Fashion Show

Alexander Wang

17Springコレクションは馴染みの深いオールアメリカンなシルエットにレジャーやスポーツのイメージを歪ませ、全く違う用途に再構築した。アレックスの男性像はアイビーリーグ出身の育ちの良い男性の、自信満々で文化的意識が高い部分と現代の折衷的な社会のスピードを生き抜く力を両方兼ね備えている。服は新しさと同時に慣れ親しんだ感覚を与え、それほど遠くない過去と現在の流動的でペースの速い若者文化を両方取り入れている。アレキサンダーワンの男性は、個性的で少しエキセントリックで多様な文化をどんどん吸収していく。

ブルーのウルトラスエードのプレッピーなオーバーサイズのノーティカジャケットはジャカード織りのレオパード柄のニットを合わせることでアンークラシックに見せている。パンクなタータンチェックをパッチワークしたウォームジャケットやフーディ、一方で伝統的なチェック柄はシェフパンツやサッカーショーツなど不敬とも言える組み合わせで提案する。カレッジのアスレチックウェアの要素も全シーズンに引き続き使用されており、ぎっしり目が詰まったニットのラガーシャツ、ラムスキンやレオパード柄のスエードのコーチジャケット、色褪たレフリーのジャージーなどが登場。日本製のコンパクトテックニットもフィッシュテイルパーカや手作り感のあるタイダイのフーディにはループタイを装飾するなど、スポーティのトラディショナルなアイディアと最新のアイディアを融合させワンの視点で再定義した。

グラフィックやテキストも生意気な刺繍やジャガードに織り込まれるなどの手法でアップデートされた。ビキニの女性の写真など昔懐かしい観光地のポストカードをプリントしたショーツやスウェット、火がついたタバコを前面に刺繍したトラックスーツ, スラングで麻薬を指す「Mind Detergent」などの文字がサイケデリックなタイダイのスウェットに表記されていたり、秋冬コレクションで使われた「Girls Girls Girls」の文字は 「Flipgirl」にアップデートされ1980年代のネオンサインによく見られた書体でベロアのトラックスーツの襟やポプリンシャツに同色で織り込まれている。前シーズン使われていたポールダンサーのモチーフもアップデートされジャガード織りの模様としてボードショーツやショップジャケットに施されている。

アクセントとなっているのはKangol®とのコラボレーションのピーブル ハット。ブリティッシュヘリテージを感じるこのハットにアイロニックなポールダンサーのロゴをプリントした。
今シーズンは、サブカルチャーとしてのポップカルチャーのコンセプトとプレッピー、ストリート、ワークウエア、そしてヒップホップなどの異なるコンセプトを融合させ、様々な日常をユーモラスで破壊的に再提案した。


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