Interview

KIMMY.J

新鋭ストリートブランドが続々と台頭する韓国ファッションシーンにおいて、流行とは一線を画するようなクラシカルなシルエットに鋭い差し色やテキスタイルで異彩を放つKimmy.J。AW16はパリの展示会にも参加したデザイナーHeejinKimが11月初来日した際の、日本初のインタビュー。

--こんにちはHeejin、ブランドはいつ設立したのですか?
こんにちは、Kimmy.Jのデザイナー、Kim Heejinです。Kimmy.Jは2013年にローンチし、SS17で8シーズン目になります。
--あなたの経歴を教えてください。
私はソウルの延世大学の生活デザイン学科出身、大学では、日本で言うとMUJIのようなプロダクトデザインを専攻していました。2008年に韓国のあるTVプログラムで、VMDデザイン賞を取り、それからファニチャーデザインの会社に入りました。
--ファッションではなく、家具なのですね。
はい、3年ほどそこで働いたのですが、ほとんど決められたデザインをプロダクトすることに面白さを感じなくなってしまい、セントマーチンスの短期コースを卒業後、2012年にジェイルモジックに入社ました。
--ノナゴンで有名な会社ですね。
はい、こちらでスポーツウェアのデザインを担当しました。その後SFCS(seoul fashion creative studio、国が選出した若手デザイナーに、ワークスペースを供給し、デザイナーをバックアップするプログラム)に選出され、Kimmy.Jをローンチしました。
--あなたのデザインは韓国ストリートブランドの中でも独特ですが、どんなデザイナーに影響を受けていますか?
ファッションというとなかなか浮かばないのですが、自分のアートワークとして、ペク・ナムジュン(韓国のビデオアートの先駆者)のビデオアートには影響を受けています。個人的に好きなデザイナーはジュンヤワタナベです。
--日本のデザイナーは知っていますか?
コムデギャルソン、アンダーカバーは知っています。あなたたちが関わっているミチココシノも、学生のころ大好きでした!
--Kimmy.Jは韓国ではどのようなショップで見ることができますか?
カンナムにKimmy.Jのショップがあり、そちらで販売しています。現在は様々な百貨店とも話をしていて、今季AW16はこの後すぐ香港のショップに並ぶ予定です。

--そのAW16のルックは、欧米人を起用していましたが
AW16は展示会でパリに行きました。そこでミニショーを行い、ルック写真もそちらで撮影しました。
--AW16のクリエイションには、ブラックレザーと強めのピンクが使われていますが、それはどのようなところから来た発想ですか?
最初レザーを作った時は、ブラックのみからスタートしたのですが、徐々にカラーが増えていっています。今回のAW16では、ピンクを使うことで男性の強さを魅せたかった。ピンクは可愛いイメージがあるのですが、強い男性が着ると、その強さが引き立つのです。
--強さといえば、韓国の獅子ヘテの刺繍が使われています。
ヘテは是非・善悪をわきまえる伝説の動物です。AW16のコンセプト「WITHOUT 自我省察MUST BE人生差押」の意味、自分を常に省みなければ、人生は行き詰まってしまうという、まさにこのテーマにピッタリなアイコンでした。間違った道を選びそうな時、ヘテが正しい方向に導いてくれるのです。
--SS17はどのようなコレクションになりますか?
コレクションのテーマは「7696 KARMA」。親から与えられたカルマを生きている間に解くことが宇宙の法則であるという、少し難解なテーマですね。それを、親の世代の青春の終わりとすることができる76年と、新しいストリートカルチャーの転換点である96年の出会いという形で表現してみました。76年から東洋的なオブジェ等を取り出し、96年に流行したオールドスクールヒップホップファッションの流れに乗せ、Kimmy.J独特のカラーやツイストも盛り込んだコレクションです。
--ソウルでは、東京や他の国に比べ、ストリートファッションが流行しているように思いますが、あなたもそう感じますか?
韓国では、音楽やクラブ等とファッションを楽しむような若者のストリート文化とがリンクしているので、この傾向は長く続くと思います。様々なスタイルのストリートファッションが出てきているので、同じストリートファッションの中でも、それぞれのスタイルに合わせて楽しめると思います。

--あなたのクリエイションは、レザーやニットの質も妥協せず、ボタンやジッパーまでオリジナルで、クオリティもプライスも、他の若手ファッションブランドと一線を画するようなラインナップなのですが、あなたはブランドがモードファッションとストリートファッションの間のどの辺りに位置していると思いますか?
そういった拘りはあまりなく、そこを意識して考えた事はないのですが、敢えて言うならばストリートファッション寄りで、それでもアートワークをより強く魅せたいです。
--日本のファッションピープルに一言お願いします。
日韓の百貨店で単独のポップアップの話が進んでおりますので、是非とも日本でも販売したいと思っています。日本の文化や食が凄く好きなので、是非ともまた日本に戻ってきたいです!
--ありがとうございました。

Interview Kazuma Mori Translate Heekyung Kang

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