フィンランド発のブランドDaniel Palilloが初となるメンズコレクションを発表した。テーマは”THE TRIP”。
ブランドの持つ別の、よりダークな側への壮大な旅である。ウィメンズ・コレクションとは異なっているが、ブランドのスタート時からの特徴であるユニセックス感に忠実なのは同じ。
“THE TRIP”が使うのは、シティーTシャツやホリディ・ハットが部族的美学やスピリチュアルなイメージと出会ったり、どらの鐘がオリエンタルな生地の上に山積みされたりしているグローバルな市場で見つけるようなツーリストグッズである。同様に、今回のコレクションではベルクロが繋がっていてワッペンの位置を自由に変えたりすることもできるアイテムが登場。
コレクションの流れは彼の地元ヘルシンキをゆったりとした足取りでめぐる視点であり、そこでのパリッロは公共の場でバスローブをまとって公私の境目に入り込んだり、唯一の地下鉄で行ったり来たりしてメトロポリタンな雰囲気に合わせてみたりと、役になりきった俳優のように自分のデザインとのエモーショナルな一体感を達成させようとする。ダニエル・パリッロの世界を旅するには人の心の中を旅するのもひとつの手だ。虚構と現実の境目を曖昧に、あるいは並行する多くの現実を1度に見たり体験したりすればいいのだ。