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【FAXINATION JAPAN】 at XYZ collective

2011.3.20 “FAXINATION JAPAN” プロジェクトが、世田谷区にある “XYZ collective” にて行われた。

このプロジェクトを立ち上げたのは、 “COBRA”(ビデオアーティスト) “松原壮志朗”(現代美術作家) “服部円”(編集者) の三人。そしてXYZ collectiveは、彼らがディレクターを務めるアーティスト・ラン・スペース。
3月20日に、そのオープニングを予定していたが、震災が起こったため延期を決定。HPにはその時の想いが載せられていた。

“XYZ collectiveでは、3月20日にグランドオープニングパーティーを行う予定でした。ですが2011年3月11日におきた東日本大震災の地震の影響により、延期することになりました。XYZ collectiveはアーティストが主導し、様々な企画を実験的イベントや展覧会を行うとともに、国内外のアーティスト同士のネットワークを確立するため、3月20日のオープンに向け準備してきました。しかし、今回の地震そして原発事故という壊滅的な被害を受ける状況で、私を含めディレクター陣は何が出来るのか、どういう行動をとるべきか、という事を数日間考えました。美術作家として活動をするべきか、それとも被災者として避難するべきか……。”

迷いの中、彼らが出した答えは、【FAXINATION JAPAN】プロジェクトを立ち上げること。

FAXINATION JAPAN「Facebookページ」
http://www.facebook.com/FAXINATIONJAPAN

このプロジェクトは、一台のファックスを用意し、そこへアーティスト達に作品を送ってもらう。そして集まった作品を壁に貼り、その作品群を後日販売するというもの。
この手法は、松原壮志朗が以前参加した、BILL SAYLORのキュレーションによる展覧会 「FAXINATION」(2008年) から着想を得ている。BILL本人と連絡をとり、FAXINATION JAPANに協力するという回答をもらっているとのこと。

販売に関して送られてきた作品を一点一点販売するのではなく、プロジェクト全体を一つの作品として販売する。販売で得たお金、その全額を義援金として日本赤十字社に寄付する予定。

プロジェクト立ち上げ当日、早速国内外のアーティストからたくさんの作品が送られてきていた。その中にはBILL SAYLORの作品も。絵やドローイング、写真など様々な作品が、ファックスからモノクロで出力され壁に貼られていく。このプロジェクトに賛同するアーティスト達の想いが作品をより強いものにしていた。
節電のためロウソクを灯し、その暖かな明かりの中での立ち上げ会。この日集まったアーティスト、来場者はみなプロジェクトのこと、現在の状況などを真剣に語り合っていた。

XYZ collectiveは、地震の影響で工事がまだ完了していなかったが、今後のスケジュールは決定している。
4月は “Cross Counter Round 1: Tokyo 2011” が開催予定
*延期が決定。日程はXYZ collectiveのHPでご確認を。
アートエキシビション、ファッションショー、展示会などを開催するためのスペースとして貸し出しもしている。
詳細はこちらを→http://xyzcollective.org/exhibitions

“XYZ collective”
東京都世田谷区弦巻2-30-20-1F MAP
xyz.cobra@gmail.com
http://xyzcollective.org/

“COBRA” (ビデオアーティスト)
1981年生まれ。多摩美術大学工芸科卒業。
アーティストグループMIHOKANNOのメンバー。
magical art roomやスイスの映像グループ展などに参加。

“松原壮志朗/SOSHIRO MATSUBARA” (アーティスト)
1980年生まれ。多摩美術大学油絵科卒業。
アーティストグループMIHOKANNOのメンバー。
2010年、東京ワンダーサイトのプログラムでスペイン・バルセロナに滞在。

“服部円/MADOKA HATTORI” (編集者)
1981年生まれ。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業、同大学院中退。
ファッション誌のエディターを経て、現在はフリーランスの編集者としてhoneyee.comなどに関わる。猫×クリエイターをテーマにしたウエブマガジン「ilove.cat」主宰。

Photo & Text:Atsushi Fujii

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