目の覚めるようなピンク色の絨毯が敷かれた、ひときわ目立ったランウェイで行われたFyodor Golanのショー。今回のコレクションは、デザイナーのFyodorとGolanの両者がミャンマーとカンボジアへの旅で見つけたインスピレーションがウェアに落とし込まれた。
特に、仏教の僧衣とストリートスタイルの融合がコレクションのディテールやシルエットを構成する上で重要な要素となっている。メタリックでありながらも軽やかな生地はギャザーがふんだんに使われており、ビジューやスパンコール、フェザー等を使ったクチュール風の工夫が多く見られる。また、光沢のある深みの強い素材と共に、もう一つの顔としてランウェイに溶け込むかのようなショッキングピンクのスタイルも多く見られた。ここではファーやフェルトなどA/Wの生地が、柔らかくもストリートを汲み取った力強いスタイルとなっている。反射の強いギャザースカートやギャザー入りのタイトパンツ等は強いインパクトを与える一方、いたるところに精細で巧みなディテールを散りばめられ、観客の心を掴んでやまないコレクションとなった。
Text:Ryota Kimura