David KomaのAW14コレクションは、ルネサンス期の女性を描いたLucas Cranach (父)の作品からインスパイアされたものであった。このコレクションの服のつや感とシルエットの構成は、前シーズンから大きな進化を経た。ネックラインは高く、裾のラインは低く、そこにコルセットを上手く利用することでメリハリをプラスさせたシルエットとなった。
今回も、Davidのトレードマークである短めのAラインスカートとレザーをつなぎ合わせて仕立てられたドレスはしっかりと健在していたが、前回よりもさらに強い女性を表現するマスキュリンなテイストとなった。
四角めのシルエットのアウターや、タイトすぎない少しルーズなパンツは新しいエレガンスを上手に見出す作りとなっており、計算されたスカートのプリーツは歩くことでひらひらと美しく揺れた。また垂直と水平を上手く組み合わせてできた手編みの大胆なレザーのストライプのデザインが、服の中心にどっしりと施された。
しなやかなレザーや光沢のあるポニースキンと、女性らしさを引き立てるシフォンの印象的なコンビネーションで展開するマテリアルに加え、明るめのヴァイオレット、オフホワイト、コバルトブルー、ライトグレーそしてダークブラックというカラーバリエーションでもインパクトを引き出した。
彼のシグネチャーである彫刻的なシルエットは革命を遂げ、姿を現した。
Text:Ayano Santanda