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イラク人質事件から10年。当事者たちのその後を追ったドキュメンタリー『ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして』

イラク人質事件から10年。世間から激しいバッシングを受けた当事者たちのその後を追ったドキュメンタリー『ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして』が新宿バルト9での公開終了後(12/13まで一週間限定上映)、大きな反響を呼んでいる。「イラク戦争を検証するはじめての映画」、「当時、イラク戦争を支持した日本という国に住んでいるものとして、もっと観られて欲しい」といった声を受け、2014年1月25日(土)~渋谷アップリンク、2月8日(土)~名古屋シネマスコーレでの公開も決定した。
新宿バルト9でおこなわれたトークショーでは、伊藤めぐみ監督、出演の高遠菜穂子さん、今井紀明さん、映画監督の原一男さんが登壇。「撮影当初、二人に過去の傷をえぐる質問をすることに抵抗を感じた」と語る伊藤監督に対し、高遠さんは「いままでもテレビ局などから撮影の企画書がきたことはあったがほとんど断ってきた。今回、引き受けたのは今までの取材依頼は人質事件にフォーカスしたもので、私が向き合ってきた<イラク戦争>のことまで現地に来て取材したいと言ってくる人は伊藤さんの他にはいなかった」と、出演を引き受けた思いを語った。今井さんも、出演を通して「今、現在は不登校、引きこもり経験のある高校生を支援する団体を作って活動しているが、そもそもは自分自身が当時、<自己責任>として世間から叩かれたことがきっかけで今の活動があるので、この10年を振り返るいい契機になった」と語った。トークでゲストの原一男さんが満員の観客に「この映画を日本中の人々に観てもらうことに協力しよう!」と訴えると会場は大きな拍手につつまれた。アップリンクでの上映期間中もトークイベントを開催予定(詳細は公式HPにて)。

『ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして』 イラク戦争から10年が過ぎた。当時、日本中でバッシングが吹き荒れた「日本人人質事件」のことを覚えているだろうか? イラク支援のために行った日本人3人。しかし、ファルージャで地元の武装グループによって日本政府へ自衛隊撤退を要求するための人質として拘束された。日本では3人の軽卒な行為が国に迷惑をかけたとして「自己責任」を問われ、また同時に事件そのものとは関係のない誹謗、中傷も行われていた。この映画は、はからずも人質となった高遠菜穂子さん、今井紀明さんの現在の姿を追うことで日本社会の問題点、そして未だ戦火の止むことのないイラク、ファルージャの生々しい現実を捉える。

出演:高遠菜穂子、今井紀明
監督:伊藤めぐみ
プロデュース:広瀬凉二
制作プロダクション:有限会社ホームルーム 2013/日本/カラー/HD/95分

http://www.fallujah-movie.com/

© 2013 有限会社ホームルーム 一般社団法人全日本テレビ番組製作社連盟

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