Interview

IOSSELLIANI ~伝統と時代性~

Paolo GiacomelliとRoberta Paolucciのふたりの出会いから1997年ローマにはじまったIOSSELLIANI。誰も挑戦したことのない素材をジュエリーとして精巧に創りあげていく探求から創出した、ステンレススティールメッシュや手彫りクリスタルのコレクションは代表作の1つ。広い視野を持つ新世紀ジュエリーブランドとして世界的に注目されているブランドだ。
そんなIOSSELLIANIのデザイナーの1人である氏が来日。IOSSELLIANI T-02-IOS(IOSSELLIANI表参道)にて2011年11月5日、来日を記念したパーティーが開かれた。11月1日より展開がスタートした2011年クリスマス限定コレクションのフルラインナップの展示のほか、デザイナーからのコーディネート提案や、 カクテルサービスが振舞われ、会場は賑わいをみせた。
今回、デザイナーであるPaolo氏にインタビューを行い、コレクションやブランドについて様々な話を伺った。

―ではまず最初に11月1日から発売されている2011年クリスマス限定コレクションについて詳しく教えてください。

今回のクリスマスコレクションはレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉「Simplicity is the ultimate sophistication(シンプルさ、それは究極の洗練)」を引用しています。レオナルド・ダ・ヴィンチはアーティストであったのですが一方で職人気質なところもありました。そこで今回のクリスマスコレクションは職人業のようなテクニックを使い、シンプルではありますが洗練されたアイテムに仕上がっています。
また今回のコレクションにはリングのモチーフを様々なアクセサリーに使っています。イタリアでは古来より、リングの形状のものを身に着けることはとても馴染み深いもので、人生の中で重要なアイテムの1つです。こうした背景から今回のコレクションでリングをモチーフにしたアイテムを作りました。

―今回のコレクションの中で特にこだわった部分とはどんなことですか?

リングのデザインを使っていますが、このデザインを他のアクセサリーに落とし込むことに苦労しました。バランスが難しく、試行錯誤を何度も繰り返しやっとできたコレクションです。もちろん苦労した反面、楽しみながら制作することができました。例えばこの揺れるイヤリングも出来上がるまで苦労はしましたが、いかにアイディアを作品に落とし込むかを考え、色々と試すという過程はすごく楽しいものです。

―2012S/Sのコレクションについて教えてください。

2012S/Sシーズンも前シーズン(2011A/W)に引き続き「サーカス」をテーマにしたコレクションを発表しています。サーカスは非日常的なものなので、アイテムもちょっと変わったというかミステリアスなものを数多くデザインしています。伝統的なメンズのリングと、フェミニンなパンサーのモチーフが施されたリングという、相反する2つのリングを組み合わせたものが新作の1つです。カラーは明るい色みのものやポップな配色を使っています。もちろん新しいものを取り入れていますが、ゴシックといった伝統的なテイスト、そして過去のシーズンのテイストも取り入れたコレクションになっています。
今回のルックブックの写真にはモデルではなく動物にジュエリーを身に着けさせ、ルネッサンスの絵画のような雰囲気をイメージし、商品に対しても強いインパクトを持っていただけるように工夫しています。

―1997年ローマにてブランドをスタートさせ、10年以上続いていますが、当初と何か変わったことはありますか?

変わったことはたくさんあります。私の中では当初とはテイストの異なるストーリーを表現しています。また外側の変化として、ファッションに携わっていることもあり時代の流れに応じて適宜変化していると思います。また人生での様々な変化の影響もありますね。

―これまでブランドを続けることができた理由をご自身でどう分析されていますか?

常に変化に対応する適応能力が必要であると思います。世界の流れや情勢をしっかり捉え、そこに臨機応変に対応していくということが大切です。成功していると自分では思いませんが、秘訣と言えばそういうことになると思います。もちろんマーケットリサーチも行ないますし、新しい素材や技術を取り入れ、また能力が足りないのであれば新たな職人の方を探し、協力していただくということもしています。

―教会のステンドグラス、金網、缶といった従来のジュエリーに見られなかった素材を使っていることもIOSSELIANIの特徴の一つですが、なぜそういった素材を使おうと思ったのですか?

あまりジュエリーには使用されない素材をあえて使うということは私たちにとって非常に重要なことです。ジュエリーの歴史とも関係しますが、今は飽和された中で他と違うというアイテムをどう作るか。その1つのアプローチとして、これまでジュエリーでは用いられなかった素材を使っています。

―職人の方との関わりを通し、制作の面でどのような影響があるのでしょうか

古い伝統的な技術を新しいジュエリーに落としこむ上で職人の方と直に関わることはとても大切です。伝統的技術を持った人というのは今日では大変貴重な存在になっていますしね。例えばこのリングはエンゲージリングや蛇のモチーフなど様々なバックグラウンドを持ったリングを組み合わせてできたもので、やはり職人の方の技術がなければ完成しませんでした。またシリーズの名前は閉鎖した工場からきていて、その工場で使っていた型を買い取ってデザインしたものも展開しています。


―IOSSELLIANI T-02-IOS(IOSSELLIANI表参道)店は世界2店舗目となる旗艦店です。1店舗目のローマ店とどういった違いがありますか?またなぜ日本を選んだのでしょうか?

ローマにある直営店は古いクラブバーを中も改装せずそのまま使用した作りになっています。変わったものが好きなのであえて従来のSHOPという様式には配慮していなくて、店舗は夜のお店が立ち並ぶ一角に設け、それに合わせ深夜まで営業しています。かなりSHOPのイメージからはかけ離れていると思います。
表参道店は古い絨毯で装飾し、一方でモダンな什器を構えたミックスなスタイルです。日本の方というのはすごく組み合わせ方が上手だと思っており、その理由でこうしたディスプレイにしました。店にある什器は稲妻の形をしており、東京に稲妻が落ちたような衝撃をという思いからデザインされています。

―店舗を使ってのアートの作品の紹介もされていますね。

若いアーティストに場を提供したいという想いから行なっています。イベントとしておもしろいことができればいいと思います。

―愚問でしょうがあえて聞きます。あなたにとってジュエリーとは何でしょうか?

LIFEです。長くやっていますので人生そのものですね。

Interview & Text:Fumiya Yoshinouchi, Masaki Takida

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IOSSELLIANI

IOSSELLIANI(イオッセリアーニ)はPaolo Giacomelli (パオロ・ジャコメッリ)とRoberta Paolucci (ロベルタ・パオルッチ)との出会いにより、1997 年ローマにて活動を開始。二人は新素材の研究に情熱を傾け、ステンレス製メッシュとシルバーの融合など、特殊な技術を用いることで、初のコレクションを成功に収める。その後、イタリアの伝統的なジュエリーに大きく影響を受けた2 人は、ヴィヴィットな素材を使用し、偉大なる伝統という遺産を現代の姿に表現したコンテンポラリージュエリーのコレクションを発表。コスチュームジュエリーブランドとしての不動の地位を獲得する。Missoni, Fiorucci, Alessandro Dell’Acqua, Antonio Marras やKenzo など有名デザイナー達とのコラボレーションジュエリーを手がけた経験を持ち、昨今はアレクサ・チャンなどセレブリティーの顧客も多く抱える。

HP:http://www.hpfrance.com/Brand/IOSSELIANI.html
IOSSELLIANI T-02-IOS (表参道店)
150-0001 東京都渋谷区神宮前5-1-15 2F
TEL:03-3797-1508 / OPEN:11:00-20:00(不定休、年末年始を除く)

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