2014 Autumn/Winter コレクションでsacai が新たに試みたのは、ブランドコンセプトである“日常の上に成り立つデザイン”をベースにクラシックなアイテムで“インサイドアウト”について考えること。裏と表を組み換え、インナー、ライナーの新たな捉え方、解釈でクラシックなアイテムを進化させた。
特徴的な提案として、カラー、前立て、カフ、ヘムに表地を残し、その他の表地をカットアウトすることで、本来インナーである素材がアウターへと変化したヴァーシティジャケット、チェスターフィールドなどが挙げられる。
また、別の角度からのライナーの解釈として、ハウンドトゥースのダッフルコートやバイカージャケットにはストライプのライナーが、またW フェイスのチェスターフィールドやローゲージニットのP コートには異なる質感のナイロンパーカーがライナーとして付いている。いずれもヘムの長さをアウターよりも長くすることで、内側からインナーがアウトしたデザインが特徴となっている。
パターン・テキスタイルでは、トラディショナルなハウンドトゥースやストライプを縮絨、接結などの手法を用いてニュアンスを加え、またクラシカルなネイティブ・アメリカンやノルディックの柄はニットの織りや箔プリント、立体的な刺繍など、様々な加工や手法を用いて表現。
インサイドアウトの考え方はルックでも提案、リバーシブルではないアイテムも、敢えてリバーシブルとしてコーディネートに取り入れ独特な表情を楽しみ、またクラシカルなコーデュロイのテーラードジャケットの上に、
ヴァーシティジャケットを合わせ、またライナーとして考えられているベストを本来裏地であるボアを敢えて表使いをし、それをアウターの上から重ねている。
シューズではVANS とPARABOOT とのコラボレーションアイテムを発表。
VANS とのコラボレーションでは、OLD SKOOL とSK8-HI にスリップオンで履けるカスタマイズを施し、表情のあるムートンを用いたブラック、グレーの2 色を展開。
PARABOOT とはスニーカー感覚で履けるレザーシューズをイメージし、チロリアンシューズのブーツタイプMUCY を表革で作り、新しい感覚のレザーシューズとしてブラック、グレー、ホワイトの3色展開で提案している。