Interview

“MAN TOKYO” パリ発の合同展示会 1/2

パリ発の合同展示会”MAN”は、同じくパリの合同展示会として有名な「Capsule」、「Rendez Vous」の立上げとプロデュースに携わったAntoine Floch(アントワーヌ・フロッシュ)と2人のパートナー Romain Bernardie-James(ロマン・ベルナーディ=ジェームス)と Olivier Migda(オリビエ・ミグダ)の3名によって2012年よりスタートした。参加出展ブランドのクオリティの高さと、そのオリジナリティにこだわり、毎回、世界中のファッションブランドの中より数十ブランドのみを厳選して紹介している。現在では“MAN”メンズ展示会、”WOMAN”(レディス展示会)をパリとニューヨークにて年4回開催。2014年(2015春夏シーズンより)7月にニューヨークに続き、2か国目となる”MAN TOKYO”が東京、明治記念館で初開催された。今後、ヨーロッパ、アメリカとアジアを中継するインフラとして機能すべく、厳選された世界中のブランドとアジアのトップバイヤーが集う合同展示会”MAN TOKYO”が年2回開催されていく。

―MAN TOKYOにおいての3人(アントワン・フロッシュ、ティエリー・ラモワン、オリビエ・ミグダ)の役割を教えていただけますか?

アントワンはキュレーターとしての役割を担っています。ブランドについては彼が全てセレクトしており、他のブランドとのコミュニケーションは全て彼が行っています。
オリビエはMANでのビジネスマンとしての役割を担っており、クリエイティブな部分とマーケティングの部分も担っています。
私(ティエリー)は日本でのMANの開催を成功に導くための役割を担っています。フランス人でフランスに住んでいますがフランスで出会った素晴らしいものを日本に紹介したいという想いがありますのでそういったブランド達を日本に持ってくる役割をしています。
私たちはMANの日本進出について凄く誇りに思っているので今回こうやって来日することが出来て嬉しいです。

―MANという展示会を始めた理由を教えていただけますか?

友人として様々なブランドとの出会いがあったのでそこが最初のきっかけです。アメリカやフランス、多数の展示会がありますがその在り方に少し疑問があった。ただたくさんのブランドが出展している展示会は多くありましたが小さくてクオリティの高いブランドが集まった展示会はこれまでにはありませんでした。そういうところからスタートしています。小さいながらも身近な感覚の展示会を作る。ベストなブランドを一番良いバイヤーさんたちに紹介したいと思ったのです。

―そのベストなブランドはどのように探したのですか?

成長が見込まれるブランドや、まだ成長しきっていないブランドを常に探しています。どうやって探しているかということなのですが、たくさんのブランドのコレクションを見ます。どのようにそのブランドが発展していきたいかというのがMANに参加するうえで重要な要素です。人間性としての関わり合いも凄く重要です。いつもブランドの背景には人間性が見えるのでそれもMANとしての大事な部分です。一度仕事をするブランドに関してはこれからも長くお付き合いをしていきたい、大事にしたいと思っていますので。

―アジア自体の開催が初めてなのですがなぜ東京という場所でMANをやろうと思ったのでしょうか?

MAN NYとMAN PARISでの成功がTOKYOでの開催を促すきっかけとなりました。ブランドやバイヤーがTOKYOでの開催を望んでいるということをパリとNYで凄く感じたんです。
それにパリとNYでMANを開催してきて、3つ目の都市で開催するとなったときにファッションでは東京という場所でやるというのを必然として感じていました。アジアの他の国々も東京で何が起こっているのか、どんなものが東京で流行っているのか注視しています。

―東京で開催するにあたり準備期間はどのくらいあったのでしょうか?

10か月かかりました。僕たちは凄くわがままですごくゆっくりな性格なんです。
パリで一番最初にMANを始めた時は3か月、NYも3か月です。東京はカルチャーとしても違いますし、仕事の仕方も全然違うので日本でやるにあたり、しっかりやりたいと思ったので他の都市より時間はかかりました。

―東京でのブランドセレクトはどうしましたか?パリやNYとの違いはありますか?

今回参加しているブランドは既に日本でもある程度の知名度があるブランドを選んでいます。また、パリやNYにも出店しているブランドで良いバイヤーさんがついているブランドをセレクトしています。日本にいるバイヤーでパリやNYに来ていない人もいますのでそういう人たちに向けてセレクトしています。

―開催時期に関して、今回は7月の開催ですが日本のファッションウイークは10月で、日本にはメンズファッションウイークはないので7月の開催は少し難しいのかなとも感じますが。

開催時期に関してですがこれはひとつのミッションでもあります。MAN TOKYOを開催することにより、たくさんのメンズブランドがこの時期に展示会を開催する。その結果として日本にもメンズファッションウイークが作られるということもミッションとしてやっています。それに、私たちはたくさんの日本ブランドを海外進出させたいとも思っています。その為には準備を進めていくことが大切です。今までの日本のスケジュールのように9月や10月に展示会を開催していたら、日本のメンズブランドは海外進出をすることはできません。7月にMAN TOKYOを開催するというのはカレンダーとして日本のファッションウイークにあっていないというのは知っていますがそういったミッションを実現する為にあえてこの時期を選んでやっています。

―世界と同じように日本もメンズとレディースでファッションウイークの時期が分かれるべきだということですね?

そう思います。この時期に開催する二つ目の理由としてヨーロッパのブランドで今回参加しているブランドは既に受注をヨーロッパやNYで受けており、8月から生産に入らないといけません。納期などを考えるとこの時期にやらないと生産が間に合わなくなるのです。

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