Interview

Kagari Yusuke 3/4

“みんなああしなきゃこうしなきゃって言ってるけどとりあえず作ってから考えようよって”

‐自分がファッションをやりたいとは今でも思わないんですか

思わないですね。どちらかというと空間インスタレーション的なことの方が好きですね。

‐レザーの延長でレザージャケットとか作ったりとかはどうですか

この質感でレザージャケットやったらぱりぱりですよ。面白そうですけどね。

‐ここまでやったら服に行っても良いのかなとも感じるのですが

別アイテムにも行きたいとは思っているんですけどやるとしても靴程度ですかね。

‐違う物を作りたいとは思わないのですか

物を変えたいとかそういうよりは見せ方を変えたいとはいつも思っていますね。展示が好きなんですよ。でも思っていることを形にしようと思ったらお金かかる ことしか想像できなくて工事現場にある瓦礫を全部持ってきたりとかなかなか実現できなくて。

‐アートっぽいことをやりたいということですか

間違いなくそうなんでしょうね。でもアートって実用性が無くて感覚だけに訴えたりするのでビジネスもやりたいですね。コウモリでいたい。アートでもなくデ ザインでも無くファッションでも無い。どっちつかずです。良くも悪くも。

‐でも名義は鞄作家なんですね

それで良いと思っています。正直ノリで生きているんですよね。今って作家さん増えているじゃないですか。みんなああしなきゃこうしなきゃって言ってるけど とりあえず作ってから考えようよって。

‐バッグは1型につきどのくらいあるんですか

一応エディションがついていて全て20個限定ですね。20分の何々という刻印を入れたかったからなんですけど。通し番号で自分でいくつ作ったのか把握した かったというのもありますね。飽きるかと言われればもう結構飽きていますね。バッグを作ることにも、この質感は最初凄く好きだったんだけどいっぱい作りす ぎてそろそろ飽きてきたから次はもうちょっと違う質感をやりたいなって。僕自分の作る物あまり凄いと思えないから自分で作っていても飽きるんですよね。

‐この質感にこだわってるけではないんですか

拘ってるけど同時に飽きてるという感じです。こののっぺらした感じとか縫い目とか隠して一つのオブジェみたいになるというそういう質感には凄い拘っている んですけどやっぱり自分で作っているから同時に飽きると。一年365日これ見てますからね。

‐僕もそれは凄く理解できます。昔は本当に何でも良いからファッションショーに行きたかったけど今はショーを見すぎて本当に良い物、パワーの感じる 物以外は何も感じなくなりました

でも飽きた状態で本当に良い物を見たら凄く感じる物はありますよね。

‐最初から定番でやっている物というのはないんですね

そうですね。何かしら変わってはいます。でも正直売れない売れっ子なのでイベントとかの誘いは多いけどそんなに鞄は動いていないですね。最近びっくりした のが自分で売れてる数を把握しているんですけど原宿でご飯を食べていたら「それKagariYusukeの鞄ですよね?」って言われて「え?」みたいな。

‐やっぱり数はそんなに動かないにしてもCLASKAとかにあることで知ってくれる方は多いと思うんですよね

そうなんですね。

‐今ってアート系のお店に置いているのが多いのですか、それともファッションよりのショップに置いてある方が多いのですか

最初は原美術館とか新美とかに置いてあったんですけど最近は個人のセレクトショップが増えましたね。

‐どういうテイストのお店が多いんですか

インポートと古着と雑貨を合わせたようなお店ですね。最初はアート系のお店が多かったんですけどそういうのって正直単価高い物売れないんですよ。

‐自分でどういうお店で扱いたいとかはありますか

最初はありましたけど今はあんまり無くなりましたね。絶対ここに置きたいと思って置いても置いた後に達成感があまりなくて。でもバイヤーさんが好きで入れ てくれたら見せ方とか頑張ってくれたりするんですよね。置きたい場所に置いてもそんなに面白くなかったりするんですよね。だから自分で狙わなくても好きな 人が買ってくれたらそれでいいのかなって。

‐Kagari Yusukeの鞄はアートとしての鞄だったら高いし、なかなか買わないと思うんですよね。結局買う人ってバッグとしての良さを見てる人だと思うんですよね

だから個人系のセレクトショップが増えたと思うんですよね。

‐バッグって男ってそんなに買い替えるものではないですよね。女の子だったらバッグとかって何個も持っているけど

そうなんですよね。だからなかなか買わないですね。恵比寿で受注会やった時もそんなに形変わらないから前のシーズンやってたやつと同じような型の物をやっ てたりしたんですよ。お客さんで毎回来てくれる人がいたからその人達が来てくれたんですよね。3人集いましたからね。同じ鞄を持った人が。

続く

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