Interview

La cerise sur le gateau


2007年にフランスで設立されたブランドLa Cerise sur le gâteau(=ケーキの上のさくらんぼ)。ブランドを手がけるのはAnne Hubert(アンヌ・ユベール)。
フランスのホームリネンの普遍的な要素を再解釈し、おばあちゃんの時代のティータオルやトワルドジュイなど、ユーモアと外しを効かせてプリントされている。
蛍光色やドットはブランドのベーシックでありアイコンとなっている。ブランドの世界観と共通するキッズインテリアコレクションも平行して展開されている。
La Cerise sur le gâteauは2月に開催された合同展示会rooms28に参加。今後の日本での本格展開に向け、既に様々なショップや媒体から注目を集めている。
 
―ブランドについて少し教えてください

クッションとティータオルを中心としたテキスタイルブランドです。アクセサリーやインテリア小物もありますしキッズアイテムもあります。生産は全てポルトガルで行われています。
アイテムにはオルガやアリスなど、人の名前がつけられていて、動物にも名前がついています。名前がついていることで家族のように扱ってもらいたいと思っています。また、それぞれにストーリーもあります。
年齢や性別を問わず全ての世代、ファミリーの為のブランドです。
 
―なぜこのようなブランドを始めようと思ったのですか?
 
好きなテキスタイルを見つけることが出来なかったので自分だけのパーソナルなコレクションを作り始めたところからスタートしています。それを見て友人が好きになってくれて、そこから少しずつ広まり、(パリのデパートの)ボンマルシェからの注文もあり正式にブランドをスタートすることになりました。
一番最初に作ったのは今でもメインであるクッションとティータオルです。
 

―デザインのインスピレーションはどんなところから得るのでしょうか?

インスピレーションもパーソナルなところからです。テキスタイルの多くは私自身の友人や家族の写真がもとになっています。それに出身地である小さな村や、子供の頃の記憶から描かれていたりします。私も含め、私の周りの人は全てデザインに落とし込まれています。
 
―もとになる写真は自分で撮られているのですか?
 
自分で撮った写真が中心ですが本の写真をコラージュしたりすることもあります。
まず最初に自分の頭の中でストーリーを考え、そのストーリーに基づきデザインに落とし込みます。写真はストーリーを考えてから撮影しています。
全てのアイテムに異なったストーリーがあり、ストーリーなしでデザインを考えることは出来ません。
 
―“La cerise sur le gateau”はAnneさんのとてもパーソナルな部分から生まれているコレクションということですね。
 
その通りです。元々売ることを考えてデザインしていませんでしたので、自分が好きだったら他の人も欲しいだろうなと思ってデザインしていたんです。売ることを考えるのであれば人々が欲しいと思うものを考えてデザインするのが一般的ですが、私にはそれが出来ませんでした。ですので自分が欲しいものをデザインしようと思ったんです。それが結果的にブランドのアイデンティティに繋がっているのだと思います。
 
―ブランド名にはどんな意味が込められているのですか?
 
ブランド名のLa Cerise sur le gâteauとは直訳するとケーキの上のチェリーという意味です。チェリーがなくてもケーキとして成り立ちますが、チェリーがケーキの上にのることでさらによくなる、本物に見えることから、La Cerise sur le gâteauはあるだけでよりよくなる、最後の一押し的な表現で使われます。私のコレクションも人々にとってそのようなものでありたいと思っています。それに“La Cerise sur le gateau”はフランス人にとってとても覚えやすい名前ですし、その名前をブランド名にしているとブランド名を聞いた時に笑ってくれるんです。その名前おかしいねって。
 
―1シーズンにどのくらいの柄をデザインしているんですか?
 
100~1000とシーズンによって全く違います。
 
―日本の展示会に出展するのは初めてですか?どのような反応を得ていますか?
 
日本で展示会するのは初めてです。今のところ色んな方々からとても良いレスポンスを得ていると思います。ヨーロッパですと女性のお客様の反応が多いのですが、日本では意外と男性の方々からの反応が多かったです。私のコレクションを日本の方々も好きになってくれるといいと思っています。
 

―日本での今後の展開はどのように考えていますか?
 
少しずつ認知をしてもらいファンを増やしていきたいと思っています。日本での展開はこれまでもありましたが本格的に展開するのはここからですので徐々に広げていきたいと思っています。でも私は日本語も喋れませんし、ヘルプをしてくれる通訳が必要ですね(笑)。日本限定のアイテムも何か作ることが出来ればいいなと思っています。
HP:http://www.lacerisesurlegateau.fr/en
 

Interview & Text:Masaki Takida PHOTOS:Coco Amardeil

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