Interview

Stephen Powers


 
ニューヨーク発ファッションブランド「マーク ジェイコブス」が手掛けるブックストアBOOKMARC(ブックマーク)にて、グラフィティーアーティストのスティーブン・パワーズの作品集『A LOVE LETTER TO THE CITY』のサイン会が開催された。
スティーブン・パワーズはフィラデルフィアのオーバーブルックで6 人家族の中で生まれ育った。スティーブンがグラフィティーと出会い、本格的に描き始めたのは1984 年のことで、「これが人生のスタートになった」、と彼自身も語っている。その後、彼の作品はニューヨークのギャラリー「ダイチ・プロジェクツ」でも多数展示され、ヴェニスやモダンアートの祭典リバプール・ビエンナーレでも展示されるようになった。2007 年にフルブライトの奨学生となり、その奨学金を使って、ダブリンとベルファストにストリートアートを描いた。ベルファストのローワー・シャンキル地区での作品は、その地区のポリティカルな壁画にインスパイア―された作品となっている。 アイルランドで始めたこの壁画プロジェクトは、「A Love Letter for You」と命名され、人間関係が持つ複雑さや喜びがテーマとなって、現在も進行中である。フィラデルフィアでは、スティーブン(通称「ESPO」)と彼のクルー(通称「ICY」)が西フィラデルフィアのマーケットストリートに沿って走る高架線電車脇の壁に50 以上の作品をペイントした。このプロジェクトは、シラキューズ、ブルックリン、サンパウロ、ヨハネスブルグと様々な都市を渡って、この度東京に上陸した。
作品集『A LOVE LETTER TO THE CITY』はパワーズのパワフルなパブリックアートを集めた初めての本で、ニューヨークのブルックリン・シラキューズ、フィラデルフィア、アイルランドのダブリン・ベルファスト、ブラジルのサンパウロ、そして南アフリカのヨハネスブルグでの作品も収録されている。
 
 

―今回のイベントを終えて率直な感想を教えてください。
 
原宿の皆様方の歓迎をとても嬉しく思っています。
 
―以前来日された時と比べ何か変わったと感じることはありますか?
 
前回は2009年に来日していますが、その頃と変わったと感じる部分もありますし、変わっていないと感じる部分もあります。東京に来て一番感激するのは出会う人たちみんなとても温かいこと。自分が自分らしくいれる場所であると感じています。

―今回は原宿の街にグラフィティをしたのですがやってみて感じたこと、大変だったことなどありましたら教えていただけますか?
 
警察や近隣の方の意見を聞いてやらなければいけないというのははやはり大変でした。ただ、それと同時にとても興味深い体験でもありました。私がなぜ壁をペイントしているのかという説明をしたらみなさんがとても協力的で、支援してくださる姿勢を示してくださりました。一番大きい壁をペイントしている時、子供が近寄ってきて「彼は何をしているの?」と母親に聞いたら「日本にとって凄く素敵なことをしてくれているんだよ」と説明していて、その言葉には凄く感銘を受けました。
素晴らしい人にたくさん出会えましたし、天気も良かったですし、日本人は常に前向きな姿勢で、洋服の着こなしも素晴らしい、滞在しているだけでとても幸せな気持ちになれました。

 
―これまであなたのグラフィティは文字が多かったのですが今回はあまり文字を使っていません。その理由は何かありますか?
 
まず親近感を持ってもらえるものを描きたいというのが一つです。勿論文字を書くというのも自分の中で凄く得意なのですが、日本はには素晴らしいアイコンやサインがたくさんある国ですのでそこにチャレンジしたいという気持ちがありました。
 
―その中で唯一“NOW IS FOREVER”という文字がつづられていましたがその思いを教えてください。
 
一番大きな壁に“NOW IS FOREVER”と綴ったのですが日本は災害などがあり特に厳しい時期であると思います、そういう時だからこそ世界中がお互いに助け合っていく、そういった想いが永遠に繋がっていくというメッセージを強く残したかったです。
 
―今回の来日で一番印象的だったことはなんですか?

どんな内容であれ仕事に誇りを持ち、楽しく前向きに取り組んでいるということに凄く感銘を受け感動した部分です。みんな凄く自分の仕事を素晴らしくできているなと感じます。とても感化されましたし、8日間全然眠れなかったです。

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