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第21回原宿シネマ “青春“を感じる映画たちvol.1

VACANTでは、11/9に「原宿シネマ」を開催する。今回のテーマは”青春を感じる映画たち”。館長に漫画家の天久聖一さんをお迎えし、『の・ようなもの』(監督:森田芳光)を上映する。また、上映後には館長と林雄司さん(ウェブマスター)によるトークショーも予定されている。

第21回原宿シネマ 
“青春“を感じる映画たちvol.1
開催日程:2013年11月9日(土)
17:30開場 / 18:00 開演
場所:VACANT
館長:天久聖一(漫画家)
上映作品:『の・ようなもの』監督:森田芳光(103分、1981年)
イベント内容:本編上映+館長と林雄司さん(ウェブマスター)によるトークショー

入場料金
一般¥1800/学生•原宿割 ¥1500
*受付にて学生証をご提示ください。
*原宿在住もしくは勤務されている事が分かるものをご持参ください。
*館長挨拶後のご入場は出来ませんのでどうぞお気を付けくださいませ。

原宿シネマ公式HP http://www.harajukucinema.com/

館長コメント
「の・ようなもの」このちょっと奇妙なタイトルの映画は、森田芳光監督の劇場デビュー作です。若手落語家を主人公にした青春映画で、つくられたのは1981年です。

僕が最初にこの映画を見たのは18歳のとき、深夜テレビの映画番組でした。
当時はまだ80年代。ちょうどバブル前夜といった雰囲気で、世の中がもっともふわふわした、でもまだほんの少しだけ、そんな脳天気な時代への後ろめたさが残っている頃でした。
主人公の若手落語家もそういう時代の空気をただよわせた、頼りないけど純粋で、純粋なぶん流されやすいという、どこにでもいるんだけど、それだけにシンパシーを感じる若者です。
ちなみに主人公を演じる伊藤克信は、撮影時は完全な素人で、それもこの映画の大きな味わいとなっています。
また森田監督も、あとの「家族ゲーム」で一気に時代の寵児となるわけですが、この映画では卓抜したセンスとシニカルな知性を随所に見せながら、新人監督らしいストレートな情熱をぶつけています。
まるで時代の糊しろのような80年代に、完全な素人を主人公にすえた、才能あふれる監督のデビュー作。それはまだ何者でもない、まさに「の・ようなもの」としか言えない存在だった僕にあたたかく、でもふかく刺さりました。

その後「の・ようなもの」はレンタルビデオやBSで、何度か見たことがあります。そしてそのたびに感動したり、またあの頃の自分を思い出して妙に恥ずかしい気持ちになります。今回みなさんと原宿という、それこそ80年代の聖地のような場所で、この映画を見終わったあとどんな気持ちになるか。いまからとても楽しみです。

館長プロフィール
1968年8月14日生 香川県出身。1989年マガジンハウス「パンチザウルス」でデビュー。以後漫画以外の分野で活躍中。
主な著書に「バカドリルシリーズ」(タナカカツキ氏との共著)「味写入門」「こどもの発想」など。
映像作品としては電気グルーヴ、ゆらゆら帝国のPV制作、ロードムービー「悲しみジョニー」。
また今年初の小説単行本「少し不思議。」を上梓した。

上映作品概要
日本映画界をリードし、『メイン・テーマ』、『家族ゲーム』、『(ハル)』、『失楽園』、『間宮兄弟』など数々の傑作を生み出した映画監督・森田芳光。
一昨年、惜しまれながら61歳という若さで他界した同監督の記念すべき劇場用映画デビュー作。
『人間はみな面白いものだ』という観点から、東京下町に生きる若者たちの姿をユーモラスに、そして温かい目線で描いた青春群像劇の傑作。
落ち込んだ主人公が夜の町を歩き続けるシーンは、今も語り継がれている名シーン。観る者を気持ちのよいカタルシスに満ち溢れさせる一本。

なかなか古典落語がうまくならない二つ目の落語家・志ん魚(伊藤克信)は、風俗嬢エリザベス(秋吉久美子)と不思議な仲になり、その一方で落研の高校生・由美(麻生えりか)とも付き合い始めるが・・・。

監督・脚本:森田芳光
製作:鈴木光
撮影:渡辺真
音楽:塩村宰
編集:川島章正
出演:秋吉久美子、伊藤克信、尾藤イサオ、麻生えりか、でんでん

©1981 N.E.W.S. CORPORATION

予告編:http://youtu.be/n2ILT3n6g-c

主催:SYNCA / VACANT  
運営:DAIKEI MILLS/HUTU/PLANET

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