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大久保 如彌 Naomi Okubo 「夢のまた夢」

H.P.FRANCE WINDOW GALLERYにて、華やかな色彩や装飾と独自の人物描写が特徴的な大久保如彌の展覧会が5月22日より開催される。
装飾的なパターンは人々の永遠の憧れの象徴として描かれ、ファッションの持つ記号的な意味を取り入れることで重層的なイメージの広がりを持たせている。また、作品中に多く登場する人物は大久保自身を表すと同時に観る人が自己を投影することもできる対象としても捉えることができる。

大久保 如彌 Naomi Okubo
「夢のまた夢」
会期:2013年5月24日(金)―7月4日(木)
オープニングレセプション:2013年5月24日(金) 19:00-21:00
会場:H.P.FRANCE WINDOW GALLERY MARUNOUCHI@ 丸ビル1F
協力:GALLERY MoMo
H.P.FRANCE WINDOW GALLERY
100-6301 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング1F
営業時間:月―土11:00-21:00/日・祝日:11:00-20:00
URL: http://hpgrpgallery.com/window/

私は夢のような世界を描こうとしている。
人々が理想だと思うような。
しかしその世界のイメージは、私たちそれぞれの中から生み出されたものではなく、
多くはメディアなどで流される情報によるものだ。
どのような服装で、どのような場所で食事をし、どのような所に住むのか。
外での振る舞い、装いから、家の中のとてもプライベートな所までも、
理想化されたイメージに私たちは左右されている。
そしてそれらの理想を実現するために生まれる多くの矛盾がある。
豊かさを裏で支える多くの人々や、人間以外の動植物や自然環境等がある。
また、自身を理想に近づけよう、維持しようとすることで生じるストレスもある。
共通の理想や社会のイメージを人々が共有するという事は、本来は社会や他者とより良く関わりたい、
より良い社会を作りたいという願いによるものであっただろう。
しかし私が住むような先進国では、物で溢れ、理想化したイメージはどんどん肥大化し、暴走し、
表面的なビジュアルのイメージを重視した社会を作り出しているように見える。
それにより本来求めていたはずの人と社会との関わりは阻害されている。
では私たち自身は、このように多くの矛盾を孕んでいる事に気がついていないのだろうか。
本当はこんなことはおかしい、と分かっているのではないか。
それでも進んで行くその先に私たちは何を求め、どのような世界があるのだろうか。
このような事を考えながら制作をしている。
2013 大久保如彌

「あの山を越えれば」 2013 アクリル・綿布・パネル 162×130.3cm

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