Fashion Scoutから才能ある若手デザイナーとして今回選ばれたのが、Sarah Ryan, Hiroko Nakajima, George Styler, Carrie-Annsteinの四人。
リムリック大学卒業後既にベルリンとロンドンでショーに出展しているサラライアンが見せたのは、黒一色のレザーが織りなす編み込みの作品。まるで鎧のようにも見えるそのシェイプは、その半面何処か柔らかさを見せるような有機的で素材のいかされた仕上がりになっていた。また同じ技法をオーバーサイズのゴルフバッグのような鞄にも生かしており、黒のレザーが持つ強さと深みのある印象を一貫して引き出したショーとなった。
ニットをカラフルな色調をエッジ―に見せたのがジョージスタイラー。彼の作品は花をモチーフにした柄やニッティングに加え、絞りの技法の先端に金属を付けたコート等、シルエット共に四人の中で最もエッジ―な造形となっている。
一方で、カラフルでありながらもウェアラブルでモダンアート風なのがヒロコナカジマの作品。ニットに加えて、ラインやとんがり帽が柔らかさを持った近代的なカラーで織りなされたファブリックによって、独自の世界観を演出している。
キャリーアンステインはグラフィカルなプリントイメージを、肩が水平に大きく飛び出たコートに映す事でポップに作品を展開。インパクトのあるコートでは有るが、一度脱ぐとスポーティーなシルエットも見えてくるコミカルな作風で今回のショーを華やかなものにした。
Text:Ryota Kimura