんいます。全てのデザイナーが好きなのではなく本当に好きなデザイナーはごくわずかです。

―今後使ってみたい素材や、挑戦したいことなどありますか?

私が京都のテキスタイルメーカーひなやの素材を愛してやまないことはご存知ですか?私はこれまでにひなやと共に10年以上も取り組みをしてきました。自分自身でも編みや手染めをしてきました。アシスタントにさえ手染めの部分はやらせずこだわりをもって色んなことに挑戦してきました。私はファブリックやテキスタイルをクリエイトする作業を愛しています。アメリカ中を探し回り自分の思い描いた糸を作れる工場も探しました。ヴィンテージファブリックも探し回りました。大きく分けるとその3つですかね。
今年の9月から私は2つのニットクラスを受け持つことになりました。ニットクラスの授業を教えてくれないかと言われたとき、私は自分が生徒にニットを教えるほどの知識なんてもってないわと思ったんです。私が知ってることなんて幾通りかの編み方だけですから。私はクラスを引き受ける代わりにニットのスペシャリストをアシスタントにつけてもらうようお願いしました。そうすれば私はよりデザイン面に集中して教えられると思ったからです。スペシャリストがいれば技術的な面も教えられますしね。私自身もそこで生徒と一緒に学ぶことができますし。
クラフティング、ニッティング、テーラリング、ソーイング・・・自分が4歳くらいのころからこれらを全部自分の手でやってきました。ですが今でも常にもっと成長したいと思っています。常に勉強だとも思っていますし。
この2か月間京都で過ごしウィービングにも挑戦し、染めの技術にしても様々な技術を習得しました。まるで学校にいるような感覚ですよね。常に自分の技術が向上すればと思っています。そういうことが自分自身の感覚を若く保たせてくれているんだと思います。

最後に死ぬ前に1つだけやりたいなと思っていることがあります。ずっと陶器を一度勉強したいなと思っています。一度もやったことがないのですがすごくやってみたいと思っています。その他にもまだまだ勉強しなきゃいけないことはたくさんあります。あなた方も学びたいことはたくさんありますよね?それと同じです。でもコンピュータースキルは学びたくないなと思っています(笑)。勿論e-mailくらいは出来ますよ。

Photo by Chikashi Suzuki
Music 9 Bridges http://www.bridge9.com/
hair and make up:Kazunori Miyasaka (mods hair)
Model:Momoko Ando ,Yayoi Ando (elite) ,Kana Ito ,Shota Sometani
Thanks to ARTIUM ,Shinji Chiba, Giovanna ,Maki Hakui ,PressPop ,Chikashi Suzuki ,Sophie ,Yoko Yagi
Susan Cianciolo HP www.susancianciolostudio.com
Interview & Text:Masaki Takiuda, Tomoka Shimogata

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