Interview

Daniel Sannwald


アントワープ王立芸術アカデミーを卒業しファッションとアートを融合させた写真でDazed & Confused、i-Dなど様々なファッション誌で活躍する新進気鋭のドイツ人写真家Daniel Sannwald。This is FashionでのMikio Sakabe, writtenafterwards, Akira Nakaとのコラボレーションも記憶に新しい彼に話を聞いた。

-あなた自身について簡単にお聞かせください

私の所属事務所のAnne du Boucheron from Management + Artists + Organizationによるものです:
「1979年ドイツ生まれのダニエル・サンワルドは、近代写真において今最も勢いのある若手アーティストの一人である。 主に関連・反復手法を用いた風景 描写で、ダニエルはその強烈でインパクトのあるスタイルで、すでにファッション業界や写真業界の注目を浴びている。彼のシュールで美しい作品はファッショ ンとアートを融合させ、そこからユニークな世界観を創り出す。」
「ダニエルはアントワープ王立芸術アカデミー出身、現在ロンドンを拠点としている。彼は数多くのファッション誌での撮影に携わっており、中でもDazed & Confused、i-D、Vogue Hommes Japan、 V magazine、Qvestなど。彼の功績はスイスのWinterhur写真美術館ノミネートやドイツのLead Awardノミネートからも称されている。彼はルイヴィトン、ナイキ、フィリップスエレクトロニクス、アディダス、リプレイ、ラングラー、資生堂とのプロ ジェクトを手がけた。」

-あなたの作品のインスピレーションは?

日常と人です。私はこれまでキャリア上だけでなく多くの人と出会い、影響を受けてきました。それはその人たちの言葉だったり、生き様やその姿勢だったり、 何かをしたことだったりします。具体的に一つを挙げるのは難しいんですが・・。私の行動はたいてい感情から起こり、あまり考えすぎずに流れに任せます。で も日常の些細なことはちゃんと気に留めます-そういった小さいことが私を突き動かし感化するのです。

-写真に興味を持ったきっかけ、またはファッションフォトグラファーになろうと思ったきっかけは?

一番最初の記憶は、芸術家だった父がたくさんのビデオと写真を仕事で使っていたことです。父は私に衣装を着せて1・2枚写真を撮り、それをキャンバスに映 写してからエアブラシをかけ、それらをとても奇妙なコラージュにしたのです。あと十代の頃、母の写真の取り方が非常に印象的でした。母はいつも写真を撮る のを嫌がりましたが、出来上がるものはいつも良かったんです。母が初めてカメラを持ったときはまるで子供のような覚束なさでした。写真的常識は一切取っ払 われ、画像はまさに自由でした。家族写真の全員の顔をちょん切って、それでもいい感じに仕上がったのは母だから成しえたことです。
私はファッションと写真に携わることが本当に好きです。今までは仕事とアソビを組み合わせる一定の自由がありました。しかし私は常にファッションフォトグ ラフィーが人生の終着点だとは思っていません。満足が得られる限りは続けますが、世の中にはそれ以外にもまだたくさんのことがあります-例えば私は子供と 映像にも興味があります。もしかしたらいずれは教師になったりドキュメンタリー映画を撮るかもしれません。

-あなたが写真を撮ってみたいブランドや人はありますか?

プラダ!!!

-キャリアの中で特に強い影響を受けたアーティストや人は?

特定の人はいません。主に友人や無名アーティストによる作品などです。

-撮影の前にどのように撮ろうといったイメージやシチュエーションを決めますか?

私はたいていムードボード作りから始め、それをあとで作品のイメージを掴むためのストーリーラインのインスピレーションにします。

-アントワープ王立芸術アカデミーはあなたにとってどんなもので、あなたの作品作りにどのような影響を与えましたか?

ここを卒業しBruna KazinotiやAlbert Folchといったすばらしい人達と一緒のクラスになりラッキーだったと思います。そこでは良い時間を過ごし、彼らと出会ったことを本当に幸せに思いま す。特に私のクラスは刺激的で新たな指針を与えてくれました。さらに他の学部のミキオサカベ氏や、Peter Pilotto、Johanna Trudzinskiからもインスピレーションをもらいました。

-フォトグラフィーにおいて最も重要なことは?

何らかの形で人の心を動かすことです。

-他の人とは違うあなた自身のスタイルの特徴は?

特にファッションフォトグラフィー、つまり私が活動する分野において、パーフェクトなイメージを創ろうとする社会の中で、あえてエラーや間違いを見せるよ うな作品作りを模索しています。作品で間違いや未完成さを見せることでハッピーになります。

-今後の予定は?

写真集が出版されます。ほぼ仕上がっていて来年にはアメリカ、ヨーロッパ、日本で発売されるということで、とてもわくわくします

2010年1月号のDazed & Confusedによると:
「もしあなたが彼のこれまでの作品のファンであれば、今回の写真集出版は、彼ほどでないにしても我々と同じくらいエキサイティングだろう。なにより彼に とっては非常に美しい編集を経てよりプライベートな作品を披露する絶好の機会なのである。『セレクトはバラバラのパズルピースのようなもの』-彼はこう言 う。『でも一つに繋げてみると私というアイデンティティーを成し、完成形になる。』」
www.heroesbooks.net
More info here :http://dazeddigital.com/Photography/article/6130/1/Daniel_Sannwald_Book

Interview & Text:Masaki Takida Translation:Natsuka Ueno

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