ロンドン発のファッションブランドPeter Jensenがこの春、BEAMSの春夏のテーマでもある『マリン』をイメージしたカプセルコレクションをデザイン。BEAMS全店にて4月7日より販売がスタートした。
カプセルコレクションローンチを記念してBEAMS TIME店では4/7から4/20まで、ウィンドウ、店内のディスプレイ(peter jensenのグラフィックや、スケッチ、別注生地を展示してアート展をイメージ)、
この期間中には店内に設置される特設フォトブースにて撮影も可能。
12日にはBEAMS TIME渋谷にてPeterJensen for Raybeamsコレクションローンチのイベントも開催される。(14h~17hはデザイナー本人が来店)
別注アイテムを購入した方にはPeter Jensenの直筆サイン入りのポストカードと特別エコバックがプレゼント(約100名限定)される。また撮影ブースにてデザイナーとも撮影できる。
また4月13日には高島屋との別注Tシャツ発売を記念して、横浜高島屋 style & editにてお客様向けのサイン会も開催される。(13:00~15:00)
同イベントの為に来日したPeter Jensenに今回のBEAMSとのコラボレーションの話を中心に様々な話を聞いた。
――今回のコラボレーションの服が店頭にてディスプレイされた服を見てどう思いましたか?
ドアが開いたりしまったりしている部分まで計算されていて、ディスプレイとマッチしているような印象を受けました。店内のディスプレイは凄くクレバーな感じがしました。海沿いを感じる演出も良かったです。
――RAY BEAMSとの2度目のコラボレーションラインについて教えてください。
形は自分たちが好きなアーカイブを元に作ったものが多いです。カジュアルでイージーなスタイルを作れるようにコレクションを構成しています。春夏に以前いかりのデザインをしたものがあったのですが実際には本コレクションでは使わなかったのですが、そのデザインが時を経てBEAMSの今季のテーマであるマリンとぴったり合いました。コレクションを見ればすぐに夏だとわかりますし、気分が高揚するようなものとになっています。誰もが知っているマリンというテーマでコレクションを構成することで幅広い人に受け入れられるコレクションになっていると思います。色がミックスされてポップな感じも出せていますし、Peter Jensenの特徴としてある手書き風のナイーブなドローイングも展開されています。またスウェット生地を使うことでスポーティサーさやモダンさも加わっていると思います。
――本ラインのコレクションとコラボレーションのコレクションとでデザインに対するアプローチの仕方は違いますか?
違いは勿論あります。大きな違いはコラボレーションのコレクションはBEAMSさんと話をしながら作ることです。2つの世界を1つにして、より強いコレクションを造り上げる。コラボレーションになると展開店舗も増えますし、よりわかりやすいアイテムということを考えています。コラボレーションのアイテムが出来上がった時に、「あ、これコレクションにもあったら良かったのにな」と毎回思っています。仕上がりをみて今回はよりたくさんの方に受け入れてもらえると感じています。
――よりたくさんの人に訴えかけるようなデザインを意識してデザインしているのでしょうか?
プライスもコラボレーションはメインのものより低いのでお求めやすくなっています。本コレクションは都内の感度の高いお店では扱ってもらえますが地方ではなかなか難しいです。それがコラボレーションであれば全国展開できます。今までブランドのことを知らなかった人がコラボレーションをきっかけにブランドのことを知ってくれれば良いと思っています。コラボレーションはアーカイブのスタイルから使用していることが多いので以前はメインコレクションで使用されていて高くて手の届かなかったものが、同じ形でもより手の届きやすいプライスになっています。
――今後もこういったコラボレーションは継続していきたいですか?
勿論!もっと大きくしていきたいですね。
――そうしたら毎シーズン日本にも来れますしね。
そうですね。日本は大好きです。どこを歩いても安全、何も怖がらなくていいし安心します。みんな礼儀正しいし、一人一人が気を使ってくれます。食べ物もおいしいし、ショッピングもお店が多すぎてどこで何を買っていいか迷うほどです。それに温泉も好きです。
東京はソウルや上海に比べてピースフルな感じがします。緑も多いですし心地が良いです。
日本人の男性の着こなしは本当におしゃれで、気を使っていて毎回驚いています。ただ、日本の男性が着こなしは、日本の男性が着ているからこそおしゃれになるもので、自分たちが真似しても絶対に似合わないだろうなという話は良くしています。
消費者のチョイスもたくさんあるし、サブカルチャーのスタイルも多いですし。ロンドンの人はおしゃれにはそんなに気を使っていません。自分の着る物なんてなんでもいいみたい人達も多いです。日本ではみんながパーフェクトで綺麗に着こなしています。
勿論男性だけでなく女性に関してもそうです。着こなしもそうですが日本の方々は洋服のお手入れもしっかりとしています。購入後何年か経っているものでもまるで新品かのように扱ってくれています。
――日本でPeter Jensenが受け入れられている理由は何だと思いますか?
(Peter Jensenの母国である)スカンジナビアとロンドンのミックス、ナイーブな部分とそうでない部分のミックスだと思います。今回のコレクションは70年代とか、80年代とかそういったわかりやすいものではなく、ミクスチャー、ツイストされている。手描きのプリントもPeter Jensenの雰囲気を醸し出している。クラシックなアイテムをベースにPeterらしい変化を与えているのが受け入れられている理由なのかなと思います。
Peter Jensenはロンドンをベースに活動していますがもし、コペンハーゲンをベースにしてブランドをやっていたら今のものは出来ていないと思います。ロンドンに住んで17年になりますが、そこに住んでいることでスカンジナビアのルーツと住んでる場所がミックスされてコレクションが構成されていると感じています。同じようにデザインしたとしてもコペンハーゲンでやっていたら今のようなスタイルは確立されていないと思います。
スカンジナビアのデザインで連想するのはポップで少し子供っぽい部分があって、実用的というキーワードが浮かぶのですがそういった部分はPeter Jensenというブランドにも繋がっているのかなと思います。スカンジナビアはファッションの歴史より家具や雑貨の歴史の方がより深いのでそういったものからインスピレーションを受けたりもします。
――2001年にブランドがスタートし今年で14年目になります?始めた当初と比べて何か変わった点はありますか?
二人で始めた当初はPCすらありませんでしたし、ストレスのレベルも違いました。スタッフもいなかったので2人で全部やらなければいけませんでした。コレクションを作り続けていくことで自分たちがやらなければいけないこともわかっていきましたし、スタッフも増えていきましたので作業効率も良くなりました。初期の頃のコレクションは自分達で作っていたものも多かったのでハンドクラフト要素が多かったです。その時のトレンドにもあっていたのかなと。ラベルも手で縫い付けていた時もありましたし。
ブランドをスタートしてからこの13年の間で9,11もありましたし、景気が凄く悪くなったのも2回ありました、そういう中でよく自分たちのブランドは生き延びてこれたなと思います。
ブランドのアイデンティティを確立するのには少し時間がかかりましたし、そこに到達するまでは多少ブランドとして変わった部分もありましたが今はブランドとしてのアイデンティティが確立されましたのでそこがぶれることはありません。
――ブランドをスタートしてから現在に至るまでロンドンのファッションシーンは大きく変動しました。
たくさんのブランドが始まり、そして終了しました。ロンドンメンズコレクションもスタートしましたし、トムフォードやバーバリー、それにクリストファーケインもいますし今またロンドンのファッションに注目が集まっているのかなと思います。よりインターナショナルなお客さんが増えたと思います。
――最後に日本のファンの方達にメッセージをお願いします。
皆さんのことが大好きです。これからもPeter Jensenをよろしくお願いします。9月に発表される次回のコレクションは日本人のある方をミューズにすることが決まっています。楽しみにしてください。