Interview

COMMUNE DE PARIS 2/2

本当に良いものは目に見えない”ということわざがあるのですがまさにその通りだと思います。良い服というのは着ることによってはじめて理解できるものだと思います

―2015S/Sのコレクションは初めてプレゼンテーション形式で発表しました。

ショーとルックブックの中間がプレゼンテーションだと思いますのでそこに私たちなりのアソビを加えたのが今回のコレクションです。モデルがゆっくりと展示会場を回遊し、プレゼンテーションをしながらルックブックとしての撮影もしました。

―今後こういったプレゼンテーションは継続してやっていくのですか?

各コレクション毎に発表するルックブックやカタログはそれぞれにストーリーがあり、自然と繋がっていますので今回のプレゼンテーションも一つのストーリーとして完結しています。それに続く形として次回もプレゼンテーション形式で発表する可能性もありますがそれはまだわかりません。ただそういった自分たちなりの発表の仕方を今後も継続していきたいと思っています。

―典型的なファッションショーはやらないのでしょうか?

そういうオファーもありますが今のところは考えていません。
ショーというのは短時間の中に全てのことを詰め込まなければいけないですし、遠くから見ても一目でわかるようなものを作らなければいけません。それは今自分たちがしなければいけないことではないと考えています。手に取り、実際にプレタポルテとして着用できるものを創っていくことが大事だと考えています。

―COMUNE DE PARISは空間作り、世界観作りも得意ですので、ファッションショーでも面白いものが見れそうかなと思ったのですが。

ショーをやっても自分達らしいものを発表するということも課題の一つだと思っています。ショーという短い時間の中で表現することも面白いと思っていますので今後の課題として考えていきたいです。

―COMUNE DE PARISはコレクションによってグラフィックもルックブックの装丁も全く違うのですが、それでも統一感がある。シーズンのビジュアルに凄く気を使っているブランドだと思います。

それはブランドとして当然のことで、コレクションごとにストーリーが違うのでそれを表現した結果がそうなったというだけですね。常に遊び心は忘れない、必ずしもロゴが表紙に一つだけとは限りませんし、その時々に2つになったり、3つになったりもします。シーズン毎に思いついたことを素直に表現しています。ですが、形は違えど込めている想いや表現していることは常に一緒です。

―COMUNE DE PARISのルックブックはコレクションしたくなります。

まさにその通りです。受け取った人たちが手元に置いておきたくなるように作っています。

―あなた方のようにクリエイティブな能力を養うにはどのようにしたらいいですか?

クリエイティブになるのにはまず1人ではなく2人にならなければいけません。2人でやることですでに私たち自身がコラボレーションしています。自分たちの持ってる違うもの同士が組み合わさって新しいものが生まれます。だからこそブランド名も人名ではなく、COMUNE DE PARISという名前になっています。1人よりも2人の方がよりクリエイティブなものが生まれると思います。

―2人にとっての良い服、良いブランドとはどのようなものでしょうか?

僕たちにとって、良い服というのは品質が重要です。良い素材を使うことによって良いデザイン、良いカットができる、その結果として美しいものが完成すると思っています。表面的な部分、目に見える部分だけでなく、服を購入して着用した時に気付く、凝ったボタンの付け方だったり、特徴のあるステッチだったり、目に見えない部分にも喜びを感じさせてくれる服が良い服だと思っています。
フランス語で“本当に良いものは目に見えない”ということわざがあるのですがまさにその通りだと思います。良い服というのは着ることによってはじめて理解できるものだと思います。
だからこそ皆さんにはCOMMUNE DE PARISを買って、着ることによって“良い服”とは何かを感じてもらいたいです。

―今後5年間はどのようなことをやっていきたいですか?

やりたいことはたくさんあります。すでにコラボレーションしたアーティストたちとまた何かやりたいとも思っていますし、現実的な話ですが、取引先を増やしてブランドの認知度をこれまで以上に高めていきたいです。しばらくはメンズのコレクションを確立しないといけないと思っているのですが、ゆくゆくはレディースのコレクションも提案したいと思っています。


COMMUNE DE PARIS
デザイナー:Alexandre Maïsetti (アレクサンドル マイセッティ) / Sébastien Lyky (セバスチャン リキィ)
COMMUNE DE PARIS(コミューン ドゥ パリ)は、革命政府パリコミューン誕生の年、1871年のパリをブランド アイデンティティとして掲げる2人の若きパリジャンにより、ファッションとグラフィックアートの世界で活動す るクリエイティブ集団として2010年に誕生した。
ファーストコレクションを発表してから瞬く間に世界中 に彼らのクリエーションは浸透し、伝統的な職人技をベースに、現代的なアートコンセプトが重なりあうクリ エイティブを見事に融合させたParisianならではのコレクションを次々と発表している。COMMUNE DE PARISのクリエーションはファッションだけにとどまらず、Astir de Villatte とのテーブルウェ アー、LIPとの時計など、COMMUNE DE PARISのアイデンティティーに同意
したクリエイター 達全てを巻き込み、その世界を広げている。
HP:https://www.communedeparis.fr/en

Interview & Text:Masaki Takida

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