Interview

Nathalie Lete

パリ出身フランス人女性のアーティストNathalie Lete(ナタリーレテ)氏。
絵本やセラミック、テキスタイル、リトグラフなど様々な作品を手掛け、日本でもコレクションを展開している。子供のころの思い出や毎日の暮らしの中からインスピレーションを得た、彼女のカラフルな作品はユーモラスでハッピー、そしてどことなくシニカルな雰囲気でワールドワイドに活躍するアーティスト。
ASTIER de VILLATTE も毎年一緒に作品を発表するなど自国だけではなく、各国のブランドとコラボレーションも行っている。
今回Usagi pour toiにてイベント開催を記念し来日。インタビューを通して彼女の創作の根源に迫る。

—日本へは来られたのはいつ以来ですか?またどういったことが目的で来日されたのですか?

2年半ぶりになります。今回はエキシビションのために来日しているのですが、Usagi pour toiで展示したサプライズボールを使った作品が新しいものになります。サプライズボールはアメリカ人の友達から教えてもらいました。サプライズボールというのはボールの中に小さなおもちゃが入っているもので、そのサプライズボールが持つすごく幸せそうな雰囲気を是非モチーフとして使い作品としたいと考えて制作する運びとなりました。

—日常の身近な所からインスピレーションを得て作品を作られていると聞きましたが。

おっしゃる通りインスピレーション源は身近なもの、とりわけ私の好きな花であったりします。今回もアメリカの友達の日常の中にあるものであるサプライズボールを用いて制作しました。サプライズボールだけ見ると何か良く分かりませんが、開ける事で何が出てくるのかという楽しみがあると思いますし、この体験は日本の皆さんも共感して頂けるのではないかと思っています。子供の頃に戻ったようなワクワクとした感覚を呼び戻せるのではないかなと。

—今回の展示の総合的なディスプレイもNathalieさんが手掛けてらっしゃるのでしょうか?

いえ。こちらは日本のスタッフの方が。(笑)
クリスマスツリーのようですよね。

—アーティストとして活動される前はどういった学校で勉強されていたのですか?

エコール・デ・ボザールで(パリ国立高等美術学校)勉強をしました。主に造形美術を学びました。



—では小さな頃から何か物を作る事をしていたのでしょうか?

子供の頃から絵を描く事が大好きで、すっとデッサンを描いていました。今もその頃と変わる事はなくて、全く同じように絵を描き、デッサンを描きという具合です。
心がけている事としてやはり楽しみながら制作するということが重要で、私の作る物は遊びの中から生み出されるものばかりです。

—作風を含めた趣向というものも小さな頃からあまり変わっていませんか?

大して変わりないかもしれませんね。(笑)

—NathalieさんはディズニーやASTIERともコラボレーションされていますが。

はい。他にもISSEY MIYAKE ともコラボレーションしていますし、子供服を作っているブランド、ムチャチャ(muchacha)とも一緒に作っています。

—様々なブランドとコラボレーションしていますが、個人の作品と作り方に違いはありますか?

コラボレーションということで新たにデッザンをするという訳ではなく、予め造っていたもので合うものがあればコラボするという形で仕事をしています。以前に肉をテーマに扱った作品を自分の作品として作っていたのですが、それに興味を持ってもらい、お話を頂いてコラボしたり。コラボレーションではなくバイオーダーのものも作ったりしますが。

—ではご自身の作品、バイオーダーも含め、ものを作る上で心がけていることはありますか?

自由である事!(笑)
自由であれば楽しむことができますしね。あと好きなスタイルは1つのデッサンをいろんな技術で試してみるということです。デッザンの柄をテキスタイルにしてみたり、陶器にしてみたりと様々発展させていくことに興味があります。

—デッサンが核にあり、それを載せるために生地や陶器などのメディアがあると。

そうですね。そういう考えがあるのだと思います。

—日本の文化やファッションについての感想を聞かせてください。

もちろん日本は大好きで、そのため何度も来ている訳なのですが、日本の特徴として感じる事はモダンとクラシックがうまくミックスされている所だと思います。私もパッチワークで色々なものを混ぜて作品を作りあげていくのですが、そことの親和性も日本に感じる事ができて大変好きな国の1つです。

—最後に今後挑戦してみたいことを教えてください。

例えばホテルやレストランなどの内装からインテリア、食器に至るまで全てをディレクションしてみたいですね。このインタビューを読まれた方から良いお話が頂ける事を楽しみにしています。(笑)

Interview & Text:Fumiya Yoshinouchi Portrait©MARTINE HOUGTON

Comments are closed.