Interview

SHIROMA 2012-13 A/W “PROGRESSIVE” 2/2

純粋に服を見てもらってイメージが伝わればそれでいい。ショーだからって意識してものを作ったり、変えたりしていないので「俺らの服を見てそれで感じてくれよ」そう思っています

→SHIROMA 2012-13 A/W “PROGRESSIVE” 1/2

―今回でJFWによる支援は2回目、次回は支援があるかどうかわかりませんが支援がなくてもショーをやることは考えていますか

それは正直悩みます。
もともと自分達は特別ショーをやりたかったわけではない。知り合いのブランドさんから「ショーを一度やったらまたやりたいと思うよ」と言われていたのですがやった結果、別にそういう気持ちにはならなかったんです。ショーをやり終えたすぐ後は満足しているんですけど今回もこれでもういいかなっていう気持ちもあるんです。僕達みたいなブランドは別にショー形式で発表する必要性はないのかなって。純粋に服を見てもらってイメージが伝わればそれでいい。ショーをやった結果イメージは凄く伝わったんですけど。僕らはショーだからって意識してものを作ったり、変えたりはしていないので「俺らの服を見てそれで感じてくれよ」そう思っています。
ファッションショーっていいなとは思うんですけど色んなことを考えたらそこまでショーにお金を割くことは必要はないのかなって。

―それではこれがSHIROMAにとって最後のファッションショーになるということもあり得るのでしょうか

これがブランドとして最後のショーになるということはないと思いますが次回やるかどうかについてはわかりません。ショーをあえてやる理由と言うのは”維持“という感覚に近い。続けることには意味がありますし折角見てくれる人が増えたので純粋にそれを続けた方がいいのかなと言う気持ちはあります。それにショーをやることでやはり今まで弱かった露出の部分も増えましたので。
初めてショーをやった時は僕等がショーをやるなんて誰も思っていなかったので取引先さんにも驚きがあったし、プレス関係の人にとっても知らないブランドとして出て来てへーみたいな感覚、ちょっとした驚きがあった。でも今回で2回目のショーで既にやることに対して友達すら驚かなくなってしまった。ショーをやるのが当り前じゃなくて色んなアプローチできる立ち位置になりたいですね。

それより最近将来ブランドとして自分達がどこまで大きくなっていくのか、どこを目指しているのか考えています。日本でショーを続けるより海外のコレクションもしくは最近店をやりたいなっていう欲が出てきています。ショーにお金をかけるのであればパリコレクションに参加してそこでショーをやってみたいです。「急にあんなところにいっちゃったみたいな感覚で。ただ海外で本格的にやるというのであればそれこそサイズとか色々考えなければいけない部分は出てくると思います。
お店はSHIROMAのオンリーショップではなくWHOLE COSMIC WOOPとしてSHIROMAだけでなくTATARImokkeやOOPARTS SAVILERをミックスしたものになると思います。やるのであればやはり原宿かなとは思います。ビジネス的なステップまで考えるとショーをするよりも店をやることによって自分達で作るところから発信するところまで出来る、その方が良いと思うんです。
大きくなるためにはやっぱり第3者、色んな人が関わることによってうまく世界観を伝えるというのも大事かもしれませんが、僕等は外の人と関わることによって世界観がぶれてしまうんじゃないか、僕らのもの作りは誰と関わってもぶれることはないんですけど見え方としてぶれる部分があるんじゃないかって思ってしまうんです。自分達はインターンもいませんし、2人だけでやっているので大変ですけどね。

―色んな意味でSHIROMAは他との関わりが少ないブランドですからね

そうなんです。
ファッション業界の方のセンスと僕らのセンスって何か合わないというか。服以外の音楽にしても僕らと好きな音楽が合う人達って少ないのかなって。他の方たちとの関わりを拒絶していることはないんですけど。
今シーズンも全アイテム、デザイナーの城間が一からパターンを弾いています。僕らはそこにもかなり拘りがある。だからこそ余計に外との関係が遮断されてしまうんです。
ただ既にSHIROMAのメンズのルックブックの撮影を終えたのですがそこでは新しい人と関わることで凄く新鮮だったので色んな人と関わることで面白いことが出来るのは確かにって思いましたね。

―ここ最近ファッションショーに一般のお客さんを入れるブランドも増えていますがその点についてどう感じていますか

あくまで僕個人の考えですが一般のお客さんはいれたくありません。ファッションショーというのは凄く特別な存在。それが特別な存在でなくなったらショーをやる意味なんてないんじゃないかって僕は思います。
今は並べば先着順とかで入れたりしているブランドも多いと思いますがそういうのは良くないと思います。勿論ショーを見て勉強したいという熱い想いがある人は入れてもいいかなと思います。ただ本当はなしですね。関係者だけに見せたいというか、敷居は高く持たないといけない。わざわざ自分からショーの敷居を低くする必要はないと思っています。

―では本来どのような人にファッションショーを見せるべきだと考えていますか

僕が本当に一番見て欲しいのはずっと取引があるお店のバイヤーさんです。彼等は僕達がショーをする前から純粋にものとして評価してくれている。その人達に対して僕らのブランドはこうだよっていうのを一番見て欲しいんです。それにショーをやるというのはプレスの方達にも見てもらうという目的もある。だからバイヤーとプレス関係者の方たちです。
あとはただのファッションセレブじゃなくて、ものの良さをちゃんとわかってくれる人達にも見てもらえたらと思っています。
それに受注会に毎回足を運んでくれる顧客さん達にも本当は見てもらいたいです。

学生にショーを見てもらうのは勿論凄く良いことなのですが、そういう人達には忍びこんで欲しい。警備を厳重にするので(笑)。誰でも入れるショーなんて価値がない。忍びこんで見て感動して欲しい。来たい人は僕達の目を盗んで入ってください。

Interview & Text:Masaki Takida

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