Party

XYZ collective GRAND OPENING PARTY [ACHIEVE!]

2011年7月2日、世田谷弦巻のXYZ collectiveにてGRAND OPENING PARTY [ACHIEVE!]が行われた。今回のグランドオープニングパーティー[ACHIEVE!]は、2011年3月20日に開催を予定していたが、3月11日の東日本大震災の地震の影響で延期されていた。

「XYZ collective」はCOBRA(ビデオアーティスト)、松原壮志朗(アーティスト)、服部円(編集者)の3人がディレクターを務めるアーティスト・ラン・スペース。国内外の作家による展覧会やイベントなどを開催していくとともに、20-30代を中心としたアーティストやアーティスト・マネージメント・オフィス「SNOW Contemporary」、レコードショップ、Book Shop YAMATO(レーベル)などが入居するスタジオでもある。

Cast: 吉増剛造(詩人)、花代(アーティスト)、伊東篤宏(OPTRON)、雨宮庸介(美術作家)、ADAM

最初に行われた日本を代表する現代詩人、吉増剛造氏の朗読パフォーマンスではパノラマカメラや多重露光を多用した独特な映像作品が上映され、床には今は亡き彫刻家の若林奮の手による銅板が敷かれ、若林氏による手作りのハンマーで板を叩く音は詩とともに倉庫内に響き渡った。
ここでは、「予告する光」と「THE EYES」の2作品のショートムービーが放映されたが、フィルムに登場する貝殻やキーホルダーが吊り下げられている丸形の洗濯ハンガーは、我々が失ってしまっているかもしれない”空”を表しているとのこと。

蛍光灯の放電ノイズを拾って出力する「音具」を制作、OPTRONを命名した伊東篤宏氏によるインスタレーションでは、意外な物から意外な音が出ている面白さを実感できるものであった。蛍光灯が放つ光と同時に音が洟垂れ倉庫内が光と無限に広がる音に包まれた。

ベルリンを拠点に活動しているアーティスト花代氏はフィルム作品を上映。宗教的で神秘的な不気味さにどこか無邪気さの残る人々が溶け込み、不思議な雰囲気を醸し出す作品に会場内の空気も飲み込まれていた。

その他、ADAM氏による水の音のような音楽や映像インスタレーションが多く見られる美術家、雨宮庸介氏が自身初のパフォーマンスインスタレーションを行うなど、時間の経過と共に倉庫のボックスのような空間に人が溢れ、アートと人との交流が多々見られた。

今後も定期的にアートや音楽、ファッションといったジャンルを問わず、あらゆるアーティストが自ら企画・運営をしていく予定のXYZ collective。アーティストやクリエイター同士だけでなく、人と人とが繋がりを築ける新たなカルチャーの発信地となるだろう。

Photo:Tomohiro Horiuchi Text:Tomoka Shimogata

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