Interview

Waltz 秋藤 真弘 ”20歳のオーナー/バイヤーが奏でるWaltz” 3/3

外出る時は服を着なきゃ駄目ですよね。じゃー楽しいお洋服を着ようよって。その服を着ること自体がイベントみたいな。そういう洋服が一番良いんじゃないのかなって

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―セレクトに若さを感じないというか、同世代を意識しているというよりは意識している女性が自身よりもっと上の気がします。

そうですね。同世代の子がふらっとくるということはあまりない、友達は来てくれますけど秋藤頑張って欲しいからということで買うということはないですね。
でも元々意識しているのが30より上の人達です。30歳以上の女性が10人くらい顧客でついてくれれば良いと思っています。
色々と洋服を着てきた上で、うちの洋服を見る。ファッションを自分なりに模索してこれが正しいと思い、一周した女性に洋服を提案したい。そういう人達にここにあるお洋服を提案すればきっと楽しんでもらえる。30年間生きた上で「これが正しいでしょ?」というのが覆されると思うので。「こんなに楽しいお洋服あるの?」って。そこからもう一花咲いてもらえたら嬉しいですね。
もっと若い女性にも勿論来てもらいたいですけど。

まだ僕が理想とするお客さんは少ないのですが今のところは友人やKa na taの加藤さんのお知り合いの方が多いです。デザイナーさんには年上の美しい女性を連れて来てくださいって言っています。

―アイテムはワンピースが中心なんですか?

ワンピースが中心です。それにスカート、羽織ものがあるくらいです。
メンズは今はほとんどないのですがAWからはセットアップ提案をしていきたいと思っています。

―アクセサリー等はやらないのですか?

アクセサリーはRYO YAMASHITAの眼鏡とピアスとネックレス、TARO HORIUCHIに別注でベルトを頼んでいます。店がごちゃごちゃするのは好きではないので少なめで。
RYO YAMASHITAはたまたま入った眼鏡のお店で山下さんの眼鏡が置いてあって可愛いと思って、それで連絡させていただきました。話をしてみたら凄く好印象で「結局僕も若い子達に任せたいと思っているからそういう若い子が言ってくれることがなかったから初めてなので良い機会なのでやりましょう」と言ってくれました。
その人も感覚のみで動いている方なので話をしていて凄く楽しいんですよ。

―靴に関してはどう考えていますか?

今はうちの店で扱うことは考えていません。
僕にとっての理想の女性の靴はヒールじゃないんです。ヒールはお尻もあげますし、足も上げますので凄く美しくは見える。でもそれは人間がそもそも持っている美しさではない。本人が持っている美しさをコンプレックスだからヒール、スタイルがよく見えるからヒール、背が高く見えるからヒールというのは違うと思う。ヒールが好きで履いているなら良いけど、コンプレックスを隠す為のヒールは違うと思うんです。
それであればもっと体のラインを隠せるようなお洋服を着てレペットを履いた方が楽でしょって思うんです。

―今後お店はどうやって広めていこうと思っていますか?

まだ模索中です。正直載りたい雑誌がないなと思っています。勿論僕自身は雑誌は好きですしBRUTUSやPen, Hugeなどは良く読みます。ただWaltzとの結びつきを考えてみるとなかなか無いのかなって。
紹介してもらえるであれば物撮りでは紹介してもらいたくない。洋服は着てこそ美しい物だと思うのです。
今ファッションが提案していることと真逆のことをやりたいんです。だから載りたい物がない。売れるお洋服だとか、物撮りがメインのもの、それって全然違う。人が着てお洋服が映える。スタイリングをして欲しい。ちゃんと美しい方が着て、美しい写真を撮る方が撮るべきだと思うのです。

―お店を始めてみてどうでしたか?

思ったより楽しいです。
あとはもう少し理想像に近づけていきたいなと思います。ですがまだ辛いと思ったことは全然ないし、本当に毎日が楽しいです。8時間ここにいれる。友達も来てくれて話も出来ますし、新しいお客さんともお話が出来る。お酒も用意してあるので飲みながら良いお洋服を見て、良い空間で。お客さんも凄く居やすいと言ってくれて、狭い空間なんですけど大体1時間は滞在してくれるんです。そういう時間が僕にとっては凄く大切なんです。服を自分から進めるというよりはお客さんと会話を楽しむ、その上でお客さんが着てみたい物があったら「着てみたらわかると思うので良かったら着てみてください」って。着るとみんな楽しんでくれるのでそれが凄く嬉しい。
好きな洋服に囲まれて、自分が作り出した空間でお客さんがそれを良いと言ってくれて一つの商品が売れていく、それが凄く嬉しい。価値観を共有出来たなって。それで買ってくれたお洋服を着てくれてお店に来てくれた時は更に嬉しいですね。もう写真に撮っちゃいます(笑)。

―今のところ自分の思い描いた通りのお店にはなっているのでしょうか?

もう少しスペースを広げていきたいですしブランドをもう2ブランド程増やしたいとは思っていますが1年目にしては理想に近づけているのかなと思います。

―個人的にやりたい、気になるブランドはありますか?

Ma deshabilleですね。あとはki noe。最終的にはEdwina horlをやれたら。ここは2年契約ですのでその後は代々木上原周辺でお店をやりたいと思っています。
もともと移転することは決まっていますのでそこでもう少し広いスペースを探し、内装も自分の思い通りにいじって。
お店でトークセッションとかも出来たらいいなって。そうすれば良い化学反応もおこるのかなって。

―インポートブランドにも興味はありますか?

後々海外にも行きたいと思っています。ですが今のお店に海外のブランドをいれてしまうとごちゃごちゃしてしまうのでそれであれば2店舗目だと思っています。ほんとは逆が良いんですよ。今取り扱っているようなブランドさんを海外に持っていってそこで店を出す。逆にインポートのブランドを日本で店を出す。そういう作業はしたい。それが理想です。
今は日本の東京の渋谷区というところでファッションの中で生きている。まずは東京で生きて、その上で日本に生きたらあとは世界に生きるしかない。規模は大きい方が楽しいと思うので。大変だとは思いますけど。共感を持って一緒にやりたいと言ってくれる人が出来たら。その為には経験も必要だと思いますけど。僕は実家ですし、完全な自立はまだ出来ていませんがその分売り上げは全部お店に流すことが出来る。まだ全然経験もないからこそまずは全部自分で見て、そこからかなと。そういう立場でもないので。

―最後に何か言いたいことはありますか?

「みんなもっと楽しくファッションをしましょう」そう言いたいですね。ファッションを楽しむと心が豊かになりますので。まずはお金じゃないんです。その次にお金が回ってくるんです。

―では何の為にファッションを楽しむのでしょう。

生きる為ですね。楽しく生きなきゃ意味がない。おうちでは別に裸でも良いんです。でも外出る時は服を着なきゃ駄目ですよね。じゃー楽しいお洋服を着ようよって。その服を着ること自体がイベントみたいな。そういう洋服が一番良いんじゃないのかなって。その洋服がうちのものであれば尚更嬉しいです。

Waltz
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-18-20 鹿鳴館201
13:00~20:00(定休日:木曜)
取り扱いブランド
ka na ta/Hidenobu Yasui/RYO YAMASHITA/TARO HORIUCHI/YANTOR/Y.M.Walts/_______Untitled title/eje

Interview & Text:Masaki Takida

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