News

Think of Fashion 005 「A BATHING APE ~1990年代、リミックスとリラックス~」

Think of Fashionはファッションのつくり手であるデザイナーに焦点をあてて、人々の装いについての文化や社会現象などを考えていく会です。

第5回目は「A BATHING APE ~1990年代、リミックスとリラックス~」を批評家で研究者の依田健吾氏と文化学園大学非常勤講師の菊田琢也氏とモデレーターを務める高城梨理世とともに対談形式で考える。

ア・ベイシング・エイプ(A BATHING APE)は、ファッションのみならず映画、音楽など様々な分野と寄り添いながら、独特なストリート・カルチャーを築き上げてきた。
特に洋服のタグなどに見られるサンプリングは、服好きを唸らせている。

今回は、同ブランドを軸に、「渋谷系」や「裏原宿」といった「センス重視」のリミックス文化がどのように相互に影響しあうことで、90年代の文化を形成していったのかについて考察する。

1993年、原宿の裏通り(NOWHERE)で始まったア・ベイシング・エイプRの仕事は、アンディ・ウォーホルを、あるいはNYのグラフティ・アートを彷彿とさせるかのようにポップにサンプリングを繰り返し、コンバースのスニーカーから迷彩のパターン、サントリーの自販機に至るまで、無数の「猿」をストリートに解き放っていった。
そうしたアイテムには「リミテッド」や「ワンオフ」という刻印が打たれ、それらを求め毎週末、若者たちの長蛇の列が出現した。

そこには、「いま-ここ(NOW HERE)」でしか感じられないストリートの熱気が確かにあった。

講師プロフィール
依田 健吾(よだ けんご)
1977年新潟県生まれ。文化女子大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。
家政学修士。玉川大学在籍時にファッション研究という分野と出会い、大学院より研究を開始。専門は90年代のストリート・ファッション。
人々がファッションを楽しむ自分を肯定し、同時に新しい出会いを見つけられるきっかけとなることを目指し執筆・評論活動を行っている。

菊田 琢也(きくた たくや)
1979年山形生まれ。縫製業を営む両親のもと、布に囲まれた環境のなかで育つ。
2003年筑波大学卒。在学時にファッション研究を志す。
その後文化女子大学大学院博士後期課程を修了(被服環境学博士)
現在、文化学園大学非常勤講師、女子美術大学ライティング・アドバイザー。
近著に「装飾の排除から、過剰な装飾へ 「かわいい」から読み解くコムデ ギャルソン」
(西谷真理子編『相対性コム デ ギャルソン論』フィルムアート社2012)、
「やくしまるえつこの輪郭 素描される少女像」(青土社『ユリイカ』第43巻第13号2011)など。

モデレータープロフィール

高城 梨理世(たき りりせ)
1984年鹿児島生まれ。母親の影響で幼少時からファッションに興味を持つ。
国際基督教大学への進学を機に上京、西洋美術史を専攻。
「COLORS ファッションと色彩:VIKTOR & ROLF & KCI」展がきっかけで、ファッションを研究、記述することに関心を持ち、以後修士課程修了まで、ファッションを研究テーマとする。
興味の対象はファッションとオリエンタリズムや、前衛性、身体性の問題など。
好きなブランドはヨウジヤマモト。東京大学大学院表象文化論コース修士課程修了。

日時:2月24日(日)18時00分~19時30分
会、終了後、講師を交えてのアフタートークを予定しております。 
会場:カフェ&ギャラリー「ブロックハウス」(blockhouse)
東京都渋谷区神宮前6-12ー9(原宿交差点を渋谷方面へ。Audiの裏辺りです。)
TEL:03-6318-2003 http://blockhouse.jp/ 
会費 2,000円 ワンドリンク付 
アフタートークは、ワンドリンク、フードつきで、2,000円です。
(フードはブロックハウスの人気メニューをお出しします。)

お申し込み先 「Think of Fashion ファッションを考える」実行委員会
palette.produce@gmail.com
アフタートーク参加希望の方はあわせてお知らせ下さい。

【関連記事】
Think of Fashion 001 ヴィヴィアン・ウエストウッドとその受容
Think of Fashion 002 keisuke kanda-「ガーリー」の突然変異
Think of Fashion 003 「語られない1970年代のコム・デ・ギャルソン」
Think of Fashion 004 「ハトラ 空間の(脱)領土化」

Comments are closed.