Timur Kim

ロシア出身のデザイナーTimur Kim。ロシアのサンクトペテルブルクファッションウィークにて、若干16歳でコレクションを発表しキャリアをスタート。ロンドンに拠点を移した後は2001年のChloeアワード、2010年と2011年の二回、Pringleアワードを受賞したという経歴を持つデザイナーだ。

今回のコレクションは、彼自身による言葉「everywear with a touch of luxury」で表現されるように、デニムというカジュアルモチーフを、気取らないシンプルなデザインと共にしなやかなシルクにのせて、ラグジュアリーな印象に仕上げた。
注目したいのが、オリジナルのファブリック。「リサイクルファブリックを使う」これが彼のシグネチャー。今回のコレクションで、それは古着のデニムをスキャンしシルクにプリントするという方法で表現された。一見本物のデニムの様だが、実際に手で触れると、いかにリアルなデジタルプリントかが分かる。デニムの重さはシルクで解消され、風に揺れる姿はしなやかでエレガント、女性を引き立てるラグジュアリーなウエアが誕生した。
さらに、デニムに映える白いフラワーレースがプリントされたシリーズは、19世紀のヴィンテージレースをスキャンし、プリントしたもの。様々なレースモチーフをコラージュし生み出されたプリントは複雑で美しく、デザイナー自身も「このコラージュの作業が、今回のコレクションで一番クリエイティビティーを発揮できた」と語る。

Photo:Yuta Fukuda Text:Yukari Inatomi


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