Interview

masumi tipsy saito


Londonをベースに活躍する日本人パフォーマンスアーティストmasumi tipsy saito。今現在ロンドンで最もホットな存在であるアーティストTheo Adamsと共にTheo Adams Companyの一員として、またmasumi tipsy saito個人としてアートからクラブ、そしてファッションと活動の幅を広げる彼女に話をうかがった。

—簡単なプロフィール、最近の活動内容について教えてください

18歳で渡英し、英語を勉強しながらhiphopのダンスカンパニーにしばらく所属しながら、パートタイムでコンテンポラリーダンスを始めました。 2008年にlondon contemporary dance schoolを卒業し、在学中に趣味で始めたクラブやアート/ファッションイベントでのパフォーマンスの世界にすっかりハマってしまい、現在ではそのきっ かけにもなったアーティストTheo Adamsと共に作品を作り、ダンサーとして彼のカンパニーの一員として様々な場所でショーをしています。彼との活動が最近のメインですが今でも masumi tipsy saito個人として、自分の作品をキャバレーなどで出し続けています。
主にダンスを使うのが私の作品ですが、最近はイラストを書いたり言葉を書いたり活動の幅を増やして行っています。

—日本を離れ海外で活動する意味とは(なぜロンドンだったのでしょうか)

正直なぜロンドンを選んだか思い出せないんです。とゆうのも、高校を卒業し、ただ漠然と「10代で海外が見たい」という思いつきでしかなかったと思います。特にこの国でダンスをやるつもりで来たわけでもないし、正直こんなにも長くこの海外に居る計画なんてはなからありませんでした。ただ、日本では頑張らなくても当たり前にこなして来た事の全てがここでは挑戦で、全てが新しくて、けどどこかゆるくって…
そうゆう自分にとって初めての窮地の中で、頑張らなきゃ、小さなことでも進まないというところが、負けず嫌いで飽き症の私にはぴったりはまったんだと思います。

常に新しい物が生まれ去って行くこの街では自分が頑張っただけチャンスは舞い込んでくるけど、甘えただけ何も進まないんです。それが、日本を離れこの地で活動する意味ではないかと思います。
作品を作る上で、悩み事や心配事は私には欠かせない事なんですね。安定してる生活の中では創作意欲がぱったり無くなってしまうんです。

—活動をしていく上で「日本人(アジア人)」ということを感じることはありますか/ 英語等で障害を感じることはありませんか

特にこれといって英語で困ったことはありません。常に色々なナショナリティーの人達が共に働く状況ですし、誰も完璧な英語を期待してないと思います。特に日本人とゆうことを意識した事もないです。強いていうなら、ラッキーだったなって思う位ですね。

—(Theo Adamsを始め)様々ななジャンルのアーティストやクリエイター達と仕事をする機会が多いと思うのですが彼らから得るものとはなんでしょうか

彼らから得る物というのは計り知れないです。コラボレーションの作品が多いので、彼らの日本人とは全く違う仕事に対する姿勢、価値観やセンスには常に影響されています。一人一人がカテゴライズしきれない独自の世界観を持ってるので良い刺激になりますね。

—(今までで)最も印象に残っている仕事/ アーティスト(またはクリエーター)を教えてください

なんといっても一番最近やったW magazineの仕事です。規模は今までの仕事とは比べ物にならないほど大きかったです。
フォトグラファーのDavid Sims、スタイリストの Camilla Nickerson。その業界のトップに立つ人々の仕事に対する姿勢は他では感じられぬ緊張感とある程度の緩さを作っていました。それと、Theo Adams company の音楽担当でもあり私のパフォーマンスのパートナーでもあるJordan Hunt。彼はヴァイオリニストなのですが、彼程あらゆる才能を持ち合わせたアーティストに今まで会った事はありません。それに彼とは不思議な繋がりが あって、どの作品をやる時も凄く短い準備期間でもお互いのセンスを信じて舞台の上では見事に融合して、まるで長年連れ添った夫婦みたいです。

—最近ロンドンをはじめ世界のファッションシーンから熱い注目を集めるTheo Adams(Company)について少しお聞かせください。(彼から得るものなど)

Theoとは知り合って1年半程経つのですが、一番最初に彼の作品に出させてもらった時と今では彼自身本当に変わったと思います。
常にlondonのアバンギャルドな文化の先頭に立ち、i-Dや DAZED など数々の雑誌に特集され今や世界中の fashion業界、アートなど多方面から注目されている若干19歳の彼のエネルギーは凄いですね。彼の作品にはこれといって深い意味や伝える物などない のですが、彼が今現在作り上げているTheo Adams Companyは、ダンス作品でもミュージカルでも、キャバレーとしてでもカテゴライズする事のできないものを発信していると私は思います。

今現在セットデザイン、作曲家、オーケストラ、ダンサー、パフォーマーなどで構成されていて毎回その作品に必要な人材を集めてTheoの世界観を作ってい ます。先程もちょっとお話ししたJordan Hunt 、個人でTheoと並んでLondonを盛り上げて来た Scottee Scottee、こういった一人一人が全く持ってオリジナルのスタイルを持っていて、言ってみるならなんの共通点もない、そしてカテゴライズしがたい人材 が一同に介し、新しい物へ挑戦しているのがTheo Adams Companyだと思います。

—(先程少し触れて頂きましたが)W magazineに掲載されたことで何か反響はありましたか

まだなにも確実にはなっていないのでまだ言えませんが、多方面からの依頼を受けているみたいです。

—ロンドンという街から何か影響(インスパイア)されることはありますか

毎日の様に新しい物や、アーティストが生まれては消えていくせわしいロンドンは常におもしろいことが転がっていますね。
常にどこかしらで面白いイベントやショーが行われていて、アートが生活の中の物凄く近い位置に在る街ですのでそういった事でインスパイヤされる事は多々あ ります。それに、様々な文化や移民が混沌としてるので日本では感じられない事を感じ、今までに考えてもみなかったことを常日頃考えます。

—アーティストとしての一番の喜びを教えてください

パフォーマンスを終えた後に沢山の人に声をかけてもらえるのは嬉しいです。 「あの東洋人はなにものなんだ」って、「あなたは何をしてるひとなの」って言われるのは気持ち良いです。
けど、オーディエンスの数イベントの規模関係無しに表現者としてなにかを発信するとゆう事がシンプルに私の喜びです。なにかを感じて貰うとか、理解しても らおうとかいうよりも表現したい精神が在る限りがむしゃらに自分の全てを作品にして表せるということ自体が最高の喜びです。

—今後の活動内容、目標(仕事をしてみたいアーティストなど)、方向性を教えてください

Theo adams companyとしての目標はワールドツアーです。ロンドンだけでなくNY,イスタンブール、東京などでパフォーマンスするのは私達の目標です。
私個人としましては、勿論彼のチームとしてのサポートと。更に個人としての活動の幅を広げる事です。ウェブやブログで公開しているイラストもなにかしらの 形に繋げて行きたいですし、真剣なダンス作品を振り付けをし、使いたいダンサーを集めて作りたいです。それと、ショートフィルムも作りたいなと思って今ス クリプトを書き込んでいる所です。
ゆくゆくは一時帰国する度に(日本の)どこかしらでパフォーマンスを依頼される様になりたいですね。
HP – http://masumisaito.com/
Blog – http://ameblo.jp/masumitipsysaito/

Interview, Text/Masaki Takida

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