2011年9月23日より、hpgrp GALLERY東京にて進藤環個展「蒔いた種を探す」が行われている。
『記憶を繋いでいくように、風景を繋ぐ。見慣れたはずのものを未知に感じ、初めて見るものをすでに知っているように思うこと。視覚と記憶が交わる場所を見つけた時、地続きに見えていた風景は、亀裂が起こりそうな緊張感をもって、立ち上がってくる。』
何処かで見たことがある。記憶から記憶を辿り、ぼんやりと浮かび上がる懐かしき光景。しかし、木枠の中にぴったり収まるものは巡ってこない。この不自然な自然は、あらゆる土地で撮り集めた草木や花々の写真をハサミで切り取り、加筆やカラーコピーを繰り返す手法から生み出されている。
ファンタジーではなく、今まで見た現実の世界を探る。記憶というのは、思い返してみれば真実とはズレが生じていることも少なくない。そんなズレた記憶の再現。テーマである「蒔いた種を探す」には、自ら現地に足を運んで撮影した写真を1度コラージュとしてばらし、記憶を探すという行程が込められている。自然を取り扱う作品が多く見られ、コラージュする上で熱帯地域・寒帯地域に生える植物というように、自然の植生に着目していると進藤氏。光という共通の鍵を片手に写真と絵、その中間に存在するような不可思議な風景に飛び込めば、静かな緊張感が漂う現実と非現実の境界線へと向かう。
進藤環 個展「蒔いた種を探す」
2011年9月23日(金・祝)〜10月16日(日)
11:00〜19:30(月曜定休)
@hpgrp GALLERY 東京
進藤 環(Tamaki Shindo)
1974 東京生まれ
1998 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
2000 武蔵野美術大学大学院油絵コース修了
2006 東京綜合写真専門学校第二学科修了