Interview

.efiLevol 3/3

「今でも僕はファッション凄い大好きです。凄い今が幸せだし、楽しい。ただこの大好きなファッションを一生続けて行く為には今の状況を何とかしても変えなくちゃいけないというのもあるんですよ」

―3人でやられていますが意見が食い違ったりもしますよね。喧嘩とかにはならないのですか

喧嘩とかにもたまになりますよ。男3人でやってて喧嘩しなかったら逆に気持ち悪いですよね。やっぱり考え方の違いとかで時には喧嘩する事もあるし、作る物においてヒートアップする時もある。

―お互いに妥協しつつということですか

妥協というか、もう認めざるをえない瞬間の時ってあるじゃないですか。自分がこう出したデザインに対して「もうちょっとこうした方が格好良いんじゃないの?」と言われて、最初はそれに対して「そんな事ない!」って思うかもしれないけど、結局よく頭冷やして考えたら確かにそっちの方が格好良いみたいな。だから妥協とかではないですね。

―それをまとめるのも阿久津さんの役割ですか

そうですね。だから一番大変かもしれないですよね。でも世の中の事は、バイヤーとかもやっていたので一番わかってると思うんです。

―ブランドの成長は感じますか

多分いい具合に成長はしてると思います。

―最近では媒体でも良く扱われるようになってきましたよね

最近やっと、雑誌媒体にもブランド単体で取り上げてもらえたりするようになったんです。展示会に来てくれる編集さんとかも、昔は少なかったんですけれども、最近は結構来てくれるようになったなぁと。

―自分たちのやって来たことが少しずつ理解されてはじめて来たということですね

やっと何か知名度的なモノが、少しずつなんですけどついてきたのかなぁって。

―話は少し戻ってしまうんですが今後本格的にレディースを展開しようっていう考えはあるんですか

まだないですね。

―まだということは今後は考えているということですか

今はまだですけど。いつかはやってみたい。やれる事があるんだったら色々やりたいですね。
ファッションの分野でも、今作ってるCLOTHでもそうなんですけど、もっとそういった方にもアプローチしていきたいし、やれる事があるんだったら、チャンスがあるんだったら色々表現していきたい。

―何かとコラボレーションしてやろうという考えはありますか

それは色々考えてます。ありきたりのものではなくこんなとことやるんだぁみたいな。

―アート等との関係性でしょうか

アートというよりはもっと、ファッションを構成する上で欠かせないところとやりたい。ファッションをどうにかしないといけないっていう思いがあるので。

-自分一人だけのブランドを作りたいとかはないですか

今のところは特にないですね。やっと世の中にも認知されつつある、5年位やってやっとブランドの方向性というか表現の仕方とか何となくまとまって来たから、逆に今が凄く楽しい。それに今一人でやっても全然駄目ですね。変な服ばっかりしか作れないかもしれないです。

―もし自分一人でやるならレディースがやりたいんですか

もし自分一人でやるならレディースの方が良いかもしれないですね。メンズをやるにしても.efiLevolと被ってしまうかもしれないし。

―今後の方向性が見えて来たというのは具体的にどういうことなのでしょうか

とりあえず、このやり方で続けていって色んな人達に解ってもらえればいいかなぁっていうのがありますね。今はそれをどうやってもっと色んな人達に知ってもらって、良い評価を受けれたらなぁって思いますね。
あとは、自分達だけでは無理だと思うけど、ファッション業界がもうちょっと面白くなればなって。それこそ周りにたくさんいるじゃないですか、面白い事やってる人達。そういう人達と一緒に何か上手い事盛り上げて行けたら良い。実際言うのとやるとでは全然違うし難しいんですけど。

―難しいですね。その為には色んな人が繋がらなければいけない

皆そんなに、そんなに繋がりないですからね。デザイナーだけで話してても始まらないですし。それこそプレスの人達とかも巻き込んでいかなければいけない。

―デザイナーだけでやっても結局そこから広がるのは難しい

「こんなことやれば格好良いじゃん」というのが集まって、結局それが下に伝わるかって言ったら、「何かあいつら集まってやってるよ」的な見え方で終わっちゃうのかもしれない。

―結局顧客とデザイナーの人達との間に開きがあって、デザイナーだけじゃ無理なんですよね

それこそ編集の人達だってそうだし、スタイリストの人達だってそうだし、ファッションに関わる各分野の、色んな人達が同じ方向を向き一気に盛り上げていかないと結局そこで終わってしまいますよね。ただ今は時代的にやっとそういう事が少しずつ動きだしつつある気はしますね。

―ただ、ブランドを続けるには結局服を買って着てもらわなければしょうがない。自分以外の誰か第三者に。

自分がやってる、世の中に出してる物は欲しくて作ってる。でもそれが売れなかったら自分の考えが相手に伝わらなかったってことになるし、結局自分の世界だけの自己完結になってしまう。

―難しいですよね。どこを目指すかにもよりますけど。少なくとも自分が専門学校時代の時って、凄いファッション好きだったし、ファッション好きな奴が周りにいっぱいいた。でも今の人達ってそれが一部になっちゃってる気がする。

そうかもしれないですね。でも今でも僕はファッション凄い大好きです。凄い今が幸せだし、楽しい。ただこの大好きなファッションを一生続けて行く為には今の状況を何とかしても変えなくちゃいけないというのもあるんですよ。自分の好きな事だけやっていたらブランドなんて本当長生きもしないと思うし。今自分たちが専門学校の頃、流行ったブランドで今生きてるブランドっていったら数える程しかないじゃないですか。

―ほとんどないですよね

そういう所も考えながら自分のしたい服をずっと作り続けてやっていかなければいけない。

―そういう意味では3人でやってる事はバランスがとれてて良い気がします

そうですね。

―自分一人だとやっぱり見えなくなる部分というのはありますからね

多分自分一人だと絶対無理だったと思います。それこそビジネスを考えない服作りに間違いなくなっていただろうし。
阿久津がディレクションに立つ事によって、実際市場に出ても売れるアイテム作りというのも頭の中で考えておいて、でもまた普通に売れるブランドさんとは 違う自分達の考えを打ち出して行けたんです。

Interview:Kumiko Kobayashi, Masaki Takida

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